14:11
米子駅に戻ってきた。いやー、14時に下山完了して、JRの駅まで退却できているとは朝の時点では想定していなかった。なんだかお得感いっぱいだ。
よし、空いた時間を使って、境港にでもいって海の幸を・・・ということを考える事ができれば大人の余裕だが、やっぱり常に僕の頭の中には「法事をないがしろにしている態度を、家族親族の前でさらすわけにはいかん」という考えがあった。なので、米子駅に着いたら、とっとと帰省だ。
駅の中を歩いていると、マッサージ店があった。おう、マッサージか!登山のあとお風呂に入る、というのはよくある話だが、登山後にマッサージというのはちょっと想像したことがなかった。それは面白いかもしれない。
もし、岡山行きの特急やくもの出発がしばらく先なら、マッサージというのもいいかもなあ。ごくり。
ただ、汗をしこたまかいた後のマッサージだ、あまり清潔ではなくて施術師にとっては迷惑だろうか?やめておいた方がよいのかも。
14:14
米子駅の改札口に行ってみると、「特急やくも20号岡山行き」が14:28に出る、というディスプレイ表示があった。おっと、あと14分後に出発なのか。なんというタイミングの良さ。もちろんコイツに乗るしかあるまい。とはいえ、本当にゆっくりしていないな。登山しておしまい。
電車の接続が良いというのは大変に結構だけど、何もできないのは惜しい。よし、せめて車内でハデに宴会をしようではないか。日本海の海の幸を大量に買い占めて、それらを食べて食べて食べまくろう。食べて復興支援。・・・いや、鳥取は別に何か自然災害に被災してないから。勝手に復興支援とか言うな。熱い風評被害。
いずれにせよ、ここからは電車旅だ。しかも特急列車なのである程度くつろげる。宴会を開いても怒られることはない。ましてやお酒を飲まないわけだし。
14:15
おっと!改札口のところに何か情報掲示があると思ったら、「東海道本線(静岡県内)土砂流入に伴うサンライズ出雲号の運転取りやめについて」と書いてあった。え、サンライズ出雲って運休になったの!?危なかった、1カ月前、サンライズ出雲で米子入りしようかと思っていたからだ。万が一、サンライズ出雲のチケットが手に入ってウキウキしていたら、大山登山ができないどころか実家帰省も危ぶまれるところだった。
14:26
米子駅近辺でゆっくりするほどの時間もなかったので、駅の売店で「日本海の海の幸」を買っておいた。とはいっても、食べるものというのは案外限られているものだ。せいぜいちくわとかかまぼこといったものだ。「日本海の海洋資源が枯渇する」ほど買いたかったのだが、残念ながらそうはいかなかった。お昼ご飯はもう食べているので、今更お寿司なんて買えないし、干物みたいなものは車中で食べられない食べものだし。
米子駅に特急やくも号がやってきた。いつ製造された車体なのかしらないが、最近関東で走っている特急列車と比べると重たそうな質感がある。こういうところにも旅情を感じて、いい。
早朝、米子に到着したときは、「寝ている間に米子に着いてしまった」といった感じで、ワクワク感が足りなかった。浜松町でバスに乗り込んだら、あとは宴会とかできるわけでもなく、おとなしくお行儀良くしているしかなかった。その点鉄道の旅はどうだ、これからあぐらかいたりリクライニングをバターンとしたりしながらリラックスできると思うと、ワクワクするなという方が無理がある。
もう登山が終わって、これからありふれた実家に帰省するだけだというのに、なんで今頃になって旅情を感じているのだか。
14:32
電車はゴトゴトいわせながらゆっくりとホームを離れていった。米子駅から特急電車は伯備線に入り、このあと中国山地を縦断していくことになる。
米子駅から出てすぐ、平野の先に伯耆大山の姿を見ることができた。遠くから見ても立派な山だ。あの山頂に登ってきたぜ!と電車でくつろぎながら、今日一日の武勇伝を振り返る。河原で熊と一匹の鮭を奪い合った思い出、崖から落ちそうになっている人をザイルで救出した思い出、山頂で豚一匹を丸焼きにして登山客に振る舞った思い出・・・ああ、すべてが懐かしい。
ずいぶん誇張されているが、それもこれも登山を無事に終えた人に許された特権だ、許してやってほしい。
14:46
さて、と。
乗車してすぐに、宴会用の料理を出すというのはがっついていて見苦しい。かといって、もったいぶってなかなか袋から取り出さないというのもしみったれていて格好が悪い。絶妙なタイミングで宴会用料理を出すのが真の紳士淑女の振るまいぞ。
米子駅出発後、大山が車窓から見えなくなるまで外を眺め続け、見えなくなったところで戦利品を出した。
うわあ、なんだかすごいことになったぞ。
あご野焼き、焼きかまぼこ、生姜とうふ、そして山用に買ってあった「みんなのおやつ ピーナッツチョコ」。相変わらず「みんなのおやつ」にはならずに、「俺様専用おやつ」のままだ。それは電車に乗ってもかわらない。
14:47
量そのものが多いというわけではないのだが、一人で、岡山に着くまでの間に食べるにしてはちょっと多すぎだ。酒の肴にするわけでもないし。
お酒をやめて1年半になるが、こういうときどういうペースで、どういう表情で、どういう心構えで宴会をやればよいのか未だに立ち位置を掴みかねている。でも、いろはすスパークリングをぐいっと一息あおって、それからちくわなどを食べるというのはご満悦なひととき。いいね、これ。
登山終わりなので、相変わらず喉が渇いている。結局、電車に乗っている間に1.5リットルも水分級をした。ふはは、太鼓腹だぜ。
深夜高速バスでの登山は、いきなり現地に投げ込まれるので「旅情」という点では若干タイムラグがでる。結果的に下山してからの方が気分に余裕ができて、むしろ旅情!という感じではあった。でも、伯耆大山にこうやって好天のもと登山することができて本当に良かったと思う。
やはり年に一度くらいは山に行かなくちゃなあ・・・。2014年シーズンはもう終わりだけど、さて、来年以降どうしたものか。
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