08:25
朝日を浴びている石畳の参道を歩いていく。
こうやってあらためて写真を見ると、それなりに傾斜がきついことがわかる。
「このまま山頂まで淡々と登って行ければいいのだけどなあ」
無茶なことを言う。それは登山とは言わない、単なる「お散歩」だ。見ろ、目の前に大山がそそり立っているではないか。
08:26
門前町、ということで旅館が何軒もある。そのうちの一軒の看板に、「山菜鍋、山菜料理、ジンギスカン鍋」という表示があった。ええのう、ジンギスカン食べたいのぅ。今この宿に突撃しても、まだ宿泊客の朝ごはんのお世話をしている最中だろう。ジンギスカン?はあ?という状態だ。
それにしてもなんで「ジンギスカン『鍋』」なんだろうな。カブトのように出っ張った形をした鉄板で食べるわけで、「くぼみ」に汁をためる「鍋」とは真逆なものなのだが。「ジンギスカン焼き」なら納得するのだけど。
ところで話がずれるが、ジンギスカン鍋にはくぼみがあって、そこに肉の脂がしたたり、鍋底に敷いた野菜に脂のうまみが染み渡って良いのだ、という説明を幾度となく聞いたことがある。しかし実際に、羊肉からそんなに脂がしたたったためしがない。本当にあの溝は必要なのか、そしてカブト型の鍋が良いのか、僕はずっと疑問でいる。食べているうちに面倒になって、カブトの上の方まで野菜を置いたりするようになるし。
08:27
参道沿いに、「大山火の神岳温泉 豪円湯院」という日帰り入浴施設を発見。これは便利だな、下山したときにひとっ風呂浴びられるというのは自分にとっても、周囲の人にとってもありがたいことだ。誇りっぽい、汗臭い体のままで電車やバスに乗るのははばかられるので、身だしなみという点でも「下山後風呂」は推奨したい。
大山自体は火山ではないので、マグマで温められた地下水が・・・というわけではない。1,200メートルのボーリングで掘り当てた温泉だ。単純泉。
入館料がすばらしい。タオル付きで600円だという。最近、東京界隈の日帰り入浴施設はお値段が1,000円近くするところが多いように感じるが、600円とな。これは是非下山したらお邪魔したいところだ。が、こればっかりはバスの時刻表次第といったところ。そう簡単にうまくいくとも思えない。
登山終わりに風呂!ウヒャーッ最高!というイメージがあるが、実際は日に焼けて肌がひりひりしているために悲鳴に近い「ウヒャーッ」という声が発せられることになる。刺激の強い泉質の温泉ならなおさらだ。
08:28
そんなあなたに朗報です。この施設、道路を挟んで対面に無料の足湯が用意されていた。すばらしい。自然にこんこんと湧出する温泉を使っているならともかく、ボーリングしてポンプアップした、「お金がかかっている」お湯を無料で使わせてもらえるなんて。
足湯なら、日焼けした肌が痛くてたまらんです、ということは起きにくい。うん、これなら下山時にするりと楽しめるかもしれない。湯船にドブンは無理でも、こちらには期待したい。
この足湯、わざわざ車いす用のスロープまで用意されている。バリアフリー足湯ってのは初めて見た。
湯加減をお試ししてみたかったのだけど、今ここで足をふやかしてしまうと、この後靴擦れを起こしそうで怖い。見るだけでやめておいた。
08:29
案内標識に従って、大山寺に向かう参道を90度折れ曲がる。登山道入口のところにお寺があるのかと思っていたが、そうではないらしい。山岳信仰と絡んでいるはずなのだけど、違うのだな。
08:30
おお?モンベルショップがこんなところに。しかも、かなり立派だ。
登山口に登山用品店を売るお店がある、というのは斬新だな。こんなの、北アルプスや南アルプスでも見たことがない。
ターゲットとなる客が登山客ということで、既にこの時間でも営業を開始していた。朝8時からやっているアウトドアショップ、というのも都内郊外含めてちょっと珍しい。
二階建ての建物なので、二階ではアウトドア講習会などを開催できるようになっているのだろう。
ただ、じゃあこれから山に登ります!という僕がこのお店に立ち寄るかというと、それはなかった。装備品は当然完璧な状態でこの地を訪れている。「あっ、しまった!アレ持ってくれば良かった!」なんてうっかりがあるようじゃ、山登りをする人としては失格だ。
大山情報を仕入れたり、ここではどんなものが売られているかを知りたかったので立ち寄るのも良かったが、結局素通りした。登山開始時って、「さあ!前へ!前へ!少しでも標準コースタイムを短縮するぞ!」と気合いが入っているものだ。だから、寄り道する気にならないからだ。
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