ハタケ仕事と山登り【羊蹄山】

16:44
ニセコの比羅夫(ひらふ)エリアにやってきた。

ニセコにはスキー場が4か所ある、と書いたけど、その中で街の規模が最大なのがここらしい。今この文章を書くためにざざっと調べてみて、初めて知った。この地を訪れた当時は、そんな予備知識は皆無。

なので、別のスキー場に泊まっていても、ナイトライフを楽しむために夜はここに集まってくるスキーヤー、ボーダーが結構いるのだとか。へー。

山の中腹に向けてまっすぐな道、緩やかな登り。

大きな建物が並ぶ。スケールが大きい。

スキー場というと、民宿や小さな旅館が軒を連ねているというイメージだけど、ここはドカンドカンとでかいホテル(たぶん)が立ち並ぶ。さすが北海道だ。だいたい、こんなに道が広いんだからびっくりだ。

今思うと、このスキー場城下町といえるエリアを探検しておけばよかった。歩いて探検はちょっと大変だけど、車でぐるっと回るくらいなら、できた。そして4つのスキー場をそれぞれ見て回るとか。そうすれば、「オレ、ニセコのスキー場界隈はちょっと詳しいんだぜ?」って言えるでしょ。滑ってもないのに。

16:50
町並みを探検することさえしなかったのは、天気が悪かったのと、ホテルにとっとと到着しちゃったからだ。

16時50分。昼過ぎまで小樽にいて、ニセコ駅界隈をうろうろした割には案外早くついた。

「北海道はデカいから、地図に惑わされずに、時間に余裕を持って」と肝に銘じていたら、思ったよりは早く到着できた。何事も心の余裕が大事だな。

で、本日のお宿、「湯元ニセコプリンスホテルひらふ亭」。

「プリンスホテル」と名乗っているのに、「湯元」とか「ひらふ亭」とか、和風なネーミングとごちゃまぜになっている風変わりな宿。

ハイシーズンならば1泊2万円以上となる結構なお宿。さすがに一泊するのにそんなお金は払えないけれど、幸い今はオフシーズン。お一人様の一泊二食で9,480円だった。僕としてはもう一声安い宿の方が財布事情と合致するのだけれど、羊蹄山に近く温泉!バイキング!ウヒョー!ということでこの宿を選んだ。

まあ、バイキングはそこまで重要ではないのだけれど、やっぱり楽天トラベルとかじゃらんで気軽に予約が取れるというのは大事。今更、宿に電話して空室を確認したり値段を聞くというのはやりたくない。集客に困っている宿の人、「代理店に手数料を取られる」とか「パソコンに疎くて」とか言ってないで、とっととネット旅行サイトと契約したほうがいい。少なくとも僕は、電話をかけてまで宿の予約をとりたくはない。だって、検討しているのは大抵仕事終わりの夜遅くだから。思い立ったらすぐ予約、取りたいじゃん。

湯元ニセコプリンスホテルひらふ亭は、プリンスホテル!という割にはおとなしめの外観。勝手に「プリンスホテルというのはバブル感ある尖ったデザインの宿」と思い込んでいた。

どこか経営破綻した宿をプリンスホテルが買収したのかと思ったけど、そういうわけではないようだ。

むしろ逆で、この近くにある「ヒルトンニセコビレッジ」はもともと「ニセコ東山プリンスホテル」だった。バブル期にこの界隈をコクド(西武グループ)が意欲的に開拓し、そしてバブル崩壊とともに西武の影響力が落ちた、そんな栄枯盛衰の場所だった。それでも比羅夫にはプリンスホテルがとどまっている。

「あああ!?」

ホテル駐車場に車を停めたところで、思わず声が出た。

というのも、そそくさとチェックインする前に明日の行き先をカーナビで確認しようとしたからだ。目指すは、樽前山。苫小牧市にあり、ニセコからは車で推定2時間ほど。

飛行機の離陸時間、登山に要する時間、そして車での移動時間を逆算していって、明日のチェックアウト時間を考えようと思ったわけだけど、カーナビに表示されているのは真っ黒な道路。

つまり、通行止めだよ、という意味だ。VICS情報がカーナビにオーバーレイされている。

まじかー。

今回の台風被害は、僕に羊蹄山登山を諦めさせただけでなく、余市のニッカウヰスキー醸造所見学を中止させ、さらには明日の樽前山登山まで危うくさせている。ほれぼれするくらい甚大な被害だな、おい。

ハタケ仕事のあと、マジで単に2泊、北海道観光旅行満喫じゃないか。2つの山に登る、なんて気合いを入れて装備も持ってきたのに、どうすんのこれ。いや、どうしようもないけれど。

道路が黒く塗りつぶされているだけでなく、ご丁寧に通行止めのマークもカーナビには表示されていた。土砂崩れかなにかが起きたな、こりゃ。

樽前山登山口がある七合目までの道だけでなく、支笏湖に通じる道もふさがっている。これだと、「悔し紛れに、山の麓まで行って山を見るだけ見てくる」ことさえできない。

うーん。明日の朝になってみると状況が変わっているかもしれないけれど、あまり期待はできないだろうなあ。「徹夜で懸命の復旧作業」というわけにはいかないだろうし。うーん。

ひとまずチェックイン。広いフロント。

さすがプリンスホテルだ、チェックインは無人で、機械式だった。

決済は既にネットで済んでいるのだけれど、入湯税だけは現地払いだ。入湯税というのがどういう仕組みなのかよくわからないのだけれど、どうしてこうなっているのだろう?どこの温泉宿も、そうだ。旅行代理店が収納代行してはいかん、という理由があるのだろうけれど、まったく不自由だ。

入湯税150円、これをクレジットカードで現地決済するという不毛。人生で最も安い決済にクレカを使ったかもしれない。

比羅夫エリアの街並が紹介されている地図。右上が山の方向で、左下が山裾。真ん中を横に突っ切る道路が通っていて幹線道的な役割になっている。「ニセコパノラマライン」という名前で、山の中腹を走る広域農道のようで、ニセコにあるスキー場がこの道につながっている。

こうやって見ると、ニセコパノラマラインよりも低いところ(地図の左下側)に結構広い町並みが広がっていることがわかる。どうもこっちの方に小さめの宿や居酒屋などが立ち並んでいるらしい。

自分が今いるフロントが、この建物における「3階」だということを今更知る。

いいねえ、山の斜面に建てられた建造物ならではの、トリッキーな作り。こういう建物は探検のしがいがある。「なぜ、このフロアにこの施設があるのか」とか考えたりしながら。

この宿の場合、3階はフロントと売店、そして大浴場がある構造だった。このフロアマップだけ見ると、日帰り入浴施設のようだ。

そしてエレベーターホールに行くと、各フロアの紹介があるわけで、そこで「なるほどそういうことか!」という種明かしになる。へー。

3階にフロントがあって、客室は2階と、4階~6階。食事処は最下層の1階だった。普通は風呂が一番下のフロアか一番高いフロアにあるものだけど、ここは違うんだな。

僕が与えられた部屋は、2階。「201号室~288号室」とフロア案内には書いてあったので、88室もあるのか!?まさか、と思ったが、やっぱりさすがにそれはなかった。4号室と9号室は欠番になっているし、その他抜けが結構ある。

このフロアはシングルルームが並んでいるようだ。しかし一方で、シングルルームと廊下を挟んだ向かいは、部屋が2倍くらい広い。しかも、バルコニーがあって、露天風呂がついているっぽい。バルコニーにミドリムシみたいなマークが描かれている。へー。

そんな、「独り身の人専用」と「露天付き個室」を満喫できる人との軍事境界線となる廊下。

(つづく)



タイトルとURLをコピーしました