屯田兵になった【北海道ハタケ仕事2】

横倒しになってしまったかぼちゃの茎。無残だ。

仲間の茎を摘み取られてしまったので、「やってられっか」とふてくされ、すっかり地面に倒れこんでしまっている。

「いやまあ、そこんとこなんとか」となだめるが、いったんやる気を失ってしまったかぼちゃはもう立ち直らない。さすがに、さっきまでばっさばっさとせん定していたわれわれも「これはちょっとやりすぎたかも」という気になってきた。根っこを引っこ抜いて茎を引きずり出したのは乱暴だったらしい。

「葉っぱについた土はちゃんと落として」

井川さんの奥さんから指示がでる。土がついた葉っぱは、光を受け止められなくなって衰弱するからだ。ああそうか、葉っぱって「ああもううっとおしい!」とばさっと振り払うことなんてできないんだな。当たり前だけど、あんまり実感を持ってそういうことに配慮ができていなかった。

雨が降ってきたし、そこそこ作業を続けてきたのでいったんここで一休みとなった。

建物に戻る途中、ハタケの片隅の狭いエリアで栽培している作物のところに案内された。

あんまり見慣れない葉っぱだ。これ、なんだろう?まるでカビが生えたかのように白い斑点がついている。

あ、これはズッキーニだ。

知らなかった、ズッキーニってこういう葉っぱだったのか。

もともと僕はズッキーニをスーパーや八百屋で買って調理するということを全くしない。ズッキーニはお店で食べるもの、という印象がある。ましてや、育っているものなんて見たことも想像したこともない。しかし、スーパーの食料品売り場に綺麗に並べられているように、畑でポコポコ自生しているわけではない。ちゃんと葉っぱがあり、花をつけ、実らせて、収穫して、運送して初めて店頭だ。その過程に対して、あまりに想像力が働いていなかった自分にあらためて驚いた。

最近の子どもに魚の絵を描かせたら、切り身を描いた・・・という笑い話があるが、これはもう僕でさえ笑えなくなってきている。

しかしこれは、「生産現場への想像力の欠如」とは言い切れないぞ。

黄色く、丸いズッキーニ。こんなものもあるんだ!

鮮やかに、ムラなくまっ黄色のズッキーニは、まるでパプリカのようだった。ズッキーニってキュウリと似ていて紛らわしいよね、とは言わせない。黄色いキュウリなんて世の中にはあるまい。

ちなみにズッキーニはウリ科カボチャ属の植物。きゅうりはウリ科キュウリ属の植物。ズッキーニとキュウリは外見が似ているのは、親戚だからだ。しかし、血の濃さからいったら、ズッキーニはかぼちゃのほうが近いということになる。へえ、勉強になるなあ。

雨が降る豆畑マメヒコ。

屋内に入る前に、道路沿いにある無人販売所を覗いてみることにした。今日は何がおいてあるのだろう?

午後ということもあって、まだ売れ残っているものはあまり多くなかった。

それでも目立つ、黄色いズッキーニ。遠くから見ると、夏みかんかはっさくのようだ。車で通りすがりに「何か今日はめぼしいものがあるかな?」と車窓越しに観察した場合、あれがズッキーニだとは認識できないかもしれない。

本日の売り物は、値札によると

大根 50円
ズッキーニ 100円
玉ねぎ 100円
じゃがいも 100円
ささぎ 200円

となっていたようだ。ズッキーニのほかに、大根がまだ1本残っていたし、ささぎも二袋残っていた。大根は葉っぱが丸ごとついているやつなので、油で炒めてご飯の上に乗せて食べたいところだ。いいなあ、葉っぱつきの大根。でもさすがに、東京にこれを抱えてもって帰るわけにはいかないだろうな。

ささぎってなんだろう?と思ったら、さやいんげんのことらしい。
こういったものはハタケでは栽培していないはずなので、どこかから仕入れているものなんだろう。

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