屯田兵になった【北海道ハタケ仕事2】

豆をお土産にもらった

専務は焙煎したての豆を冷却箱からスコップですくい上げ、ざざざっと袋に詰めた。

「これ、差し上げますので。マメヒコの深煎り。」

えっ、豆のお土産が貰えるんですか!とてもびっくりした。しかも、カフエマメヒコで実際に看板メニューとして存在する、「深煎り」とは。これはとても嬉しい。専務と井川さんそれぞれにお礼を言い、本当に焙煎したばっかりの深煎りをもらい受けた。

深煎りは、マメヒコのオリジナルブレンドだ。何度となく試飲を重ねて作ったものだという。酸味は少なく、芳醇な香りと苦みが特徴。苦みは苦手、という人には、「浅煎り」というメニューも存在する。

北海道のここで焙煎して、東京のお店で提供されるとなると随分時間が経って味が劣化してしまうのではないか。だから、今日こうして「焙煎したて」が手に入るということは本当に素晴らしいことだ・・・というのは、間違い。井川さんが菊地珈琲を口説き落として、北海道以外の地である東京のお店に卸すことを認めさせた際の条件として、「焙煎後10日以内に消費すること」というものがあったらしい。なので、お店で飲んでも、新鮮な珈琲が楽しめる。前述の通り、珈琲は焙煎してから3日目くらいがベストの香りを放つ。焙煎したてを飲んでも香りがあまりしないのだから、結局ちゃんと品質管理され、プロが抽出したマメヒコ店内の珈琲にはかなわないと思う。

ご飯をご馳走になる

工場見学ののち、二階の客席に通されて食事と珈琲が振る舞われた。前回は全員一律でホットサンドだったのだけど、今回はメニューを渡されて「好きなモノ選べ」状態だった。むしろこういうときこそ、選びにくくて悩ましい。これが自腹ならなんてことはない。でも、多分シチュエーション的にはご馳走になるのだろう。となると、何でもかんでも選んで良いというわけではない。で、ご馳走になるにしても、井川さんのおごりなのか、菊地珈琲からのおごりなのかによっても意味合いが違ってくる。・・・多分、井川さんのおごりだろうな。

これは僕以外の人が頼んだピザトースト。うほう、美味しそうだ。「喫茶店で食事をとる」という習慣がまったくない僕は、こういう「喫茶店メシ」がとても新鮮に映る。スタバとかドトールではこういうメニューはないからな。・・・あ、ドトールにはミラノサンドとかあるか。でも、ああいうお店はガッと食べてとっととお店を出るっていう印象がある。

ホットサンド

こちらは僕が頼んだホットサンド。前回食べたホットサンドが大変においしゅうございまして、これはたまらんと今回もまた頼んでしまった。普通の僕なら、「前回とは違うものを」というモノの考え方をするが、このホットサンドばかりはそうはいかなかった。

ホットサンドメーカーが家にあります、というならともかく、そうでもなければなかなか食べる機会がないものだ。この「サンドの表面全部が耳」状態の幸せなことよ。カリカリしていて、さっくりして、食べ応え十分だ。

食べ応え十分といえば、ついさっき宿で「軽超食」を食べたばっかりなんだった。ハタケ仕事をしておきながら、北海道から戻ったら太っていそうだ。

ケニア・マサイを買う

食後、一階でみんな珈琲豆を買う。マメヒコに通っている常連たちからしたら、「あの!菊地珈琲!」という存在なので、そこで豆が買えるなら是非是非、というわけだ。さっき「深煎り」を貰ったばかりだというのに、さらに買う人々。

前回、グラム1,000円以上するブルーマウンテンを買っていた人が、今回もやはりブルーマウンテンを買っていた。「えっ、今回も?」と聞いたら、「折角ですから」だって。

ハタケに戻る

菊地珈琲からハタケまでは1時間強の道のり。たっぷり時間をかけて、車で移動する。今日東京から駆けつけた参加者がいるので、その人を空港でピックアップしてからハタケに向かう。みんな限りある時間を工面してよくやるなあ、と感心させられる。

今日から参加の人は、お店をやっているということで、本来は土日なんてなかなか休めないのだけど、なんとか都合を付けて日曜日に駆けつけたのだという。

やや元気を取り戻したカボチャ

さっそく昨日蹴散らしまくったカボチャ畑に行ってみた。

おお!昨日は仲間をせん定され、自身は茂みの中から引きずり出され蹂躙されたことでふてくされて横倒しになっていたのに。昨日の雨のせいもあってか、葉っぱが上を向いていた。一晩経って、またやる気を出したようだ。強い生命力だ。

カボチャと格闘再開

さすがにまだ昨晩のショックから立ち直れていない場所もある。ハゲかかっている人の髪の分け目みたいに、「あっ、よく見るとこの人ハゲつつある!」という雰囲気がある。でも大丈夫、昨日は地面に突っ伏していた葉だったけど、既に上を向こうとしてぐいんと茎の向きが変わってきている。

種を蒔いてから2カ月でここまで成長するような植物だ、反応がとても早い。

間引き終えたカボチャ

ほら、こっちはすっかり元気になっている。間引きされて地面が見えるようになっているし、茎同士が絡み合っていないけど葉っぱは上を向いている。でもよく見ると、茎の先端部分はチョキンと切り取られているのだけど。

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