14:32
表彰式が始まった。のっとれ!戦士たちが会場の外から凱旋してくる。
・・・のを、客として眺める。
いい加減だなあ、もう。
昨年覚えたテクニックで、凱旋の列が我々の横を通過する際に、ひょこっと合流するというやり方を今回もやることにしている。
今年の新城主が、そり付きの特製駕籠に乗せられ、先頭に控えていらっしゃる。
今回は、昨年までの歴代城主は「招待選手」扱いであり、ランキングに参加することができない。なので、全くの新しい城主様、ということになる。
せっかくの晴れ舞台だけど、鎧兜に身を包んでいるため、どんなお人柄なのかはさっぱりわからない。例年そうだけど、今年もやっぱり、そう。
14:38
表彰式開始。
戦士たちが舞台を取り巻く中、新城主が招かれて壇上へと向かう。
軍配を副将軍から受け取り、高々と掲げる。
歴代の城主名が記されたリボンがくくりつけられた、独特の軍配だ。優勝トロフィーなら世の中たくさんあるけど、「優勝軍配」というのはなかなかないだろう。
プレゼンターである副将軍は齢80歳。こういうイベントごとに関わっている気力体力ともにすごい。しかし、やっぱり「おじいちゃん」であり、若干のたどたどしさがあって、むしろそれが愛らしい。みんなの微笑みを誘う。
ちなみに城主は副賞として米一石、玄米にして150kgが贈呈される。家族4人いたとしても、到底食べきれない量だ。周りにお裾分けしまくらなくては。
ちなみにたっぴぃさんやよこさんは、毎年春になると新潟で田植えの手伝いをやっており、その収穫物として秋になると米60kgが自宅にドカンと送られてくるそうだ。よこさんなんて一人暮らしだから、60kgもの米を消費したり配ったり、秋から冬にかけてはかなり大変らしい。
「だから、城主になってもねぇ」
なんて言うけど、まあ、そもそもこの人たちと張り合おうとすると、我々が1時間かけてゴールした場所に20分程度で到着できるだけの体力が必要だ。そもそも次元が違う。
表彰式は延々と続く。
「延々と」というほどではないのだけど、この後に続く「お楽しみ抽選会」を待っている人たちが舞台下でウズウズしていて、「早く終われ」感が結構強い。
上位入賞者を全員でたたえよう、という雰囲気があんまりない、というのがちょっと面白いシチュエーションだ。いや、もちろん「すごいね!」という気持ちは持っているんだぞ?僕らだって、ヒイヒイ言いながら同じ道を歩いたんだから。あの道を超高速で駆け抜けただなんて、想像しただけで身震いする凄さだ。
でも、表彰式は長い。
総合1位から10位までを表彰したのち、女性部門が5位まで、遠方から来た人の表彰、大歌舞伎者賞、そして「参加者中50歳以上で上位だった人」の男女別表彰。18名+1組(大歌舞伎者賞)の表彰がある。
一人一人呼ばれて、舞台下から壇上に上がって、表彰状が読み上げられ、副賞が渡され、という段取りがある。
ちなみに女性1位は、ストームトルーパーさんだった。
総合では32位。つまり、トップ31名は男性だった、ということになる。男性、ガチすぎる。
ちなみに出走457名で、完走457名。
大歌舞伎者賞は、恋ダンスを踊った「最強!赤ずきん伝説!オオカミをやっつけろ」組が獲得。とにかく、ニコニコしながらフリフリと女性たちが踊っていたというのが好印象だったんだと思う。実際、かなり場が和んだし。
審査基準、というのは全くの謎。
いやー、今年はインパクトと「十日町市の伝統芸能を世に知らしめた貢献」ということで、ちんころさんが受賞してもよかったんだけどなぁ。会場人気がとても高かったし。来年も頑張れ、ちんころ軍団。
ほかにもいろいろ、ほうびを受け取る人たち。ええのぅ。
ここまでは実力の部。そしてここからは村山統合軍師殿が登場して、当たってうれしい大抽選会だ。「うれしい」といっても、「遠島の刑」とか「釜ゆでの刑」「酒責めの刑」といった刑罰なのだけどな。
いやあ、今年の僕ら、ほとんど歩いちゃったし、たるんでると思うんですよ。罰を受けないといけないと思うんですよね。おまえら、舐めるな!って。しかも毎年毎年、このサイトで「歩いて楽してゴールした」なんて記事を書いて世に広めていたら、「のっとれ!松代城」の沽券に関わるというものだ。
いい加減僕らをバッサリと処刑して、ハワイでもなんでも、遠くに追放した方がいいと思うんです。わりとマジで。だからハワイを、お願いしますアロハ。
抽選はどんどん進んでいく。
が、かすりもしない。僕らは全員、400番台の前半に集中しているのだけど、そもそも400番台が読み上げられない。どうなっているんだあの箱の中は。
「まあまあ、今ここで小さな賞を当てるよりも、この後のハワイとか温泉旅行とか、そっちの方が大事だから」
とお互い慰め合い、励まし合う。
しかし、まったく当たらないと、だんだん不安になってくるものだ。
写真は、松代郵便局の人が、抽選で当たった人にお酒を渡しているところ。
抽選はあっという間だ。
番号を呼ばれても、応答がない場合がある。レースそのものを楽しんで、抽選会には参加せずにとっとと帰宅してしまう人も中にはいるからだ。電車の都合で早く帰る、という人もいるだろう。
そんなわけで、誰も名乗りを上げなかった場合は、その人の権利はお流れとなり、もう一度抽選がやり直しになる。のっとれ!戦士たちは大盛り上がり。
だが、その都度期待は裏切られ、相変わらず自分の番号が呼ばれない不運を嘆くことになる。
さて、最後の最後、ハワイ遠島の刑。今年も5名。
ハワイの雰囲気を高めるために、若い女性がレイを持って待ち構えている。
当たらない・・・
だんだん、「こりゃ無理だ」感が会場を占めていく。どんどん確率が狭まっていくのがビシビシと肌に伝わってくる。
そして最後の一人。
ああ、やっぱり駄目だった。
壇上で喜んでいる人たちを、4年連続でしたから見上げる我々。
「やっぱりなあ」
というため息しか、出ない。
宝くじを買う人が、「確率は低いかもしれないけど、買わないとそもそも当たらないから」と言う。僕らも同じ心境だ。しかも、「のっとれ!松代城」の場合、確率は決して低くないのだけど、当たらない。はああ、まいったなぁ。
お互い顔を見合わせ、苦笑するしかない。
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