17:54
宿泊の部屋は二階にあるという。フロントの裏手に階段があるのだけど、ここから一気に「温泉旅館感」がでてきたぞ。
「温泉浴場2階」という看板もしかり。まずそもそも、フォントが一気に和風だ。
このギャップが面白い。
「食事、やっぱりさっき見えた場所だって」
たっぴぃさんがチェックインを済ませて教えてくれる。あの丸見えウェイティングスペースでか!そりゃ面白い。
本来なら、週末の昼時など、ドレスやら礼服を着た親族友人たちがにこやかに集い、もうじき始まる式に思いをはせつつ、ウエルカムドリンクなんぞを飲んでいるのだろう。
そこで、鍋!酒盛り!
いいじゃないか、こういうのがむしろ僕らの望みだ。
そもそも、今年は「のっとれ!松代城でいよいよハワイ遠島の刑を申し受ける年」だ。きっとそうだ。なので、今年はめでたい年なんである。前祝いに結婚式場を貸し切り、我々の永遠に続く前途を祝うというのは大変理にかなっている。
二階に上がると、そこでは和服の男女マネキンがお出迎え。お色直しの際に、和服も是非どうぞ、というわけだ。
部屋に入ってみる。
「おお、わかってはいたけど、やっぱり和風だ」
笑ってしまう。一階の装いとは全く違う、畳の部屋が待ち受けていた。
「なるほど、これなら金誠館で納得だ」
どう見てもここは「グレースコート・レアリス」ではない。
床の間には掛け軸がかけられている。
「結婚式の前日に、遠方からやってきた親族が泊まるための施設かな?」
「そうかもしれない」
みんなで室内をウロウロしながら、いろいろなことを考える。
「よく、ホテルなんかで挙式した新郎新婦には、そのホテルのスイートルームに式の当日、無料で宿泊できる権利なんかがもらえるでしょ?ここもそうなのかな」
「温泉旅館に宿泊?・・・まあ、それもあり得るか」
ちなみにたっぴぃさんは、おやびんとの新婚旅行は二回に分けて行き、その一回目が「四国八十八カ所お遍路巡り」だったという。その際参考にしたのが、「水曜どうでしょう」のビデオと、アワレみ隊OnTheWebの記事だったという。
光栄なことだ。
押し入れを開けたら、ミニ冷蔵庫がすっぽりと隙間に収まっていた。オレンジ色の扉で、今時見かけないようなデザインだ。
もしこれが壊れたら、代わりのものがちゃんと収まるのだろうか?と心配になる。サイズが同じものでないと、壁をぶち抜いたり柱を外したりしないといけなくなりそうだ。
館内図を見ると、二階に宿泊部屋が9部屋あることがわかった。全部和風らしい。
結婚式というのはどうしても週末に集中しがちなので、宿を運営することで少しでも来客を分散できれば、それに越したことはない。もっとも、宿泊業も週末に客が集中する業態なのだけど。
18:04
館内図では「ラウンジ」とされる場所に、夕食を食べに行く。ほかの宿泊客はおらず、我々だけでこの広いラウンジを独占することになる。がらんとした雰囲気だ。
温泉宿に泊まって、こういう椅子に座って、床が白いというのはちょっと初めての体験だ。外がまだ寒い時期なので、白い床や椅子は若干寒々しさを感じる。式場だからこの色、ということなのだろう。面白い。
「エクストラコールド!!」
おやびんがはしゃいでいる。ラウンジの片隅に、スーパードライのエクストラコールドサーバーが設置されていたからだ。ほー、ここはそんなものも出すのか。
でもさすがに、結婚式をやってるお昼じゃないのだし、稼働していないだろう・・・と思ったら、え?やってるの?
「じゃあ、もちろんエクストラコールドで!」
おやびんが早速、ウッキウキで注文していた。
「ついでに、この台をこっちのテーブルの近くに寄せておいてください。あとはもう手酌でやりますから」
とも言ってる。
おそらく、結婚式があるときはここにドリンク担当の従業員さんが控え、来客のオーダーに答えて飲み物を作るのだろう。
今日はさすがに常駐していない。
飲み物の追加オーダーをするときは、いったんラウンジの外に出て、フロントにいる従業員さんを呼び止める必要がある。
宿の夕食。
最初、宿泊料金が安い「ビジネスプラン」で予約をしていたたっぴぃさんだったが、夕食が「お弁当膳」というシンプルなものになるということを知り、エーイと1ランク宿泊プランを上に上げたのがこれ。
料理が異なるプランを頼んでいたので、人によって料理が違う。
こちらは「もち豚しゃぶしゃぶプラン」の人むけ、もち豚。ピンク色のいい色艶だ。
繰り返すが、ここは結婚式場のラウンジだ。相変わらずすごいギャップだ。
なにせ広いし、床が人工大理石だし、天井も高い。お互いが喋っても、声が拡散して消えていく印象を受ける。
ドリンクが豊富にある。さすが式場。
単なる「温泉旅館」なら、ここまでカクテルなどの品揃えは豊富じゃない。
「じゃあ、ハワイ行きが決まる前夜祭、ということで乾杯!」
見よ、この高らかにグラスを掲げるオトコ達の勇ましさよ。今日何杯目になるかわからないくらいのお酒なのに、こうも気合いを入れて乾杯ができるのは、それだけ明日に向けて自信たっぷりだという証拠だ。
松代城、待ってろ。そしてその先にあるハワイ、アロハーーーーー!
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