19:25
夕食を終えて部屋に戻ってみると、布団がすでに敷いてあった。
温泉旅館では当たり前のサービスではあるけれど、これを見て思わず「ふふっ」と笑ってしまった。何しろ、ついさっきまで、夕食は洋風のラウンジで食べていたのだから。和食だけど。
和と洋ごちゃ混ぜの中、あらためてこうやって和のサービスを目の当たりにすると、「おっと今度は和か!」と思う。
部屋飲み宴会はお風呂に入った後に行うことにする。
お風呂に向かう。
昔は部屋に飲食物を持ち込むのを禁止している宿が多かった。しかし今は持ち込み自由、というところが多い。当たり前のことだと思うけど、ありがたいご時世になったものだ。
「お六の湯」という名前がついている男性用のお風呂。
。。。えーと。
「おろく」というのは、山登りをする人たちの間では「死体」を意味する言葉なんだけどな。多分この名前をつけた人は、それを知らないでつけたんだろうな。
なんで「おろく=死体」なのかというと、「南無阿弥陀仏」が六文字だから「おろく」、だという話を聞いたことがある。
お風呂に入って、自分自身が「おろく」にならないように気をつけないと。
脱衣場。
泉質は「ナトリウム-塩化物温泉」。要するに塩水だ。しかし、共同源泉のお湯を引き湯しているとはいえ、その共同源泉の湧出量が1,450L/分、というのは結構な量だ。
温泉ソムリエ認定証が飾ってあった。女性の名前が記されている。ここの従業員さんだろうか?
従業員さんがソムリエの認定証を持っている、ということが客にとってどういうメリットがあるのか、ちょっとわかりかねる。「うーん」としばらくこの認定証を前に、考えてしまった。
「湯守」のように、一時間おきに風呂場にやってきて、お湯をかき混ぜたり、源泉の流量をコントロールしたりしているわけではないだろう。
風呂場。写真を撮ったのは翌朝なので、明るい。
奥行きのある、細長い風呂場だ。その途中にガラス戸で仕切られていて、奥が半露天風呂になっている。
内湯。
カラン。
・・・ところで、なんでこんな写真を撮ってるんだ?
「あっ、誰もいない!じゃあ撮影しよう!」
って勢いこんでしまったけれど、カランの写真を撮ってどうするんだ。スパイじゃあるまいし。
こっちが半露天になっているエリア。
完全な露天風呂にしてしまうと、冬は寒すぎる。なので、少しだけ外の空気を感じることができるようになっているけど、まるっと解放感ある野ざらしにはなっていない。
夜中、この半露天の床は凍ると思う。多分、朝イチで従業員さんは、お客さんに解放する前に、床にお湯を注いで解凍しているはずだ。こんなところで転ばれて怪我をされたら、宿もお客さんもたまったもんじゃない。
20:45
男部屋に全員集合して、あらためて飲み直し。
たっぴぃさんは「魚沼の里」で「八海山スパークリング」を買っていた。お酒が飲めるひとたちは、これを開封して飲み始めた。めでたい酒だ、ハワイ前祝いにふさわしい。
相変わらず、「俺たち明日はハワイ決定だよな。そろそろ当たらない訳がないよな」という話ばっかりをしている。全く根拠のない自信なのだけど、さすがに何かが当たってもバチは当たるまい。
「ハワイは無理だとしても、せいぜいへぎそばとか、小物は当たると思うんだ」
もう、ここまで来て何も当たらないという選択肢は、僕らの中には皆無だった。
僕が持ち込んだ高級フルーツ「ぽめろまん」を食べる。もらい物だけど、一人暮らしではなかなか食べきれないので、わざわざ新潟に持ち込んだ。
熊本の果物だったと思うが、生産農家は日本で一軒だけ。取り扱いは京橋千疋屋だけ。はっさくのようなフルーツ。正直、酒の肴には向かないけれど、高級品ということでご容赦を。
デデン、とテーブルの上に置いてあるのは、ビールの2リットル缶。取っ手がついた、とても大きいやつだ。
今時、このサイズの缶は見かけなくなった。昔はよく見かけたのだけど。
少なくとも、都心ではまず見ない。何しろ核家族化が進んでいて、2リットルなんてビールを大量消費するシチュエーションが少なくなったからだ。しかしここは越後新潟、まだ大家族だったり親族友人が集まって宴会を開く機会が多いのか、このサイズがスーパーで当たり前のように売られていた。懐かしい!!
はっきりいって、このサイズはコストパフォーマンスが悪い。これだけの大きな缶を作るのにコストがかかるため、「缶の代金」が割高になるからだ。店頭で電卓を叩き、1mlあたりの単価を計算してみたが、やっぱり効率が悪かった。ちなみに一番コストパフォーマンスが良いのは、500ml缶だ。
僕はお酒を飲まない立場だけど、この懐かしい巨大缶との再会にとても感動した。なので、飲む人たちに「ねえ、これ買いましょうよ、滅多にみたいですから」とお願いして、買ってもらった。
本当は、少量ずついろいろなお酒を買ったほうが楽しかっただろうけど。わがまま言ってすまん。
しかし驚くべきは、この2リットルビールに飽き足らずさらに追加でビールを買っているということだ。お酒を飲むのは4名なので、これだけでも一人500mlある。なのに、ほかにもあれこれ買ってあるのだから、すごい。いや、あんたらさっき一階でエクストラコールドを飲んでたでしょうに。その前に八海山を試飲してたでしょうに。
あ、お風呂に入ったらリセットされた?そりゃそうか。
酒の肴に、道の駅で買った米菓が振る舞われた。
おやびんとたっぴぃさんは、スーパードライに黒ビールを注ぎ、ハーフ&ハーフにして飲んでいる。
ほかにも、新潟限定ビールの「気分爽快ニシテ」やサワー類がごてごてと並んでいる。やるなあ。
0:38
その結果、宴が終わってみるとセイウチが二匹、陸に打ち上げられている状態に。
「明日レースがあるのに、体重を増やしてどうする!?」
でもこれが我々の「のっとれ!」スタイル。
さあ明日はいよいよレース本番。そう、忘れちゃいけない、ハワイを勝ち取るためには、まずはきっちりと山頂の松代城に到着しなくちゃいけないのだから。明日もハードだ、ひとまずおやすみなさい。
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