近場の無縁だからこそ【甲府滞在記】

13:05
また甲府市街を散歩する。

甲府の方には失礼な要素を含む言い方になってしまうが、商店街エリアの探検は楽しい。賑わいと、寂れとが入り混じっているからだ。そしてそれは、「昔はここに何があったのだろう?」「どうしてここはこうなったのだろう?」とよそ者である僕が考える余地がある。

これが賑わいのある商店街だったら、当たり前のようにドラッグストアがあり、携帯ショップがあり、チェーン系の飲食店が並ぶことになる。観光客としては、面白くない。そして、情報がガチャガチャと密集していて、見ていて疲れる。

一方でこの甲府は、適度な余白がある空間で、落ち着いて街歩きができる。そしてこれは大事なことだけど、退屈にならない。衰退した街で、見るべきものがない・・・という状況にはなっていないのがいい。

歩いていると、写真のような建物を見つけた。

シャッターが完全に閉まっていて、何のお店なのか、事務所なのか、わからない。

看板には「まるみ」と書かれている。しかし、その言葉の隣に3文字程度の余白がある。昔は一体何だったんだろう?「精肉店」「生花店」・・・。いろいろ考えてしまう。

こういうのが、いい。

13:07
今日はもう、やることといったらカフェ巡りくらいしかない。「もうカフェ巡りはいいや」と思った時点が帰京タイミングになる。折角だから、もう少し粘りたい。

「コーヒー専門店ダン」は本日定休日だった。

13:10
談露館、というちょっと変わった名前のホテル。玄関部分には、入母屋造を思わせるような三角屋根がある。

はるか昔、僕はここに泊まったことがある。当時新聞記事の連載を持っていたのだけど、執筆がはかどらなかったのでここにカンヅメになって執筆にあけくれたのだった。建物を見て、その時のことを思い出した。

新聞社の方にその話をしたら、「原稿料、宿代にもならないかもしれませんよ?」と冗談を言われた。実際は原稿料の方が高くてありがたかったけど。

その時の新聞記事の一部が、↑のページでちらっと読むことができる。

カンヅメするだなんて、まるで昔の文豪みたいだ・・・と思ったけど、とにかく当時は集中して文章を書きたかった。このときは、街歩きなんてしないでひたすら風呂に入って、文章書いて、を続けていた。

そして、「源泉かけ流しの温泉が甲府の駅前にあるなんて!」と驚いたものだ。そのときの記憶で、今回「甲府には温泉があったっな・・・じゃあ、甲府に行こう」と思い立った。甲府はいいぞ、駅前歩いてすぐのビジホが温泉だぞ。

13:14
甲府市役所にやってきた。ここの一階がカフェだからだ。「オープンカフェまるごとやまなし館」という名前。「オープンカフェ」という名前のとおり、ガラス張りの開放的な空間にお店がある。そして、「まるごとやまなし館」という物産館に併設される形でカフェがある。

13:15
朝9時から夜9時まで。

サイフォンブレンドコーヒーといったカフェの装いを見せておきながら、フルーツ王国の代表ワイン、みたいなお酒メニューも充実。そんなわけで、クレジットカード決済もできる。ここのお店は客単価が高くなりそうだ。でも、昼間っから飲んでいる人はこの日いなかった。ちぇっ、残念。「おお、やってるな!」と微笑ましくなるような光景を見たかった。

夜は甲府市役所勤務の役人さんたちが宴会をしているのだろうか?とも考えたが、自分とこの庁舎の一階を「行きつけの飲み屋」にするか?と考えると、しないような気がする。ちょっと歩けばすぐに飲み屋がいっぱいあるし。

13:33
カフェエリア。広々とした空間で、パソコン作業をやっていても全然違和感がない。

メニューは、コーヒー、ソフトドリンク・・・と始まる。

でもその次のページが素晴らしい。2ページにわたって、アルコールメニューが紹介されている。ソフトドリンクの、倍。

ワインはグラスだけでなくフルボトルもある。ボトルの場合、3,000円~6,000円だった。

もちろんワインだけでなく、清酒や焼酎、ウイスキーやカクテルもある。そうだった、ウイスキーといえばサントリーが山梨県の白州に工場を持っているんだった。

なるほど!だからこのお店のビールはプレミアムモルツ、オールフリーとサントリー製品なんだな。

だったら、ソフトドリンクの欄に「南アルプスの天然水」があるかな・・・?と思って調べてみたけど、それはなかった。

今更になって、改めてザックの中身を整理する。

なにしろ、寝坊したために慌てて部屋の中のものをかき集めて詰め込んだから大変だ。

本当なら、「長風呂!汗だくだく!喉乾いたァァァ!」という夜中のために買っておいた紙パック緑茶。飲む前に寝てしまったため、手つかずで残っていた。こんなものがザックの中に入っているので、無駄に重たい。

さすがにここでもケーキを頼むと食べすぎなので、ここではコーヒーを飲むことにした。何を飲んだか、覚えていない。

甲州弁単語帳

卓上には、「甲州弁単語帳」という、英単語暗記帳みたいな紙束が置いてあった。

甲州弁がこれだけの束になっているから便利・・・か?女性のイラストが描かれているので、ぱらぱら見る分には楽しい。さすがにこれで甲州弁を暗記しようとは思わないけれど。

でも、この単語帳の表紙には「こびっとおべーろし!」と書いてある。なんのこっちゃわからないけれど、その下に「Don’t forget it!」と書いてあるので、忘れないでね、という意味らしい。

甲州弁の訳を英語で学ぶという不思議な構図。

(つづく)

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