地上の楽園を普段使い【小梨平ソロキャンプ2019】

21:48
夕食後、外に出て天体観測と星空の写真撮影をしばらくやっていた。

ヘッドライトの明かりを消して、身動きしないでじっと三脚とカメラを前に身構えている状態が続く。そのおかげで、トイレのために通りすがった人が「わっ!」と驚いていた。まさか人がいると思っていなかったからだろう。

こっちはこっちで、せっかくいい感じで撮影できていたのに、ヘッドライトの明かりが差し込んでしまったので写真が台無しだ。違った意味で「わっ!」と声を上げてしまう。

そんな結果、何枚も星空を撮影できたけれど、このサイトに掲載しても写真サイズの関係で「殆ど真っ暗」になってしまう。だから思いっきり省略。

撮影後、寝る体制に入る。レインウェアを上下とも着込み、毛布を体にぐるぐる巻きにし、そして寝袋に潜り込む。かなり面倒な段取りだ。横着して雑に寝袋に入ると、毛布がめくれ上がってしまう。防寒のためなら、一枚一枚皮をかぶせていかないと。

そして昨年はやっていなかった、「軍手装着」も今年のトレンドだ。ここまでやらないと寒い。

21:56
レインウェアのフードをすっぽりかぶり、紐できつくフードを縛り、さらに寝袋のフードもかぶる。口と鼻はマフラーで防御だ。

冗談みたいな格好だけど、防寒対策として大真面目だ。でも、これだけの重装備のため、満足に寝返りさえ打てなくて寝苦しい夜になるのは仕方がない。

そうだ、この写真を見て思い出した。よりによって今年は、シルバーマットを持参しそびれたんだった。昨年、テントの床に敷いて、さらには自分の体を包み込んだシルバーマット。結露が顔に落ちてきてびっくりして目が覚める、という欠点はあったが防寒性能は高かった。しかし今年はうっかり持ってくるのを忘れていた。

でも、なんとかなるものだ。シルバーマットがないから寒くて眠れない、ということにはならずに済んだ。

2019年05月05日(日) 4日目

05:38
上高地最終日の夜が明けた。

いつもは6時過ぎまで寝ていて、周囲のゴソゴソ音に耐えかねてテントから這い出しているが、今回は1時間早くなった。おしっこが我慢できなかったからだ。4時過ぎくらいだろうか、「ああ、トイレに行きたいな」と尿意を我慢していた。でも、重装備を解いてテントから抜け出して、トイレに行ってまた戻って重装備をやり直す、というのはイヤだった。なんとか朝まで我慢できないものか、と膀胱と相談しつつ我慢していたけれど、夜明けとともに「もうダメだ」となったのだった。

ということで、清々しくないけれどおはようございます。

05:48
夜明け直後の上高地はひときわ美しかっった。

ケショウヤナギの緑と赤のコントラストが目に鮮やかだけど優しい。

今日で見納めとなる岳沢。3,000メートルクラスの山に囲まれているので、沢の夜明けはまだ先だ。

05:55
太陽がまだ低い位置にあるので、自分の影を撮影するとものすごく背が高く見える。

そういえば、都会ぐらしをしていると自分の「影」って全然意識していなかった。久しぶりに自分の影に注意を向けたと思う。子供のころは全力疾走すれば、自分の影から開放されるんじゃないか・・・って影と追いかけっこをしていたものだけど。

05:59
さすがにこの時間はどこの食堂も売店も営業をやっていない。まずはゆっくりとコーヒーを飲もう。

ここでコーヒーを飲むことで、少し帰りの荷物を減らすことができるし。

岳沢とおかでん

岳沢と、コーヒーと、おかでん。うん、満足。

06:03
ケショウヤナギは本当に美しい。低いところに生えている、まだ若い木が赤い。

大きく成長すると30メートルくらいの高さにまで達するらしいけど、梓川の増水があるたびに根こそぎ流され、そのあとできた河原にまた新しく生えて、を繰り返しているのだろう。

ドバトがうろついていた。

都会ではなく、上高地という厳しい環境に住んでいるのだから立派なものだけど、「鳩かー」ということで全然わくわくしない。

でも、町中にいる鳩よりも、羽が立派だ。黄金色に輝いて見える。まるでヒョウ柄の服を着ているみたいだ。

(つづく)

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