地上の楽園を普段使い【小梨平ソロキャンプ2019】

16:58
テントには戻らず、先に小梨平食堂に立ち寄る。

先に今晩の買い物を済ませておきたかったからだ。

食堂は、17時前なのに結構な数のお客さんがご飯を食べていた。早い夕食だ。これから長い夜、どのように過ごすのだろう?お酒を飲みながら過ごす?それとも早く寝る?

僕は昔お酒を飲んでいた頃、ビールばっかり飲んでいたので「飲むなら空腹。食べたらビールはいらない」という考えだったっけ。だから、今この時間でご飯を食べて、あとで「さあ、飲むぞー」というのはできない。

で、長い夜に対する僕なりの答えがこれ。

ドライゼロ4本!それにじゃがりこ!

今晩はこいつら愉快な仲間とともに、できるだけ夕ごはんの時間を後ろに引っ張るだけ引っ張るぜ。

つまみとなるお菓子の量が僕にしては若干及び腰なのは、明日の朝上高地を退却するからだ。荷物を増やしたくない。というか、往路の段階で荷物がパンパンだったのに、復路で荷物を増やすわけにはいかんのですよ。お世話になっている人にお土産を買う余裕がほしいし。

まさか、「上高地土産です」と言ってじゃがりこを渡すわけにはいくまい?

あれっ、カウンター前に草もちが売られているぞ。200円。

思わず衝動買いしてしまう。

おかでん

17:46
今日の夕暮れ時も、梓川と岳沢を眺めながら読書とコーヒーを楽しむ。

どことなく、自信ありげな顔つきになった。カメラを自分に向けているから、作られた表情だ。でも、だとしてもいい顔をするようになったと思う。やっぱり上高地に滞在していると、心が落ち着いて表情もくつろぐのだろう。

これを「魂の浄化」とか言い出すと俄然胡散臭くなるので言わない。

いずれにせよ、この写真は自分でとても気に入ったのでSNSのアイコンなどで使っている。

本日のテント村。

昨日よりテントの数が減っている。今日は土曜日だし、月曜日までGWなのに、こういうこともあるんだな。僕のテント(写真左、白いテント)の前だけ避けられているかのようだ。見晴らしがよくなってありがたいんだけど、僕なんか変なことしましたっけ?

岳沢とおかでん。

1年前の上高地と違い、今年は折りたたみ椅子を新たに用意して持ち込んだが、これが正解だった。簡易なものなので座り心地が素晴らしいとは言わないが、地面にあぐらをかくよりはるかに快適。

地面に座り込んでしまうと、手に届く範囲のものしか触りたくなくなって、横着になるんだよな。腰を浮かせるのがおっくうで。その点、椅子ならばちょっと遠くのものに手をのばすのも楽ちんだ。

あと、このあたりの地面が一面茶色なのは、カラマツの枯れ葉だらけだからだ。この地面に座ってしまうと、細かい枯れ葉が「ひっつき虫」のように体中に付着してしまう。それは嫌だ。

今日のコーヒーは「ネスカフェゴールドブレンド レギュラーソリブルコーヒー」だって。

一年のうち、インスタントコーヒーを飲むのはこの上高地だけだ。たまに飲むインスタントコーヒーは、その便利さに改めて驚かされる。そしてガツンとくるカフェイン感が頭をシャキッとさせてくれる。仕事前に気合いを入れるためには、むしろインスタントコーヒーの方が向いているかもしれない。

17:55
日没とともに薄暗くなっていく明神岳。

ここから見る明神岳は、1峰から5峰まであるとは思えないシルエットだ。

まだ山座同定にこだわっていたけど、もう諦めた。ここからは特定できない。

読書をしつつ、たまに顔をあげて暮れゆく穂高連峰を眺め、BGMは梓川のサラサラと流れる水音という時間を過ごす。

そして、18時30分。おもむろに立ち上がり、風呂に向かう。「小梨の湯」は19時で終了だからだ。残り30分、ガチッと体を温めよう。

小梨の湯の入り口には、「カラマツやゴミが足裏についているから、よく落としてから中に入ってくれ」と書いてある。確かにそうだ。足裏に限った話じゃない、キャンプをやっている連中は、気がついたらあちこちにカラマツがついている。

深い湯船にドスンと浸かり、のぼせてきたらジャバーっと水をかぶり、また風呂に戻り、を繰り返し時間いっぱいまで風呂に滞在した。よし、整ったぞ。

18:53
梓川沿いのテントサイトは今日も相変わらずの人気。道沿いにずらりとテントが並んでいるのは中古車販売店で売られている車のようだ。

目の前に見える黄色いテント。おそらくこれも僕のと同じmont-bellのステラリッジテントで、サイズは4人用だと思う。これくらいの広さがあれば、さぞや快適に過ごせるのだろうけど・・・でも、一人で4人用のテントというのは、贅沢がすぎる。

18:56
一方こちらは僕が陣取っているテント村。

自分のテントの前で宴会をやっていたりくつろいでいる人はだれもいない。写真では誰も写っていない。この時間どこかお散歩しているわけはないので、おそらく皆さんテントの中にこもってしまったのだろう。

19時前に?もう?と思うが、辺りは急速に暗くなってきて、寒さが忍び寄ってきた。

僕は「せっかく上高地に来たのに、テントの中にこもるのはもったいない」とケチくさい発想を持っているので、寒い寒いとぼやきつつもできるだけ外にいようとするのだった。それは半分冗談としても、この刻一刻と変わっていく絶景を見ずにはおれない、と思っている。

(つづく)

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