地上の楽園を普段使い【小梨平ソロキャンプ2019】

14:26
このサイトの読者さんと偶然の出会いで、挨拶を交わしたのちに別れる。なんだかありがたい気持ちになる。サイト更新って、孤独な作業だから。どんな人が読んでいるのか、それとも全然読まれていないのか、さっぱりわからない。

その点、今回は「顔を見て『あっ、さてはおかでんだ!』」と気づけるくらいに熟読してくださっている方と知り合えて、良かった。

神妙な顔をしつつコーヒーソフトを平らげ、徳沢園の探検を続ける。まずは自販機。

ビールはアサヒスーパードライで、350ml缶が400円、500ml缶が550円。さすがに場所が場所だけに、値段が高くなってきた。徳沢は業務用車両に限り車の通行ができる。なので、人力でこれらの資材を運んでいるわけではないけれど、大変な手間がかかる。

「独占的に販売することによる、利益の多さ」の結果がこの値段ではなく、大半が手間賃だろう。

あと、これだけ立派なホテルだけれど、他の山小屋同様に冬は閉鎖だ。約半年で1年分を稼がないといけないのだから、どうやってそれを商品価格に転嫁するかは悩ましいところだ。「閉鎖期間中、スタッフは下界に戻って別の仕事をすればいいじゃん」と思うのは安直だ。閉鎖期間中も時間は流れる。建物が経年劣化していくための補修費用は、休業していようが営業していようが、かかってしまう。

で、500mlペットボトルのお茶は250円。

14:28
徳沢園の入り口と、みちくさ食堂の間に「みちくさショップ」という白い扉のこじんまりしたお店がある。

中に入ってみると、Tシャツやキーホルダー、熊よけの鈴などが売られていた。うん、僕にとってはいらないものばかりだ。

でも、スナック類も扱っているんだな。これはいい。

カラムーチョやさきいか、チーズ鱈などが売られている。あと、カップ酒やウイスキーも。

小梨平の売店と比べると当然品揃えは少ないけれど、必要最低限のものはある感じ。とはいっても、小梨平はキッチン付きのケビンがあることも踏まえて、「ガッチリ自炊できるように食材やレトルトを取り揃えてますよ」という状態。一方のこっちは、自炊はさほど想定にしていない。自炊したけりゃ自分で持参してね、ということだ。

そんなわけで、チョコレートとかポテトチップとかキャラメルといったスナック類やお菓子が中心。

おっ!ノンアルコールビールが売られているぞ。

オールフリー。小瓶で500円。

なんで重たい瓶にしたんだろう。缶のほうが運搬が楽だっただろうに・・・。

小梨平売店では、ノンアルコールビールがこの半額で買える。場所柄仕方がない。いずれにせよ、ノンアルコールビールが現地調達できる、というのは大変な朗報だ。

徳沢園の前から、明神岳を見上げる。とても雄大で素晴らしい景色だ。いいなぁ。

キャンプ場の脇には、除雪した雪が積み上がってまだ溶けないで残っていた。急ピッチでシーズンインに間に合わせたのだろう。ありがとう!

14:07
キャンプ場の脇にある公衆トイレ。現在清掃中。立派な作りだ。

ここでテントを張った場合は、このトイレを使うことになる。

徳沢園からキャンプ場を横切り、徳沢ロッヂにやってきた。

2階建て・・・なのかな?徳沢園とは趣きの違う、こちらも渋い建物だ。黒っぽい。

ガッチリと組まれた石垣と階段が勇壮だ。先程のトイレもそうだけど、建物の足元を石垣で固めていないと、雪に埋もれてしまって湿気で建物が劣化してしまうのだろう。

徳沢ロッヂにやってきたのは、小梨平キャンプ場で見かけた周辺案内図で、ここには喫茶スペースがあると記載があったからだ。もうこれ以上食べたい飲みたいとは思っていないのだけど、一生のうちに何度徳沢を訪れるかわからない。今回これを機会に、徳沢ロッヂの様子を見てみようと思う。

あと、ここは日帰り入浴もやっている。15:00~20:00で、利用料800円。キャンプの際にありがたい。

ただ、小さなお風呂らしく、フロント前では風呂の順番待ちとなっている男性グループが何名もいた。

徳沢ロッヂのフロント。ここも床板が丁寧にメンテナンスされ、つややかに照明を反射している。

フロントの方に、「喫茶を利用したいんですけど」と伝える。

あとで調べたら、この宿にも二段ベッドの相部屋があった。山岳リゾートホテルっぽいけれど、登山者をターゲットに受け入れをやっているのだな。ちなみに相部屋で11,000円。高いって?いや、二食付きでこの場所ならば、そんなに高くはないと思う。

靴を脱いで上がってください、と言われ、下駄箱に靴を置きに行く。

下駄箱のサイズは大きく、登山靴が入るように作られている。それにしても登山靴の利用者が多いんだな。そりゃそうか、まだ宿のチェックイン可能時間になっていないので、今ここにいるのは外来入浴目当ての人たちだ。

フロント脇のロビーが喫茶スペースになっていた。

円卓がいくつも並び、1つの円卓につき4脚の椅子がセッティングされている。

他に誰もお客さんがいないし、テーブル間隔に随分と余裕があるため、殺風景に見える。お客さんが多いタイミングだったらむしろ快適だと思うが、今この瞬間に関して言えば長居する気にあまりなれなかった。

徳沢園のメニュー。

コーヒー400円など。

メニューの裏面はお酒のコーナー。ここでは生ビールが楽しめて、750円。

日本酒や焼酎、ワインまで取り揃えている。喫茶スペースとは思えない。宿泊部門の食堂から持ってくればいいだけなのでメニューに載せるのは簡単だ。しかし、何をつまみに酒を飲めばよいのやら。シフォンケーキなどをぱくつきながら飲む?いやそれはちょと厳しい。

おそらく、この宿の売店で売られているスナックや甘いものを喫茶スペースに持ち込むのはセーフなんだろう。

ケーキセット700円。

気がついたら今日コーヒー4杯目だ。朝食後、かふぇ・ど・こいしょ、徳沢園(コーヒーソフト)、そしてここ。よく飲むなぁ。

ついでに言うなら、ケーキも本日二度目。下界にいるときよりも甘いものを食べているってどういうことだ。

写真のケーキは「奈川産お蕎麦のくるみパウンドケーキ」だったと思う。

宿の掲示板に、「上高地へ自力下山できない方へ」と書かれた張り紙が張ってあった。

「横尾から上高地の間で自力登山できない方が増えています」というサブタイトルが付けられている。ええ、マジすか。殆どアップダウンがない上に丁寧に整地された道なのに。上高地目前にして力尽きたか。

救急車による搬送は、医療機関への搬送となります。宿泊施設までの移動手段ではありません。
民間救助隊員が出動する際には、救助費用、保険料、車両搬送費、事務手数料などの費用負担が発生します。

と書いてある。

まあ要するに、「疲れた。上高地まで歩く気力がわかない。救助要請しちゃおう」と、動けなくなるほどの怪我でもないくせにタクシー代わりに救助を求める人が過去に何人もいた、ってことだ。しかも山奥深くではなく、山を下りた後になって。

確かに横尾から上高地までの3時間の道のりはたるい。ショートカットしたい気持ちはわかるんだが、タクシー代わりに使うのは駄目だろ。

この「救助要請タクシー代わり問題」は随分前から問題になっている。何も登山に限った話ではなく、町中の救急車でもタクシー代わりの利用が問題にはなっているが、登山の場合は救急車以上に大掛かりな救助体制になるため、やっかいだ。

以下の記事は2010年に公開されたものだけど、タクシー利用問題が語られている。

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/994?layout=b

いくら消防・警察による救助であっても、娯楽の登山の場合は費用を実費請求しますよ!・・・というのは簡単だ。で、「そのためにも保険加入は義務化です」とも言える。でもその後に必ず待っているのが、「保険に入っているんだし、救助ヘリを呼んで何が悪い」と開き直って救助要請を躊躇しない甘ったれが多数出現することだ。

救助要請をした人は今後1年間登山禁止!といったペナルティを与えることができればよいのだけれど、まあ無理だな、その人の首に取り外し不可なDSSチョーカーでも装着して、山に近づいたら爆発して死ぬ、みたいにしないと。

15:51
一時間ほど徳沢ロッヂで読書と喫食を楽しみ、退却する。

さて、これから上高地小梨平まで2時間弱だ。18時帰着見込みだけど、実際はもうちょっと早く着けるだろう。到着したら、早速夕食の買い出しとお風呂、そして寝る準備を始めなくちゃ。早くしないと日が暮れる。

(つづく)

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