上高地、COVID-19の間隙を突いて【徳沢キャンプ2020】

14:35
明神から徳沢を目指す。

道中、カラーコーンが老いてあり、「注意!」という警告表示が出ていた。

「この先通行注意」と書いてある。なんだか物騒な予感。

14:44
徳本峠との分岐にやってきた。ここで、道は徳沢を目指すルートと、徳本峠を目指すルートに分岐する。

ここから徳本峠を超え、島々に向けて歩く人は結構なマニアだ。「クラシックルート」と呼ばれており、釜トンネルが開通する前はこの徳本峠越えルートが上高地に入るメインの道だった。

そんな過去を体感するために、道中一泊を要する長丁場のクラシックルートを歩く人がいる。でもそれは少数であり、ほとんどの人は釜トンネルをバスで通過して上高地に入る。

僕もいつかはこのクラシックルートを歩いてみたいとは思っているが、それが一体いつになるのか、自分でもわからない。

と思ったら、ありゃー、なんだこれは!

「登山道(明神~徳本峠)は崩落等により通行に注意が必要です」
「登山道(徳本峠~二俣・島々方面)は崩落等により通行できません」

と書いてある。しかもご丁寧に写真つきで。

見ると、登山道が川の流れによって完全にえぐれて消失してしまっている写真だった。「危険箇所を注意して通過すればなんとかなるだろう」という甘い見通しの人を断念させるのに十分な、迫力ある写真だ。

この道、一体いつ復旧するのだろうか?

最近、がけ崩れなどによって通行できなくなった登山道がそのまま廃道になるケースが相次いでいる。登山道の維持管理のために人もお金もかけられない、という日本の厳しい状況があるからだ。

マイナールートほど、たった1回の自然災害で廃道になってしまう可能性が高い。

「山は逃げない」という言葉が、登山を嗜む人の間ではよく使われる。天気が悪かったり、自分の体調が悪いときは素直に登山を諦めて、別の機会に再挑戦すればいい、という格言だ。これはその通りなのだが、肝心の山に向かうための登山道はすぐに壊れる。通れなくなる。無理をして山に登るのは愚かだけど、山は逃げる、というのが現代日本の実情だ。

14:45
徳沢に向けて歩く。

上高地から明神に向かう道でも、すれ違う人は少なかった。

明神から徳沢に向かう道は、それよりももっと人が少ない。快適な山歩きだ。

歩くおかでん。

徳沢に向かう道中の光景。

車のわだちがあって、「おっ!?」と驚く。

徳沢に資材を運ぶ車は、この道を使っているんだな。

梓川が見えてきたので、ちょっと景色を楽しむ。

上高地~明神~徳沢の道は、標高差が少ないうえに道がとても良く整備されている。このため、気がついたら無心になって黙々と歩いてしまう。

時々立ち止まって周囲の景色を見る。そんな余裕があってもいい。

いつもなら、この道は行き交う登山者、観光客が大勢いる。その人たちの邪魔にならないように、あまり立ち止まることをしない。でも今回は立ち止まり放題だ。

梓川の河川敷がとても広い。そろそろ徳沢だ。

(つづく)

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