上高地、COVID-19の間隙を突いて【徳沢キャンプ2020】

19:12
夕ご飯はカレーとおでんなので、食べ終わるまで大して時間はかからない。あっという間に食べてしまった。

そもそも、COVID-19に対して最大限の警戒と注意が払われていた2020年において、「食堂でくつろいで談話」なんてありえない状況だった。黙って食べるのは必須だし、食べ終わったらすぐにテントに戻れ、というのがお約束だった。

本来の徳沢キャンプ場なら、19時すぎのこの時間ならテントを中から照らす色とりどりの灯りが星空のように視界を埋め尽くすものだ。しかし今年は不要不急の旅行をする人はまだ少なく、しっとりとした静かな時間になっている。

僕らはこうして上高地を訪れているが、このことを東京に戻ってから周囲の人に言うことはできない雰囲気だ。「えっ、こんな時期に何やってるの?」と眉をひそめる人がいる可能性があるからだ。COVID-19流行以降、「とにかく外出しないほうがいい」という慎重派と、「節度を持っているなら外出してもいい」という寛容派との間で分断が生まれている。人間関係がギクシャクしないように、ヘタに自分の外遊報告を周りの人にしないほうがいい。

また、その逆もしかりで、上高地界隈の人に「僕ら東京からやってきました」ということを言わないほうがいい。東京以外の地域に住む人にとって、東京というのは感染者数がとても多い地獄という認識だ。冗談ではなく、本当にそう思っている人が多いので、「東京から来た」ということはひた隠しにしなければならない。

20:46
テントの中で、二人であれこれ話をしたのち、21時前に就寝。

いしは家から持参した寝袋に入って就寝、僕は徳沢園でレンタルした毛布を体に巻きつけて就寝だ。毛布にはシーツが付属していたので、シーツを体に巻きつけて、その上に毛布を被り、さらに持参したシュラフカバーを被って寝た。

夜中、寒くて目が覚めるというのは大変残念な気分になる。そうならないように、寒さ対策は慎重だ。

2020年09月17日(木) 2日目

07:00
2日目の朝。やや霧がかかった徳沢。

谷間だし、すぐ近くを川が流れているのでこの界隈は霧がかかりやすい。日が昇ってくると霧は晴れる。

テントは結露でびっしょりだ。

結露するのは、テントだけではない。カメラもレンズの内部が結露し、何を撮ってもボンヤリした絵になってしまう。

今回はレンズヒーターを持参し、モバイルバッテリーでレンズを温めることで結露対策をとっている。効果はてきめんで、今回は曇ったレンズをスピーディーにクリアにしてくれた。

しかし、このレンズヒーターはこれだけしか役割がない、極めて単機能な製品だ。そんなに高額なものではないとはいえ、なんだかもったいない。そこで、このあと数ヶ月後に発症した五十肩のケア用として転用された。

あわせて読みたい
五十肩対策としてのグッズ遍歴2021 左肩に五十肩を発症してしまい、半年以上ヒイヒイいっている有様。その苦悩と試行錯誤の様子を、オンラインショッピング形式で紹介していく。 2020年初秋頃。左肩に違和...

しかし、レンズヒーターで温めた肩が低温火傷を負ってしまい、2週間くらい痛い思いをする羽目になった。

07:45
みちくさ食堂に朝ごはんを食べに行く。

自動券売機の多くのボタンは「売り切れ」のランプが点灯しているが、一部のメニューは朝ごはん用にこの時間からでも注文することができる。

注文したのは、窯焼きピザ1,300円、朝定食1,300円。

朝ごはんにしては値段がかなり高いが、場所柄仕方がない。お金を節約するなら、小梨平の売店で食材を買っておいて、テントで調理をして食べるのが楽ちんだし安い。

窯焼きピザと、朝定食。

値段が高いなりに、満足度も高い立派な料理が出てきた。

窯焼きピザ。こんな時間にもかかわらず、既にピザ窯が温まっているというのに驚かされる。窯焼きピザならではの、生地の焦げが食欲をそそる。

具があれこれ入っているのが嬉しい。

朝定食は、炭水化物、脂肪、蛋白質、野菜とバランスが良い和食だった。湯呑みにお茶が注がれているのが嬉しい。

山奥だから、と雑に料理を出しているのではなく、しっかりとおいしい料理だった。

ふたりともウキウキしながらご飯を食べ、大満足のひとときとなった。

(つづく)

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください