上高地、COVID-19の間隙を突いて【徳沢キャンプ2020】

デジタルカメラのバッテリーを交換しようとしたら、バッテリーが取り外せなくなっていた。

バッテリーが老朽化し、膨張してしまったからだ。カメラをトントンと叩いても、膨らんだバッテリーの摩擦のせいでスロットから出てこない。

何とかしてバッテリーを抜き取って新しいのに交換しないと、このカメラは単なるお荷物になってしまう。

手元にあったばんそうこうをバッテリーに貼り付け、「せーの!」と叫んでから思いっきり引っ張ってみた。でも、ばんそうこうの粘着力程度ではバッテリーは抜けず、あっけなくばんそうこうが外れた。うーん。もっと粘着力が強いテープが必要だ。

どのメーカーのデジカメもそうだが、純正バッテリーというのはとても高い。なので、予備のバッテリーはサードパーティー製のものを使うことが多い。純正バッテリー1個の値段があれば、聞いたこともない中華メーカー製のバッテリーが数個も買えてしまうからだ。

激安バッテリーだと、それなりの不具合が起きる可能性があることを覚悟しなければならない。たとえば、電圧が安定しないのでカメラの挙動がおかしくなることもある。そして、一番多い不具合が、見ての通りのバッテリーの膨張だ。まいったなぁ。

カフェ・ド・コイショで購入したお菓子。いしが食べるのを心待ちにしすぎてソワソワしているので、夕食を待たずに食べることにした。

「だって、鮮度が良いほうがいいじゃないですか」

などと意味不明の供述を彼女はする。

でも大丈夫だ、鮮度ならまだ十分余裕がある。

ちなみに先程の写真左側がフロランタン、写真右側が「ママちゃんのお気に入り」。

ママちゃんのお気に入りは、僕たちもすごくお気に入りだ。なんでこんなに美味しいのだろう、と成分表を見ると、くるみ、バター、はちみつなどと美味しくなる要素でしかない食材がグイグイと入っていた。こりゃあうまいわけだ。

17:07
チェックイン後、荷ほどきして我々がまず何をやったのかというと、お湯を沸かしてコーヒーを作り、そしてお菓子を食べることだった。

今回、カフェ・ド・コイショからコーヒーのドリップバッグをお試しで貰ったので、ドコイショオリジナルコーヒーを頂きつつママちゃんのお気に入りを食べる。うん、うまい。

本来なら、荷ほどきができ次第、「とっととお風呂に入ろう」「ご飯の準備をして、あとはゆっくりすごそう」となる。

でも今回は、しばらく部屋で待機だ。なぜなら、お風呂の時間までまだちょっと余裕があるからだ。

30分刻みで完全予約制になっている2020年の小梨の湯。僕らは17:30でお風呂の予約をしていた。予約時に、ナンバリングされた入浴券が渡されていて、これと引き換えにお風呂に入ることになる。

17:39
時間になったので、お風呂にやってきた。

風呂と受付の間にあった張り紙には、「チェックイン等の手続は代表者お一人でいらしてください」と書いてあった。「密を避けよう」という言葉が叫ばれていたご時世だったため、チェックインカウンター前に人がどやどやと集まるのは避けたかったのだろう。

あと、人里離れた上高地で働いているスタッフからすると、感染症というのは100%下界から持ち込まれるものであり、迷惑きわまりない話だ。僕ら下界からやってきた人がバイキンのように見えても仕方がない。

小梨の湯に向かう。

誰もいない。

いつもなら、人でごった返す脱衣所に誰もいない。

風呂場も、僕が独占。キャンプ場だけでなく、ケビンも人がいない状態だ。

キャンプ場はクマの被害があったし、今年の小梨平は経営が大変だ。

ケビンに泊まっている僕も、夜にトイレに行く際などはクマが怖くて怯えたくらいだ。だから、無防備にテントで泊まっている人たちというのはかなり度胸がある人たちだと思う。だからテントの数が少ないわけだし、テントが少ないとますますクマの標的になりやすくなる。怖い。

昨日はお風呂に入れなかったので、今日はお風呂を満喫。ほぼ平坦とはいえ、所要時間4時間のルートを歩いてきたので風呂の気持ちよさが身に染みる。

ここ、小梨の湯は深い湯船でたっぷりのお湯が特徴的だ。僕でさえ「若干深いぞ?」と感じるくらいなので、多くの人にとっては深すぎる湯船だと思う。でもそんな大量のお湯の水圧が身体をもみほぐし、とても気持ちが良い。

嬉しくなって、おもわずガッツポーズ。一人っきりの風呂場で、天高く拳を突き上げる。

(つづく)

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