上高地、COVID-19の間隙を突いて【徳沢キャンプ2020】

11:08
上高地帝国ホテルのカフェ、「グリンデルワルト」にてくつろぐ。

外が雨だっただけに、レインウェアを脱いでソファに身を沈めると、ほっと心が落ち着く。そしてそんな二人に差し出されるのが、コーヒーとハーブティー。

今回、憧れのアフタヌーンティーをここ、グリンデルワルトで頼んでみることにした。もちろん帝国ホテルなので安くはないのだが、大抵の物価が高い上高地において、このお店でちょっと贅沢しても他と比べると「散財しすぎている感」はない。

それよりも、時間とお金をグイグイとつぎ込んでようやくたどり着いた上高地だ。ここでやり残したこと、思い残すことがあったら本当に損だ。貧乏人根性があるからこそ、僕らは今ここで贅沢をする。エイヤッ、と。

特に、僕ら夫婦には来年ベイビーがやってくるという未来が待っている。その子どもが大きくなるまで、上高地を再訪する機会はないかもしれない。いや、全くないのかもしれない。「何が何でも上高地に戻ってくるぞ!」という固い決意をするほどまでは上高地に思い入れはないし・・・。そうなると、今年こそが贅沢しおさめ、という気がしている。

ということでアフタヌーンティー、きたー。

他人が食べている様子を見ると、「ケッ、ヌン活かよ」と思うが、いざ自分のところにこの独特な盛り付けのお皿が届くと喜びが溢れ出るなぁ。やっぱり人間、垂直に積み上がった食べ物を見ると気分がいい。パフェもしかり。

お値段は4,000円/人。

僕がケチくさい性格なので、アフタヌーンティーセットは1つ、それにドリンクを1つ追加する形にしている。人数分、アフタヌーンティーセットを頼むことはしていない。

グリンデルワルトの2020年時点の値段設定では、コーヒーを頼むと1,000円。つまり、このお皿に盛られたサンドイッチやケーキは3,000円ということになる。そう思えば、実はそこまで高くはない(金銭感覚が麻痺しているかもしれないが)。

ここのコーヒーや紅茶は、おかわりが可能だ。コーヒーカップを空にしてぼんやりしていたら、ボウイさんがやってきて、「おかわりをお注ぎいたしましょうか?」と聞いてくれる。なので、ついつい長居してしまうのだが、長居のお供としてせめてケーキは欲しい。コーヒーだけで粘る、というのはちょっとどうかと思う。

で、ケーキセットは1,750円だ。

つまり、ケーキセットに2,250円を足せば、アフタヌーンティーセットになる。そう思えば、信じがたい高値とは言えない気になってくる。(改めて言うが、金銭感覚が麻痺している)

アフタヌーンティー三重塔の最上段に並ぶケーキ。これだけでも嬉しい。

二段目はスコーン。

三段目はサンドイッチ。

気泡の入り方が独特の、面白いパンだった。

時間としては昼時に近く、実施的にこれが僕らのお昼ごはんになった。二人で1つをシェアしたことになるが、それでも結構満足だった。ひもじい思いは一切しなかったし、「あのアフタヌーンティーの塔を自分たちのテーブルにおっ立てた」ということで深く満足した。

結局、上高地帝国ホテルには1時間半も滞在した。あれもこれも予定を詰め込む僕の性格にしては、珍しくゆったりした時間となった。それだけ居心地が良かったのと、外は雨なので再スタートするのがちょっとおっくうだったからだ。

16時のバス出発まであとまだ数時間ある。上高地を退却するバス便を遅く設定すると、なんと優雅に過ごせるのか。最終日が有意義に過ごせすぎる。これが昼頃のバスだったら、東京帰着は19時20時頃で快適だけど、肝心の上高地最終日が慌ただしい。ずっとバス便のことを気にしながら過ごさないといけない。

一方の僕らはというと、たっぷりと帝国ホテルで過ごしたあと、なんとまた明神の「カフェ・ド・コイショ」を目指した。往復2時間の道のり、しかも雨だ。そこまでしてでも行く価値があるお店だし、それくらいしか今の僕らにはやることがない。

上高地の良いところは、暇つぶしのためにはひたすら歩かなくちゃいけない、ということだ。歩くことでメンタルが随分と落ち着いてくる。標高差が殆どない、梓川沿いの道は良いリラクゼーションルートだ。

明神への道中に見えた、梓川の様子。大雨による増水で川の流れがかわり、川岸を思いっきりえぐっていた。お陰で木は押し倒されている有様。

そんな雨の中、カフェ・ド・コイショに到着。

雨だったせいでひたすら早足で黙々と歩いたので、河童橋からここまで40分で着いた。

おっ!

昨日は無かった「メロンのショートケーキ」があるぞ。初めて見るメニューだ。楽しみ。

雨が降るのは野外で活動する上で嫌なものだけど、こうやって気持ちの良いカフェの空間から、雨降る外を眺めるというのは気持ちが和らぐひとときだ。晴れているよりも、しとしとと雨が降っている方が落ち着きを与えてくれる。

そんな空気をサポートしてくれるのが、ランプの明かり。

昼間だと、点いていることすら忘れるくらいの明るさだけど。

キャラメルチーズケーキ。いしも僕もこのお店のケーキの中ではこれが一番好き。

いしは「このキャラメルの苦味が素晴らしい」と力説し、ケーキを作っている宿の娘さんを激賞していた。

なるほど!メロンのショートケーキだ!

いちごのかわりにメロンが入っている!スポンジ生地の間にも!これは嬉しい、楽しい。

ガトーショコラはコーヒーとよくあう。

あれっ?3品紹介しているということは・・・

3つ、頼んでしまった。2名で訪れているのに。

「お腹の中にいる赤ちゃんの分だね」

といって笑って誤魔化す。

ちなみに、子どもが生まれるということに実家の母親はバンザイ三唱をしたくらい大喜びだったわけだが、母親はお腹の子どものことを「大ちゃん」と勝手に呼び始めた。「なんかそういう感じだから」だそうだ。

胎児の段階からケーキを食べていたら、体型が「大ちゃん」になってしまいそうだ。

(つづく)

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