疲れ果てて雪国【那須湯本】

餃子パンフレットを貰う

11:57
本来的には、宇都宮で東北本線に乗り換えてそのまま那須塩原もしくは黒磯を目指すべきだ。今回は「何もしないで、ただひたすらゆっくり」というコンセプトなのだから、なおさらそうだ。しかし、どうしても煩悩が捨てきれなかった。宇都宮で途中下車して、餃子を食べずにはおれん。

餃子をスルーしてそのまま那須湯本の温泉に向かえるんなら、それは既にメンタルコントロールがうまくいっている証拠だ。療養の必要なんてないから、今すぐ東京の家に戻れ。でも餃子の誘惑に勝てないからこそ、僕は今こうして療養の旅路に就いているんだよなあ・・・と意味不明なロジックに納得する。

ただ、そうはいっても「あれこれ選択肢がある状態」というのは僕の不安をかきたてる。今の僕にとって、「選択肢が多く自由であること」というのはむしろ苦痛であり、「決められたことしかやっちゃいけない不自由さ」のほうが快適だ。あれこれ考えなくて済むからだ。「選択肢がある」ということは、すなわち「そのどれを採用するべきか」という取捨選択があるわけで、ベストな選択をしなくちゃいけないと思うあまりに結論を出すのに時間がかかるし、不安になる。それが「今日着ていく服はどれにしよう?」といった些細なことでさえも、心が揺らぐのだから、やっぱりそれなりに精神が不調なのだろう。

宇都宮といえばいわずと知れた餃子の街。餃子専門店がいたるところにある。本来僕の性分だったら、「スタンプラリーのように全店舗制覇」という発想になるし、それは我慢したとしても「今日一日で5軒はハシゴしよう」という考えになる。で、各店舗ごとの営業時間や定休日を調べて、できるだけ効率よく一筆書きでお店めぐりができるようにルート設定をして・・・

ああ、やめろやめろ、そんなことやるから疲れ果てるんだ。少なくとも今日は絶対にそれは許さん。

それくらいの自制心は働くだけの余裕はある。なので今回は、宇都宮のいろいろな餃子店の味を一度に楽しめる、「来らっせ」というお店に行くことにした。ここは「宇都宮餃子会」という団体が運営しており、会に加入しているお店の餃子がずらっとメニューにラインナップされているという特徴がある。だから、来らっせに行けば、一店舗で数店舗ハシゴしたと同じだけ、いろいろな餃子が食べられる。

バス路線図

12:00
来らっせはJR宇都宮駅からちょっと離れた、東武宇都宮駅の近くにある。そこまで徒歩でも良いのだけど、あんまりチンタラしていたら那須塩原に向かう電車に乗り遅れてしまう。ひとまずバスで移動してみることにした。

ただ、慣れない土地で慣れないバスに乗る、というのはかなり大変だ。これは日本全国どこでもそうなのだが、とにかくバス路線というのは複雑怪奇。何で目的地に一直線に向かわないのか?と不思議なウネウネがあちこちにあるものだ。バスは地元住民の皆様の利便性を重視するものであり、最短最速で目的地に到着することが主旨ではないから当然だ。加えて、バス乗り場の場所がわかりにくい。一体どこに行けば目指すバスに乗れるのか、探さなくてはいけない。

えーと、来らっせに行くにはどうすればいいのかな。

大きな路線図を前に、しばらく地蔵になる。

行き先がたくさんありすぎる

えーと?

こういう電光掲示板も、親切に作られているとは思うのだが、見慣れないものなのでどう見ればいいのかしばらく戸惑う。

バスに乗る

12:01
バス。

バスを降りる

12:06
バスに乗ったらあっという間だ。数分で、もう目的地となるバス停に到着してしまった。わずかな距離なのにバスとは贅沢だったな。、帰りは時間が許す限り、歩いて駅に向かおう。

車窓を眺めていて、宇都宮にもパルコがあるのか!と驚く。東武百貨店と福田屋だけでなくパルコもあるとは、宇都宮はちょっと贅沢な町だ。

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