松之山温泉街を歩く。
途中、足湯があった。足湯好きならぜひ。我々はこのあと宿に一泊なので、わざわざ足湯に浸かる必要はない。なのでスルー。
「足湯で温泉卵を作っていたら、さすがに食べたくないよな」
とふと思ったが、足湯の温度と温泉卵を作る湯温は全く違うので、そもそも無理か。
「あれっ!カツ丼のお店、閉まってる!?」
松之山温泉に泊まる楽しみは、メタほう酸を含んだ泉質もさることながら、温泉街にあるカツ丼でもある。ここにくるまでの間、のっとれ!初参加のおーまさんに「あのカツ丼は一度食べておいたほうがいいぞ?」とさんざんみんなで語って聞かせていたので、カツ丼がないとなるとかなりがっかりだ。
「ええ・・・でも、お店ここでしたっけ?」
たぶんここだったと思うけど、いまやお店らしき雰囲気すら残っていない。この一年の間に変わってしまったのだろうか?
「さあ困ったぞ、カツ丼がないとなると、夜はいったい何を食べればいいんだ?」
ちゃんと宿メシが出るというのに、ものすごく空虚感を覚える。がぜん腹が減った。まだ爆弾おにぎりが消化できていないけど。
すぐ近くにあった「松之山温泉里山ビジターセンター」は中ががらんとしていた。あれっ、ここもいったいどうしちゃったんだろう?冬だから営業中止、ということなのだろうか。いろいろ精力的にガイドツアーを企画しているようで、面白い試みをやっていたのに。コンビニの居抜き感満載の建物だったけど。
・・・と思ったら、2016年5月に装い新たにリニューアルオープンしたらしい。写真を見ると、「コンビニ居抜き」の外観がすっきりと改められ、より「里山」っぽい見栄えになっていた。
「あれっ、これがカツ丼のお店じゃない?」
「ああそうだ、こっちだ。つぶれていなかったんだ!」
山愛。そうだそうだ、このお店だった。さっき間違えたのは、もともとお店でもなんでもなかったんや!なんてこったい。
建物の一階部分がピロティ状態になっている、という共通点があるので、間違えてしまったというわけだ。こういう形の家って、首都圏暮らしをしているとめったにお目にかからない。豪雪地帯だから、車が雪に埋もれないようにという考えなのだろう。
「ややっ!」
松之山温泉に到着して何度目のびっくりだろうか?せっかく見つけたカツ丼のお店だけど、店頭には「準備中」の立て看板が。
「やっぱダメじゃん!」
お店を発見して喜んだのもつかの間、それが準備中とは。どうしたんだろう、閑散期だから営業を一時休止しているのだろうか?
「いや、奥の方は明かりがついてるので、夜になったらやるんじゃないかなあ?」
「ということは、夕食前にカツ丼を食べるのは無理なのか」
昨年は、チェックインから夕食までのアンニュイな時間をすごしている最中にカツ丼を食べに出かけた。この流れがちょうどよいので今年も、と思っていたのだけど、あてが外れた格好だ。
「そりゃそうだよなあ、昨年、うちらが訪れたときにお店の人ちょっと慌ててたもんな」
「松之山温泉のガイドパンフには、通し営業であるように書いてあったので訪れたんだけど、それでもやっぱり昼下がりって客が来ないだろうから・・・そりゃ、慌てるよねえ」
「だからもう今は昼間はすっぱりお休みにしてるのかも」
うーむ。宿メシを食べたあと、さらにダメ押しでカツ丼?そりゃすげえな。よっぽど腹をすかせていないと、無理だ。
ひとまずカツ丼問題は置いておいて、本日の宿に向かう。「白川屋」。
当初は、昨年と同じ宿でいいかな・・・と思っていたのだけど、2ヶ月前の時点で既に予約が埋まっていた。どうやら、500名にも及ぶのっとれ!戦士たちがこの界隈にも大勢幕営するらしい。一昨年は宿選びにさほど苦労していなかったので、年々競争が激化しているのかもしれない。
そんなわけで、電話予約で手配できたのがこの宿だった。いまどきネット予約ではなく電話で宿を取ったのは久しぶりだ。
この宿は、「おっぱい風呂」なる風呂が名物なんだそうだ。いったいどういうことだ?おっぱいの形をした湯船?入浴が楽しみだ。
宿に入ったところには、鎧が飾ってあった。
「あれっ、統括軍師殿がここに!?」
のっとれ!松代城の名物キャラクターである、鎧兜に身を包んだ統括軍師を彷彿とさせる飾り。
「しまった、すっかりのっとれ!のことを忘れていた。美食のことばかりじゃダメだ。明日は根性入れないと」
気合を入れなおす。
宿のロビー。
館内案内。我々の部屋は4階だった。おっぱい風呂は1階。おっと、「滝見露天風呂」というのもあるのだな。松之山に滝があるのは知らなかった。
廊下に、傘。
この宿の最上階である4階はやはりちょっと格が上の部屋らしく、廊下にはいろいろな美術工芸品が飾ってあった。
高いお値段を払ったわけじゃないのだけど、運よくよい部屋に割り当ててもらったっぽい。
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