憧れの遠島の刑【のっとれ!松代城2016】

ほくほく線きっぷ

お土産は買った、ご飯は食べた、そして利き酒もやった。さあ、宿題は終えたことだし、いよいよのっとりに行くかァァァ!何をって?アンタのハートだよ!

ピシーッと取り出したるは、まつだい行きのほくほく線きっぷ。越後湯沢から860円。

これもまた、ご飯を食べたりいろいろする前に購入済みだ。新幹線の改札を出て真っ先にやったことが、このチケットを買うことだ。それだけ、昨年「ギリギリになって電車に間に合った」というのが苦い思い出として残っている。

僕はまだいいんだ、しらふだから。でも残りの4名が酔っ払ってるんだよ!清酒を飲んでるんだよ!少量の利き酒とはいえ、ほろ酔ってる輩を走らせるのは大変に危ない。お互いいい歳なんだし。まつだいに行くつもりが、救急病院搬送となったら笑えない。

ほくほく線のりばへ

直江津行きのほくほく線は0番線から出る。初参戦だった2年前はいったん六日町までJRで移動し、そこから始発のほくほく線に乗ったものだが、この便は越後湯沢に直通運転しているので助かる。

北陸新幹線が昨年開業して、これまで東京から富山・金沢方面に向かう最短距離として機能していたほくほく線はその役割を終えた。特急はくたかは廃止になり、今や完全なローカル線になっている。こうなることは織り込み済みで、路線の運営をしている北越急行はかなり潤沢なお金を蓄えてあるようだが、それもいつまで続くことやら。だからこそ、今回のように「のっとれ!松代城」のようなイベントがあると、僕らもほくほく線に貢献することができる。頑張れローカル路線。

越後湯沢駅

「ありゃっ!雪がない!」

ホームに降り立ってみて、思わず声を上げてしまった。いつもなら、「これぞ雪国!」と感心させられる銀世界なのに、今や「昨晩ちょっと雪が降りましてね。ええ、もう溶けましたけど」程度の有様。

こりゃぁ、今年はかなりの暖冬だぞ。わかってはいたけど、本当に雪がない。

「のっとれ、大丈夫か?」

心配だ。雪があってこそのイベントなのに、雪がなかったらどうするんだろう?

「そもそも、松代城を占領している冬将軍を追い出す、っていう趣旨だよね?もう春が来ちゃってるような・・・」

春が来るもなにも、冬将軍がおいでにならなかったのではないかという有様だ。

山の上にそびえる松代城だが、溶けたアイスのようにドロドロになっていないか心配だ。「雪不足のため、中止となりました」なんてアナウンスがあったら、びっくりだ。

ほくほく線

いくら雪が少ないとはいえ、空気が寒い。当たり前だ、新潟の3月なめんな。というわけで、「寒い寒い」といいながら電車に飛び乗る。

雪

定刻通りほくほく線は直江津に向け、僕らのハワイ行きの夢を乗せ出発。まってろ松代城。ハワイ遠島の刑は今年こそ申し受ける所存で候。

「今年こそ、当たる気がするんだよなあ」

何度目になるかわからないぼやきを口にする。「確信」とかではなく、もはや「何故当たらないのか?」というぼやきだ。レース前だというのに。

やっぱり雪が少ない

「うーん、一応一面の銀世界、ではあるのだけど」

六日町を過ぎたあたりから、魚沼産コシヒカリでおなじみの田んぼが広がる景色だ。しかしもちろん今は白に覆われた世界。

・・・だが、若干白くない世界も混じっている。雪が溶けているからだ。

「やばいなー、こんななにもない田んぼでさえ、溶けてるんだから」

寝る人

マスクをするおかでん。普段僕は周囲にインフルエンザが流行っていようがマスクをしないのだが、いかんせん副鼻腔炎が完治していないのでこうせざるをえない。ようやく顔面麻痺は解消してきたのだけど、まだ呼吸そのものが困難。こんな状態でレースできるのか、自分でも疑っている有様だ。

「まあ、歩いてでも時間内にゴールすればいいんでしょ?」

今年ばかりは、真剣に手抜きを考えている。もう、走る気がほとんどない。「歩いて松代城」「先発隊が死闘を繰り広げて松代城への血路を開拓した後、『やあどうもご苦労さん』と入場予定」と開き直るしかない。

寝る女性陣

電車の暖かさにつられて、うたた寝を始める女性陣。都会の電車と違って、駅間が長い。なので、規則正しいゴトゴトという振動が心地良く、つい寝てしまうのもわかる。

あ、そうか、この人達お酒が入っているんだった。そりゃ、寝るわな。

十日町

「ややや!やばいぞこれは!」

魚沼丘陵の長いトンネルを越え、山向こうの十日町に到着した時点で我々の危惧は現実のものとなった。十日町といえば、松代城のお膝元だ。今回のイベントだって、主催は十日町市だ。で、そんな十日町の町並だが、すっかり雪が見えなくなっているのだった。

道路には、融雪したような形跡すら残っていない。もう、とっくに雪は片付けられていたのだった。このあたりは日本有数の豪雪地帯のはずなのに、この有様とは・・・

松代城、大丈夫か?雪のピラミッドを乗り越える関門とか、コース上にはあるんだけど・・・「溶けて何も残っていないので、稲わらで代用します。わらの山を乗り越えてください」なんてことになってないだろうな?

いや、それより最悪なのは、「障害物は何もありません。さあ山の上のお城までひたすら走れこの野郎。制限時間は30分な」などと言われることだ。やっぱり、障害物あってこその楽しいレースなので、なんとか障害物は残っていて欲しいものだが・・・。

まつだい駅

松代到着。

「あーあーあーあー、もうすっかり空気が温んでるもの。ダメだこりゃー」

下車するやいなや声を上げてしまう。昔は、電車のドアが開いた瞬間にどうっと冷気が入ってきて、あっヤバいところに来たぞ、という実感があったものだ。さすが山奥の里だ、と。それが今年はどうだ、小躍りしたくなるくらいの陽気じゃないか。いや、それは言い過ぎだけど。でも昔と比べればそんな感じ。

まつだい地図

動揺しちゃって、今更ながらまつだいの駅周辺マップなんて写真撮影しちゃった。だからどうした

ちなみに「越後まつだい冬の陣」の会場は、まつだい駅の右側、大きな建物が地図上に描かれているエリアだ。で、松代城は駅の下。天守閣の写真があるところだ。

まつだい駅前

駅前からしてこれ。

車の往来が激しいところだし、除雪はしているのだろう。その証拠に、さすがに片隅には雪がうずたかく積み上がっている。

しかしそこを除けば、路面が湿っていることすらなく、ご機嫌に春の予感。これは心配になってまいりました。さてどうしたものかね。

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