竹筒からお酒を注いでもらったおやびん、酒が入った紙コップを手になにやらふらーりふらーりしている。どうやら、酒のつまみになるものを物色しているらしい。
レース開始が11:30。僕らがレースを終え、会場に戻ってくるのは13:30頃になるだろうか?その間2時間、大いに飲んで食べて、場つなぎをしていなければならない。
レースが開催されている間は、会場は一気に人が少なくなってしまう。そのため、場つなぎではないけれども「出陣歌謡祭」という歌のショーがステージで繰り広げられる。昨年は水木一郎が登場し、おやびんは大熱狂で「ゼーーーーット!」と叫んでいたらしいが、さすがに二年連続で登場というわけにはいかなかった。今年は「ラフベリー」「越後姉妹Geeks」「エドアルド」の3組が出るのだという。
「どうしよう、どれもわからないや」
「これから世に出る、逸材が控えているかもしれないぞ?是非じっくりと聞いて」
「いや、あんまり興味ない」
さばけた性格のおやびんは、今回のラインナップにはほとんど興味がない。そんなこともあり、つまみ探しに余念がない。
おやびんが立ち止まったお店は、「究極厳選素材の串焼き」を出すお店だという。ツブ貝やサザエ串などを売るというのはちょっとおもしろい。
で、おやびんが買ったのは、紙コップに直立するワタリガニの素揚げ。300円。これをガリガリとかじりながらのんびり過ごす事に大決定したらしい。
しばらく時間があるので、待合室の椅子に座って待機。ここ以外、会場内に座るところがないから。
僕は相変わらずの陸上自衛隊II型迷彩服。これにこだわる理由はないのだけど、とにかく頑丈だし、防寒もある程度できるし、汚れても平気だし、最強。しかし面倒臭くなって、今回はサスペンダーは持参していない。あれだけで相当かさばるので。
ブリーフィングが始まる時間になったので、いったん体育館へ。冷えるのぅ。
説明はあっという間。
障害物が減った、という説明もあった。
入場を前に、会場出入り口近辺をうろうろしていたら、毎年レース後の抽選会で「プロじゃあるまいか?」という名調子の司会進行をする統括軍師閣下がいらっしゃった。
年甲斐もなく、「大ファンです」と声をかけ、握手してもらうと共に記念撮影をしてもらった。もう僕、これで今年の目標を果たした感がある。それくらい、この人は面白いんだわ。
調べて見たら、十日町市の市議会議員さんだということがわかってびっくり。
折角なので、チームアワレみ全員で軍師殿と記念撮影。大満足。
それにしても男性陣3人とも、前日とは顔かたちが若干変わっている気がする。明らかにむくんでいる。昨日から今日にかけて、あれこれ食べ過ぎたからだ。
大抵そうなんだよなー、こういう泊まりの時って、二日目の写真は決まってよりぶさいくに写る。
さあ、入場開始だ。
500名近くの戦士たちが、歌舞伎者を筆頭にぞろぞろと入場していく。観客は両脇の屋台のひさしのところで手を振って「頑張れ-」と声をかけてくれる。
なんだか鼻がデカい、白い着ぐるみが手を振ってのっとれ戦士たちを激励している。
誰ですかこれは?「雪の妖精 ネージュ」というたすきを肩からさげている。どうやら、これが十日町市のゆるキャラらしい。
雪の中にネージュがいると、白同士で同化してしまっている。
ステージ上では早速歌舞伎者たちのパフォーマンスが始まった。
年々出場者が増えていて、ステージ脇はご覧のように人でぎっしり。僕らが初参加の時は、「ビールを一気飲みするだけ」のようなパフォーマンスもあったが、今となってはそれなりの仕込みができていないとネタとして厳しいくらいになってきている。仮装大会の様相を呈してきてもいる。
「おお、今年も出てきたかこの人たち!」というグループもあれば、明らかに新参者もいる。なかなかに面白いんだが、いかんせん素人演芸ならではのダラダラ展開が何組も続くと雰囲気がだれてくる。だんだん、ステージを見上げているのっとれ戦士たちが「まだ続くのか・・・」といううんざり感が漂ってきはじめた。
そんな中、なかなかにキモい顔立ちをしたきかんしゃトーマス(?)が尺取り虫の要領で這いつくばって登場したときは、会場がどよめいた。ヨコハマタイヤの絵みたいだ。
それが、「トランスフォーム」してなんだかロボみたいなものになった。おおすげえ。
しかし歌舞伎者って、この舞台上でパフォーマンスをするだけでなく、その格好でレースをしないといけない。この格好だと随分障害物を乗り越えにくそうだけど・・・大丈夫だろうか。
他にも「おおう?」とか「えええ・・・(場が沈黙する)」といったものがありつつ、パフォーマンスは続く。
なんか白タイツの人がでてきて、おばQみたいな化粧をしている人も。手に紙風船、そして胸には「ちんころ」の文字。この名前がどうしても覚えられず、我々はうっかり何度も男性器の名前を口走ってしまった。
10人以上はいようかという大人数で時代劇を繰り広げるチームなんてのもあって、よくやるなあ、と感心させられる。ちなみにこのチームが大歌舞伎者賞を取っていた。
パフォーマンスが終わって引き下がる歌舞伎者たち。ただし、先ほどの機関車トーマスは足元がまともに見えないため、お侍さんに付き添ってもらってよちよち歩きをしていた。場がこれで和む。
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