第二給水所で酸素を補給?したのち、再度山に取り付く。
全然体が軽くなってないぞコラァ。やっぱり酸素、全部前を行く人に吸われたに違いない。何しろ僕ら、500人中ほぼ最後尾集団だもんなぁ。
第二給水所があるところには、ゴール済みの人をイベント会場まで送り届けるためのマイクロバスが停まっている。既にかなりの数、ゴールを遂げた人たちが下山をしているのが悔しい。ああ、なんて涼やかな顔をしていやがるんだ。
普通、ゴールした人は山のてっぺんでしばし絶景を眺めつつ、くつろぐはずだ。そんな優雅なひとときを過ごし、下山して、今この時間ってことはどれだけ速いんだよ。いや違うか、どれだけ僕らが遅いんだよ。
このイベント、ガチでスピード勝負の人たちがいる一方で、「イベント参加できればいいや!ハワイ当てたい!」という僕らのような人だってかなり多いはずだ。にもかかわらず、僕らが一方的に遅いってどういうことだ。「イベント参加できたよ!ウヒャア!」とはしゃいでいる人たちの中でも僕ら、かなり遅いってことだ。ちくしょう。
一方その頃おやびんはというと、会場内でラーメンを肴に缶ビールを楽しんでいるのだった。
第二給水所から先、より山が深くなっていく。・・・のだけど、昨年ほどの迫力がない。木々はすっかり雪が落ちてしまっているし、そもそも「一面の雪原」のはずが、あちこちに地面が見えてしまっている。
ここはレース内の最大の見どころ、「地獄谷渡り」があるところ。この谷を、対岸までワイヤーにぶら下げられたタイヤにしがみついて渡るという障害になっているのだけど、本日は中止となっている。谷を突っ切るルートではなく、車道沿いに迂回するようにルートが見直されている。
確かにこの雪じゃぁ・・・。
一応、谷底は白く染まってはいる。しかし、宙空のタイヤから手を滑らせて転落した際、クッションの役割を果たしてくれるのかどうかは随分怪しい。ゴツン、と頭をぶつけて地獄に落ちたら大変だ。
この有様。
もう春だねえ。
松代城が見えて来た。天守閣を下から見上げたところ。
本来、この崖をよじ登っていくルートが検討されていたようだが、雪が少なかったからなのかなんなのか、中止になっている。
おーおーおー、ここはもう雪が溶けてしまって、池が剥き出しになってしまっているぞ。
いっそのこと、ここを泳いで渡れ!という障害をこしらえたら一気に難易度上がるな。
一応このレース、参加に当たって保険には入っているやに聞く。もし「レース中の障害のせいで風邪をひいた」場合、保険は適用されるのだろうか?・・・無理だろうな、外傷ではないから。
城を真上に見上げつつ、最後の坂を歩いて行く。ああ、しんどいのぅ。
昔はこのあたり、山の北側斜面ってこともあってツルッツルで歩きづらかったものだ。しかし今や、グズグズになっていて、違った意味で歩きづらい。一歩歩くたびに疲労感が蓄積していく。
わざわざ道のところだけ雪を残したんじゃないか?ってくらい、道以外の斜面は雪が溶けてしまっている。山のてっぺんに近づけば近づくほど雪が減るって一体。多分、日当たりが良いからなのだろう。
山を回り込んで、ぐいっと向きを変えていよいよ最後の上り。この尾根上の道を一気に上がれば、あとはもう松代城天守閣があるゴールだ。
前にいるチームアワレみの3名は、もうすっかり追いつけない場所に行ってしまった。足がもう前にでない。後ろから何人かに抜かれる有様。
というかなんだよこれ、すっかり溶けてしまって、普通の舗装道路じゃないか。
ひいー、しんどい。
ようやく松代城が見えてきたぞ。
「松代城制覇なり!」という横断幕がまさにゴール。ひい、ひい。ふう。
歯を食いしばりながらのラマーズ法。
ゴール。
スタートは11:45で、到着したのは12:49。1時間4分の所要時間だった。ええと、昨年は何分だったっけ?あれ?1時間1分?今回はほとんど歩いていたのに、時間に大差がなかった。これにはちょっとびっくり。どういうことだ。
恐らく、順番待ちで長蛇の列ができていた「地獄谷渡り」が今年は中止になったので、その分時間を省略できたのだろう。
それにしてもこの順位はどうしたものか。421番目の入場。昨年が290位だったのに、今回はひでぇな、さすがに。500人のうち、実際に出走したのはもっと少ないはずで、リタイアするであろう人も考慮に入れると・・・まあ、最下位集団だな、これは。お恥ずかしい。
息も絶え絶えで、へばりこんでいる仲間が眼前にいた。手にはしっかりと「入城の証」を手にしながら。
そう、これさえあればあこがれのハワイの旅が手に入るかもしれないんだ。ひとまず全員、無事にその権利だけはゲットしたことになる。あとは表彰式に運をゆだねるばかりだ。
全員の「入場の証」を並べてみる。
たっぴぃさん415位、よこさん416位、おーまさん418位、おかでん421位。ほとんどみんな番号が近い。だから、お楽しみ抽選会のときに「よんひゃく・・・じゅう・・・」と読み上げられたら、その時点でガッツポーズしてもいいかもしれん。誰かが当たっているかもしれないから。
へとへとになりながら、ゴール地点でもらったアクエリアスで乾杯。雪が残る時期だけど、汗はダラダラ。
松代城の前で、城を守っていた鎧兜のおにいさんと一緒に記念撮影。
既にゴール地点は撤収が始まっていて、物入れになっているお城に机などが運び込まれていた。
「あぶねえ、そろそろ退却しないと、会場への送迎バスがなくなるかもしれない」
初参加の時、送迎バスがなかったために延々会場まで歩いて帰ったものだ。今回も、その危険を感じさせる気配。
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