湯けむり館63号室に到着。
あと3部屋奥だったら、最果て中の最果てだったので、ちょっと惜しい気もする。でも、ここも最果ての一部。フロントから、6分かかってようやくの到着だ。
この日進館には、長逗留する人向けのプランがある。1カ月くらい連泊すれば、かなり安く泊まることができる。たぶん、1カ月もここにいれば、温泉効果だけでなく筋力増強になるはずだ。
部屋の中。
トイレ別の部屋なので、シンプルな作り。
小さなテレビ。下のテレビ台と比べて、ちょっと小さすぎる気がする。
僕は旅館にいるときはテレビを敢えて見ないようにしているので、どうでもいいけど。
おそらく、このエリアだと電気製品はすぐに金属部分が温泉成分のために腐食して、故障するはずだ。買い換えコストがとんでもなくかかるので、テレビは安いものにしておこう、ということなのかもしれない。
引き戸を開けるとクローゼット。
クローゼットの上に、無骨な換気穴が開いていた。
木の板のところに、何かを示唆するシールが貼ってある。よく意味がわからないのだけど、暖房、と書いてあることだけはわかった。何度読み返しても、この矢印の意味がわからなかった。
部屋には、ご丁寧に消臭スプレーが置いてあった。
あたりは硫化水素の匂いが常に漂う温泉地帯。消臭は大事・・・なわけ、ないよな。なんの意味があるんだろう。
しかし、すぐにわかった。ああそりゃそうか、この部屋だと、たばこを吸うことができるんだった。たばこの灰皿がテーブルの上に置いてある。部屋がたばこ臭いなら、この消臭スプレーを使ってくれ、というわけだ。
わざわざ二種類のスプレーを配備しているというのは、念入りだ。
窓の障子を開けてみたら、そこはいかにも温泉!これぞ万座!な光景。
これはいいなあ。
しみじみ、見とれてしまう。標高1,800メートルなので、うっそうと茂った樹木はあまりない。なので、解放感があって心地よさが段違いだ。
正面に、湯けむりが出ている場所がある。あそこも源泉の一つか。
あれっ。
あそこ、昔「日進館」があった場所だ。
今、完全な更地になってあんな状態なのか。びっくりした。
昔は、あそこに「ラジウム湯」と「鉄湯」の2つの浴室があった。そして、そこから崖を這い上がる階段を登っていけば、展望露天風呂の「極楽湯」がある。
(つづく)
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