はちみつうどんを食べたあと、そのまま伊香保温泉方面を目指して車を走らせる。
途中、テレビのバラエティ番組でたびたび取り上げられる、「珍宝館(ちんぽうかん)」の横を通り過ぎた。ああ、ここにあるのか。
いわゆる秘宝館のような展示内容らしいのだけど、女館長の情け容赦ない下ネタ客いじりが話題を呼んで、男女問わず来客が多いそうだ。
どういうものか興味はある。でも、「あっ、珍宝館があるぞ」と車で通りすがりに気がついて、即座に「じゃあ、中に入ってみよう」という即決は無理だ。さすがの僕でも、若干躊躇する場所ではある。
「ようこそ 水沢うどん街」という看板が見えてきた。
あ、ここまではまだ「うどん街」に入っていなかったのか。さきほどのはちみつうどんのお店は、孤高の存在だったというわけだ。
実際、水沢うどんが食べられるお店は密集している。
これだけのお店があるのだから、お互い切磋琢磨してレベルはほぼ均一&客の入りもほぼ同じ・・・と思いきや、繁盛店とそうでないお店があるのだから面白い。
以前、台湾人のFishとJennyを連れてここにやってきたことがあるが、人気店の大澤屋に行ったら、結構待った。
180席もある大型店でさえ、待つことになる。それくらい、水沢うどんを求めて人はあちこちから集まる。
今回、こっちに立ち寄ったのは、「そういえば、肝心の水沢観音にお詣りしたことがなかった」ということに引け目を感じていたからだ。
いっつも、うどんだけ食べてサヨウナラしていたけど、それってどうなのよ、と。
元々、水沢観音にお詣りに来たお客さんをもてなすために、参道沿いにうどん屋ができた、というのが水沢うどんの由来だ。そのうどんだけ食べて、観音様にご挨拶しないのはダメだろう。
今回、ようやく念願叶って、水沢観音へ。
駐車場脇には、野菜などを売る屋台が並ぶ。
ごめんよ、今晩一泊するので、生ものはいらないんだ。
しばらく境内を歩いて、水沢観音。
今日はお客さんの数が少ない。ド平日、水曜日だからだ。お盆時期なので、僕らみたいにお盆休みを使って遊びにきている観光客がもっと多いと思ったけど、そうでもないらしい。
本堂の脇に、何やら珍しい塔が見える。二重の塔だ。
普段、三重塔とか五重塔を見慣れているので、二重だと「・・・あれっ?」と思ってしまう。やけに高さが低く、詰まった感じになる。なんだろう、あれは。
ややや。お地蔵様が二重の塔の中にいらっしゃるぞ。しかも、何体も。
「開運六地蔵尊」と書いてある。
このお地蔵様6体が立っていらっしゃる台座はぐるぐると回転させることができ、三周回せば開運があるのだそうだ。
初めて見たぞ、こんなの。
「マニ車」というのは聞いたことがある。お経をぐるぐると回せば、お経を読んだのと同じだけの功徳が得られる、という省エネ信仰。働き方改革もびっくりの生産性向上だ。
でも、お経をどうにかするなんて生ぬるい、いっそのこと仏様をそのまま回してしまえば、もっと御利益あるんじゃね?ということか。短絡的でナイスなアイディアだ。
「そのアイディア、乗った!!!」
とばかりに、六体のお地蔵様をぐるんぐるんと回すおかでん。開運がありますように。
(つづく)
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