草津温泉を素通りして、万座温泉を目指す。
草津白根山を貫く国道292号線。そこには、「通行止」の表示があってドキッとした。えっ、通行止め?
よく見ると「夜間通行止め」と書いてあった。17時~翌08時までは通行できない、という。
「夜間」といっても、17時で通行止めになるので油断がならない。「18時くらいまでに、万座温泉に到着すればいいや」というつもりでいたら、通行止めで思わぬ大回りを強いられることになる。
草津白根山の火口1kmは立ち入り禁止、とも書かれていた。最近何かと物騒だからだ。
・・・と思ったら、このあと1年半後の2018年1月に、草津白根山が噴火。死傷者を出す惨事となった。
草津白根山は日本百名山なので登頂経験があるが、まさかあんなところが爆発するとは・・・。ただし、20年近く前の登山だけど、当時も立ち入り禁止エリアがあって山頂には足を踏み入れていない。
草津温泉から草津白根山に向かう道はエキサイティングだ。
非日常感、満載。これぞドライブの醍醐味!と思う。
福島県の磐梯吾妻スカイラインの浄土平あたりも似た光景だけど、こっちの方が迫力もスケールも大きい。
ただあいにく、今日はガスっているのでそれが惜しい。
路上に、「駐停車厳禁」という看板がでているあたり、ワクワクするよな。
つまり、硫化水素などの有毒ガス濃度が高いエリアなので、このあたりで停まるなよ、ということだ。
もちろん、チキンレースで「どこまで停まっていられるか挑戦!」なんてことはしない。素直に素通りする。それでも、毎回この看板を見る度に「おおおおおー」と声を出してしまう。子供か。
火山性の、黄ばんだ岩がゴロゴロしている中を道は進む。
看板だけでなく、路面にも「駐停車禁止」と書いてある。
こういうエリアを通過するために、スキー場のゴンドラが通されているのだから驚きだ。
写真いろいろ。せっかく撮影しているので、とりあえず掲載。
駐車場と売店があるエリア。
本来なら、草津白根山の象徴である「湯釜」を見に行くために、ここに多くの車が駐車しているものだ。
しかし、先ほどの看板のとおり、「半径1km以内は立ち入り禁止」になっっているため、現在はもぬけの殻となっている。駐車場も、立ち入ることができないように封鎖されていた。
無人の駐車場と、その背後の湯釜がある山。
実際に「草津白根山」というと、今この写真を撮っている背中側にある「本白根山」が標高としては一番高い。なので、湯釜に行くのは観光客、本白根山を目指すのは登山客、ということが多い。
実際、2018年に噴火したのはこの本白根山の方で、完全に虚を突かれた形になったようだ。爆発するなら湯釜のほうだ、と思われていたからだ。
さいわい2016年時点では、草津白根山の脇を通って万座温泉に向かうことができた。
万座三叉路から国道を脇に逸れ、谷に向かって下りていく。
万座温泉は、本白根山の西山麓に位置する温泉。
標高を下げていくと、一気に緑が増えてくる。
このあたりだけは、植物にとっても暮らしやすいようだ。
しかし、すぐにまた荒涼とした大地に風景はかわる。
なにしろ、万座温泉も草津温泉同様、天下の名湯。湯が沸くということは、火山であるということであり(例外はあるけれど)、こういう土地柄になる。
むしろこの荒涼とした大地こそ、旅情をたまらなく刺激するものだ。
どうせ1泊2日の温泉旅で、湯の効能なんて大して影響はないんだ。非日常的な光景を見て「おお、すごいすごい」と興奮する方がよっぽど療養になる。この万座温泉の光景が、まさにそれ。
(つづく)
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