混沌の温泉場【万座温泉日進館】

小布施の中心部を後にする。そろそろ、東京に向けて退却を開始しなくちゃ。

ここから東京までは、結構な距離がある。

近くに、「道の駅オアシスおぶせ」という施設があるようだったので、立ち寄ってみることにした。

その道中、なにやら低い木が密集して植わっているエリアがあった。

北海道や那須高原のように、原野を開拓した名残・・・というわけではなさそうだ。

ああ、栗林だ。

そこには、たくさんの栗の木が植えられていた。明らかに、自然に生えているものではなく、「栗を収穫するため」に植えた畑だ。

それにしても栗の木って、葉っぱがものすごく密集しているのだな。フッサフサやんけ。こうやってたくさん光合成しないと、あの痛いやら硬いやら美味いやら、の栗はできないということだ。さすがっす。

でも、そんな期待を一身に背負った栗だけど、もうこの8月にして緑のいが栗が地面に転がっていたりもした。熟す前に、風が吹いたかなにかで落ちてしまったらしい。もったいない。

道の駅オアシスおぶせ。

ものによっては「ハイウェイオアシスおぶせ」とも呼ばれていて、「おや?」と思うが、行ってみて納得だ。

上信越自動車道のPAとして機能していると同時に、一般道の道の駅としても機能している施設だった。

高速道路の車がやってくる駐車場と、一般道の車がやってくる駐車場とがわけられていて、お互いが混じり合わないようになっている。さらに、高速道路の駐車場は上り線と下り線で分離されているので、この施設内を通過してUターンする、ということはできないようになっている。

ソフトクリームがいろいろ売られている。

まあ、定番だな・・・と一瞬油断するけど、ちょっと待って!よく見ると「ソフト栗いむ」というダジャレがあった。

二種類のソフトクリームをミックスできる、ということだったので、「オブセ牛乳ソフト」と「ソフト栗いむ」とのミックスにしてみた。

おっと、こういうミックスになるのか。危ういバランス。

場所柄、栗だけでなくりんごもたくさん売られていた。

このまま上信越道に乗って帰京しても良かったのだけど、もう少し時間があったので菅平に立ち寄ることにする。小布施から上田に向けて南下していった山の中腹だ。

特にここに行ったからといって絶景が見られるということはないのだけど、なんとなく。

ほら、夏の高原ってなんかワクワクするじゃん。

菅平にやってきたら、何やらやたらと歩道を男が歩いている。ぞろぞろと、大量に。しかも、全員ガッチリした体格をしている。

あ、そうか、夏の菅平といえば、ラグビー合宿の定番中の定番だった。高校、大学、社会人といったラグビー部がこの地に集まってくる。周囲を見渡すと、確かにラグビー場があちこちにある。

ちょうど夕方なので、練習を終えた部員たちが宿に向けて退却しているところだった。17時に練習を終え、宿に戻って18時から夕食・・・といったスケジュールなのだろう、きっと。

菅平の航空写真をGoogleマップで見ると、本当にいたるところにラグビー場があることがわかる。芝生で作られているので、すぐにそれだとわかる。

そんなマッチョ学生たちが歩いている道路脇に、カラフルな建物がいくつか見えた。

よく見ると、カラフルなのは外壁に掲げられたTシャツだった。何事だ?

赤いTシャツに近づいてみたら、てんこもりのご飯の絵とともに「ライス並盛り」という文字が書かれたものだった。

なるほど、合宿中の学生向けに、こういう面白Tシャツを作って売っているのだな。

この手のTシャツショップが何店舗かあって、見て回ったらなかなか面白かった。夏の間だけ、営業しているっぽかった。

夏の菅平は、ぞろぞろマッチョが歩いているという光景を見るだけでも「おお!?」という驚きがあるし、こういうTシャツショップがあるというのも楽しい。思いつきで立ち寄ったにしては満足度の高いひとときとなった。

ええと、今回は何の話だったっけ。ああそうだ、万座温泉に一泊した、という話だった。

万座温泉日進館、これに勝る「巨大迷路温泉旅館」はそうそうないと思う。増改築を繰り返した魔宮旅館は数多く世の中にあるけれど、それに崖の上やら下やら、立体迷路の要素が加わっている日進館は最強だ。しかも、宿のオーナーが歌とトークのショーを毎晩やっている、というのも魔宮要素満点だ。

すばらしい一泊二日だった。一夏のよい思い出になった。

(この項おわり)

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