混沌の温泉場【万座温泉日進館】

小布施の町並

「小布施の栗は有名」とは聞いていたけど、聞きしに勝る栗ワールドだった。いやもう、本当にあっちこっちで栗アンド栗アンド栗だ。

今は8月。栗の収穫時期を考えると、シーズン外れもいいところだけど、栗の場合は関係ないらしい。フルーツじゃないもんな。そういえば、「新栗入荷しました」なんて、天津甘栗の屋台店頭に張り紙が貼ってあるのは見たことがない。

桜井甘精堂は、栗菓子の有名店のようだ。小布施のあっちこっちにお店を構えていた。数えてみると、その数5店舗。

信州小布施で栗菓子二百年 桜井甘精堂
小布施栗菓子創製元祖の心を伝える桜井甘精堂|信州小布施で二百年。伝統と革新が息づくこだわりの栗菓子をご賞味ください

すごいな、コンビニのドミナント戦略みたいだ。さほど広くない小布施エリアに、ここまでお店を構えて商売が成り立つとはびっくり。

観光客が、「あ、そろそろお土産が買いたいな」と思ったときに目の前にお店があるのが正義、という発想なのだろうか?お客様の買い時を逃さない。

小布施の町並

もちろん、さすがに栗菓子だけを売っているのでは商売にならないので、カフェ併設だ。
ここ、「北斎店」ではかき氷が売られていた。

かき氷のメニューで「栗あん氷」や「栗あんミルク氷」というのがある。そうか、かき氷も栗なのか。この調子だと、どこかでソフトクリームの栗味も売っているに違いない。それでこそ小布施だ。

それにしても、キャッチコピーが気になる。

シャリシャリ ツーン 冷たいかき氷はいかが?

この言葉の受け取り方は人それぞれだろうけど、僕はなんか歯がうずいた。知覚過敏でしみそうな感じを受けたからだ。ちょっと冷たすぎるキャッチコピーな気がする。

小布施の町並

桝一市村酒造場。

木造の立派な建物。江戸時代創業で、既に200年以上の歴史があるのだそうだ。栗菓子で知名度が高い「小布施堂」の市村家が営んでいる。

実際に今でもここでお酒を仕込んでいて、2階には蔵人が泊まり込む部屋があるという。へー。

代表的な銘柄はなんだろう?と思って商品ラインナップを調べてみたが、一品一品銘柄が違っていた。普通なら、「八海山」とかの銘柄があって、その純米大吟醸だとか、生搾り原酒だとか、いろいろな製法名が付いた商品がずらりと並ぶものだけど、ここは違う。製法毎に名前が異なっている。

ここには、蔵人が食事をする場所をイメージした、「寄り付き料理」と呼ばれる蔵人料理を振る舞うお店があったり、カウンター席で酒を飲む「かけつけ一杯 手杯(てっぱ)」というお店があったりして、「蔵元」らしさを観光客にいろいろ見せていて面白い。

時代劇研究家の春日太一氏が、「時代劇というフォーマットを使えば、現代社会ではあり得ないフィクションも成立させることができるようになる」と言っていたが、観光地もそうだと思う。

「昔から続く造り酒屋をイメージして作りました」ということにすれば、フィクションはいくらでもできるし、むしろ観光客としては楽しくそういうフィクションを楽しみたい。
変に時代考証に凝らなくていいので、エンターテイメントとして成立させてくれていいと思う。

小布施の町並

桝一市村酒造場の向かいにあるのが、「喜なり旬粋」というお店。

ここも栗菓子だ。

栗を売っていないと条例で罰則があります、とでもいわんばかりの、栗責めだ。

「みんな栗ばっかり売ってるので、うちは栗は売りません。かわりに粟を売ります」

なんてトンチがきいたお店があっても良いけど、それは紛らわしいからやめておいた方がよさそうだ。

40歳を超えた僕だが、未だに「栗」と「粟」って、どっちがどっちだったかわからなくなる時があるんだよな。お恥ずかしい限りで。

ちなみにこのお店、栗メニューのほかに「そばクレープ」もあった。・・・あれ?そばクレープ?それはいわゆる「ガレット」というやつでは。

小布施の町並

嬉しくてしょうがないんだな、やたらあちこちで写真を撮っているし、ウロウロしている。

通りを挟んでジグザグ、ウロチョロしている。

桝一市村酒造場と小布施堂の間。小布施堂の蔵を改築して作った、「えんとつ」というお店。

モンブラン専門の喫茶店なのだから、すごい。潔いにもほどがある。メニューは1,500円のモンブランセットのみだぞ、おい。

それでも、店頭の黒板には「11:30受付開始、12:00ご案内開始」と書いてある。つまり、開店前からメチャ混む、ってぇことだ。

この地では、栗はまだまだ飽和状態になっていない、ということなのか。これだけ栗菓子を売るお店があるというのに。

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「えんとつ」という唐突なネーミングにはちゃんとわけがあって、裏手に煙突が立っていた。

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で、小布施堂。その知名度は全国区。

そういえば、小布施で栗菓子を全く買わずに帰ったな。なんで買わなかったんだろう?あまりに栗菓子を見過ぎて、「今買わなくちゃ!」という意欲が失せてしまったのかもしれない。「ここを逃すと、もう買えませんよ!?」という危機感がないと、財布の紐はなかなか緩まないものだ。

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そのかわり、僕らもちゃんと栗のお菓子は食べた。そりゃあ小布施ですもの。それっぽいことはやっておきたい。

目に付いたのは、「福栗焼き」という看板を掲げるお店。なにそれ?

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ややや。

何やら巨大なたこ焼きを焼いているように見えるけど、これが「福栗焼き」の正体だった。

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薄皮の中には栗あん、そして中心部には栗が1粒入っている。へええ。こんなお菓子があるのか。

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というわけで、お昼ご飯も兼ねて福栗焼きを買ってみた。結構、デカい。味は結構良かった。

ちなみに右側にあるのは、おやき。

小布施の町並

「きのこ野菜」のおやきも食べる。うん、満足。

(つづく)

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