浴室とトイレ。特に特徴はなく、普通なのでさくっと紹介。
浴槽には風呂のふたが立てて置いてあった。
単身者用の家で風呂のふたっているのか?とふと思う。今住んでいる家にはあるのだが、ほとんど物置きだ。ふたを閉める機会なんて、ない。だってお湯を張って、満水になったらすぐにお風呂に入って、出たらすぐにお湯を抜いちゃうから。ふたはぎざぎざした形状なので黒いカビ赤いカビがとてもはえやすかった。邪魔以外の何者でもない。
ちなみに、ふたに付いたカビがどうやっても取れないことに苛立ち、新品と置き換えてみたことがある。しかしいざ風呂場にその新品のふたを持ち込んでみると、浴槽とサイズがあっておらず完全に無駄金となってがっかり。ユニットバスって案外浴槽の形が独特で、簡単にぴったりサイズが手に入らない模様。確かに今回内見してみて、風呂の形は千差万別で驚かされる。規格化はあまりされていないのだな。
さあ、リビングに入ってみよう。
リビングの照明は自分で買って取り付けてね、ということらしく、ソケットには何もささっていなかった。故に暗い。台所と廊下の明かりをたよりに内見する。
「うーん、これは全く予想外だった」
僕が思わずうなってしまったのは、「ワクワクの目玉」の一つであったはずのカウンターだった。
背の高いカウンターだと思い込んでいたのだが、この家のカウンターは低かった。テーブルくらいの高さ、となっている。
「これは私も予想していませんでした」
担当者が相槌を打つ。なぜか二人とも、カウンターといえば高い位置にあるもの、という先入観があったということだ。というか、こんな低いカウンターを見たのは初めてだ。
「これはちょっとなあ・・・ほら、カウンターに向けて椅子を置いて、ここでご飯食べるっていう作りですよね?なんか、一人ぼっちで黙々と食事、って感じがしてわびしいですよ。せめて活気付けるために、ランチョンマットを日替わりにしよう!とかそういう涙ぐましい努力しちゃいそうです」
「一輪挿しとか置くといいかもしれませんね」
「そういうシチュエーションが想像できてしまうのがなんだかイヤです。そもそも、料理ができるそばからばんばんカウンター上に料理を置いていきたいんだけど、シンクからもコンロからも少し離れているのは惜しいです」
要するにダメ出しってことだ。なんてこったい。
「でもまあ、住めば都だとは思いますけどね」
と、いったんカウンターから距離を置いて、あらためてこの「問題箇所」を眺めてみる。うん、慣れれば快適かもしれない。うん。
しかしなあ・・・。
しかしだ、どうにも目の前にあるはしごが邪魔くさいのだった。ロフト付き物件なので、当然ロフトに上がるためのハシゴがある。それはわかっていた。しかし、こうも偉そうに部屋の真ん中にデン、と置かれると困惑してしまう。
「移動できますよ、これ」
と担当者がハシゴを持ち上げる。上り下りするために斜めに立てかけられているハシゴだが、ロフトへの引っ掛け方を変えたら、垂直に固定することもできた。
「これで少しは邪魔ではなくなります」
「うーん」
またうなってしまう。
「ええと、テレビの同軸ケーブル口がこの壁にありますよね?ということはこのあたりの壁際にテレビを置くことになるわけですが」
想像しながら、僕は壁を指差す。
「ということは、このあたりに机と椅子を置いて、テレビを見ることになりますよね」
部屋の真ん中あたりにあぐらをかいて座り込んでみる。
目の前には、立てかけられたハシゴ。
「これ、相当目障りですね。どうするんだろう?普通にテレビを置いたら、僕が今いるところとテレビの間にハシゴが挟まっちゃう」
ハシゴの隙間からテレビを見ろ、ということだろうか。いやさすがにそれはありえない。
「同軸ケーブルを延ばして、こっちに置くのかな・・・?」
しばらく二人でゴソゴソシミュレーションを続けてみたが、どうもしっくりこなかった。
まあいいや。
クローゼットは二つもある。この家は収納は問題なさそうだ。部屋にタンスやカラーボックスを置かなくて済むというのはありがたい。
さて、邪魔くさいはしごをよじ登ってロフトに上がってみる。
ははーなるほど、ロフトってこういうことか。あらためて感心する。これは小学生時代に秘密基地を作ったことがある経験がある人なら、誰でもワクワクさせられる。「隠れ家」っぽさがぐいぐい出ているじゃないか。
もっと狭苦しい場所かと思っていた。布団を敷いたらいっぱいいっぱい、くらいの幅。しかし実際は結構ゆったりとしていた。これだけ天空にスペースがあるなら、寝るだけでなくいろいろ創意工夫ができそうだ。テレビの同軸ケーブルがこのロフトまで来ているので、ここにテレビを置くことだってありだ。なんなら、「ロフトは寝床」という先入観をばっさり切り捨て、ここをリビングにしたっていい。そして、一階は単なる寝室にしちゃう。
・・・やめとけ。「テレビを見ながら飲み物を飲む」っていう当たり前のことをやるだけでも、えらく苦労するぞ。ドリンクを持ってハシゴを上り下りすることを考えたら、ぞっとする。
そもそも、このロフトがポテチの食べかすとかを散らかしたら、掃除が面倒だ。掃除機を上に運び上げるの?
いや大丈夫です、ほうきでごみをかき集めて、階下に掃き出せば・・・。いや、ますます散らかるぞ、それだと。
コメント