俺の引っ越し2013

新居におけるインターネット回線をどうするかは、いろいろ検討を重ねた。

現時点では、フレッツ光とOCNの組み合わせを利用している。固定電話は、OCNのIP電話だ。今度、新居に移り住むにあたり、もう固定電話はいらないな、と思った。今だったら、一人暮らしなんだし、携帯電話で十分だ。

ちなみに、大学時代に敷設したNTTのアナログ回線の権利は、今は塩漬けになっている。72,000円ほど払って買った権利だけど、こんなもの今となっては全く値打ちがない。本当に時代は急激に変わった。

数年前まで、「私は携帯電話だけしかもっていません」という人に対して、「なんて自分勝手な」と思うこともあった。その人に電話をかける際、高額な通話料が発生してしまうからだ。本人はいいけど、頻繁に電話をかける用事があるこっちとしては迷惑だった。でも今じゃ、そんなのは全然平気だ。LINEなど連絡手段はいくらでもあるし、スマホを使ったIP通話も当たり前になっているご時世。携帯電話同士だから通話料が高い、という数年前の概念すら既に過去のものになっている。

常識的に考えれば、そのまま新居でもフレッツ光とOCNを継続利用すればいい。しかし、ちょっと周囲を見渡せば、プロバイダや回線の新規契約で大幅値引きの広告があちこちにある。継続利用するだけ、馬鹿馬鹿しい。だから、今の契約は終了し、引っ越しと共にまったく新しい契約を結ぶことにした。長期利用の「上得意様」が不公平感を抱く仕組みというのは、本当によくないことだ。これは携帯電話の値引きにおいても同じ。

インターネット回線すら敷かず、スマホのLTEをテザリングで利用することも考えた。しかし、僕のようにサイトを運営していて、データのバックアップや更新のために時にはギガ単位のアップロード、ダウンロードをしなければならない立場だとLTEテザリングは選べなかった。すぐに速度規制されてしまう。なので、KDDIまたはNTTコミュニケーションズの光回線を敷くことにした。

インターネット契約をする際、馬鹿正直にプロバイダなどのオフィシャルサイトで申し込むのは大損だ。家電量販店などで、「回線契約で○○円引き!」と謳っている家電を買うか、価格.comを経由させるのがいい。

家電量販店などで、回線の新規契約と引き替えに大幅な家電の割引が常態化している。ざっと見た限り、2013年11月時点では3万円-5万円程度のディスカウントが期待できるようだ。フレッツ光は、NTTが想定していた契約数を大幅に下回り、NTTの屋台骨をぐらつかせる有様になっている。なので必死なのだろう。しかし、携帯電話の無線通信が時代の趨勢なのは不可逆的で、あと数年もすれば固定通信はオワコンなのだろう。NTTは明らかに資源投資先を読み誤った。

それはともかく、予想外だったのが「価格.comがプロバイダあっせんをやっている」といことだった。単なる価格比較口コミサイトじゃないんだな、ここ。いつのまにか、保険やらなんやら、あらゆるものの購入検討窓口に進化していた。

価格.comだと、複数の回線業者とプロバイダ会社の中から最安のものを提案してくれる。だったら一番安いのをシンプルに選べばいい、と思うのだが、そうは問屋が卸さない。何しろ、携帯電話同様変な割引制度のかたまりになっているのがこの手の契約。いつ解約するかによって、一番お得な組み合わせががらっと変わる。BIGLOBEがお得だったり、So-netがお得だったり。

しかも、表示されている金額は「見せかけの数字」だ。この金額通り毎月請求されるわけではないのがややこしい。1年継続使用した時点で申し込みしてくれればキャッシュバックしますよ、みたいな変な制度だ。最初からキャッシュバックしちゃうと、途中解約されやすい。だから、1年くらい継続してくれなきゃキャッシュバックしないよ、というわけだ。で、継続利用してりゃ自動的にお金が戻ってくるなら良いのだけど、キャッシュバックは自己申告制だ。うっかりしてるともらいそびれるというのも怖い。

まあそんなこんなで、ちゃんと様々なトラップを乗り越えていったら、かなりお安い価格でネット環境が構築できるというわけだった。家電量販店の割引よりも、価格.comでプロバイダ契約した方が(この時点では)安かった。

結局、吟味の末、フレッツ光+So-netの契約を新たに結ぶことにした。これまで使っていたOCNはサヨウナラだ。僕はawaremi-tai.comでメアドを持っていてそれをメインに使っているので、プロバイダメールが切り替わっても全く困ることはなかった。

ただここで問題がある。現行のフレッツ光を解約し、そして新居でまた契約をするということが許されるのか、ということだ。新規契約ということで大幅なディスカウントを得ようとしているわけで、この仕組みが適用されないと困る。

価格.comには、回線契約専用のコールセンターが用意されていたので、問い合わせをかけてみた。すると、

「価格.comとしてはお申し込みを仲介するに過ぎないので、可能かどうかの判断はできません。NTTコミュニケーションズさんにご確認ください」

ということだった。申し込みの審査などは全てNTTコムの範疇だ、ということだ。

あ、なるほど、価格.comってサイトを作って、回線業者をあっせんするだけの立場なんだな。でもわざわざコールセンターを作るくらいの力の入れようだから、仲介手数料がいかにうまみのあるビジネスか、ということがわかる。ジャブジャブのインセンティブを回線業者から受け取っている、ということだ。

気を取り直して、おそるおそるNTTコミュニケーションズに電話をかけてみる。

「今度引っ越しをするので、フレッツを解約しようと思っています。新居では新規の回線を敷く気はないので、転居届けはださないです。解約です。でも、後日、『やっぱり回線を敷きたい』と思って新規契約をした場合、新規契約の割引って適用になるんでしょうか?」

すると、実際の手続きをするのはNTTコムの埼玉になる(僕は当時埼玉県に住んでいた)。なのでこの電話では受けられないので、埼玉のNTTコムに電話をかけて欲しい、と言われた。なんか細かい縄張り、というのがあるらしい。

あらためて指定された電話番号にかけてみて、同じことを伝えた。そこでのやりとりを要約すると、

「割引きについては、代理店が決めていることなので新規契約時の割引き内容や額についてNTTコムとしては関与しない」
「代理店から契約の申請があったら、ルールに基づいて手続きを進める」

とのことだった。僕が提示した「いったん解約して、また新規に契約するということの是非」については、言葉を濁して明確な回答を出さなかった。
おそらく、原則NGだけど露骨にやらなきゃ、見逃さざるをえないよね、ということなんだろう。見逃すも何も、NTT側で関知のしようがないというのが実情だろう。

旧居と新居で、同じ日に解約と新規が発生し、同一名義人で、支払い口座やクレジットカード番号が一緒・・・とまでなってりゃ、さすがにNTTコムは「おいちょっと待て」と言うだろう。でもそこまで露骨じゃなけりゃ、おとがめは特にないと思ってよさそうだ。

12月8日、不動産屋を訪問。契約事務処理を行った。

書類の山をごっちゃり用意され、一つ一つ説明を受けながら署名捺印していった。

相変わらず貸し主有利の仕組みにいい気持ちはしないが、もちろん口には出さない。「サービスを受ける側」が優位な扱いとなるのはどの商売でも一緒だと思うが、不動産だけは逆だ。それは契約書で、「甲」が貸し主、「乙」が借り主になっているところから顕著にわかる。

賃貸契約書、重要事項説明書、入居者保険、家賃引き落としの申込書、保証会社の申込書、原状回復に関する説明書など次々署名していく。

重要事項説明書をこの場で読んで、ようやく自分が入居する物件の詳細を知った。あ、ちゃんと都市ガスが敷かれているのね、とか、ペットはやっぱりダメなのね、とか。入居の意思表示をして、お金も前払いで払って、その後になってこんな重要なことを知らされるんだから、やっぱりこの世界はおかしい。

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