俺の引っ越し2013

引っ越しに向けての細々した話を備忘録的に書いていきたかったのだけど、きりがない上に随分忘れたので割愛。いきなり引っ越し当日に話を飛ばす。

それまでの間は、毎日部屋の中でくしゃみ鼻水と闘いながらの荷造りをチマチマやり、ゴミを毎日捨てまくり、新居で使う家財道具をネットでポチりまくっていた。でもその一方で、引っ越しするとはとうてい思えないくらいあちこちのイベントに顔を出して連日帰宅が遅かった。当時はテンションが変な感じだったんだと思う。

その証拠に、「縁結び玉」をいただくために、よりにもよって引っ越し前日に徹夜で川越氷川神社に突撃しているし。そして縁結び玉を拝領したのち、その足で料理教室に行って、さらにその後にはフィットネスクラブでダンスをやっているのだから頭がおかしい。

さて、引っ越し当日。この日は超過密スケジュールになっている。何しろ、荷物の搬出と、新居での搬入をこなすだけでも大変だというのに、旧居でのハウスクリーニング対応、新居でのガス開栓など予定がみっちり。それだけではない。家具家電のたぐいが五月雨式に到着するので、もうお祭り騒ぎだ。Amazonなりニッセンなりでまとめ買いしていても、配送は商品によってバラバラだからだ。

過密スケジュール

何時頃に何のイベントがあるのか、整理しておかないと混乱する。なので、Excelを使ってまとめてみた。すると、宅配便業者だけで10回もやってくるということが判明した。これにガス開栓と引っ越し業者で、この日一日で合計12回の来客あり、ということだ。

宅配便業者関連は、ヤマト、日通、西濃、日本郵便、福山、滝崎。何かの見本市ですかこれは。

方や、遠く離れた昔の家では同時並行でハウスクリーニングが行われるわけで、そっちにも立ち会いをしなければならない。一人ではとうていこの怒濤の攻撃に太刀打ちできないので、兄貴に出陣願った。困った時の親兄弟。

引っ越しトラック

引っ越し当日朝。「8時から9時の間に搬出にお伺いします」と前日電話連絡があったが、実際8時20分くらいにやってきた。トラック1台に男性スタッフ2名。

玄関に山積みの荷物

玄関前に山積みした荷物。業者さんからは

「すいませんわざわざ玄関まで持ってきて頂いて」

と言われたが、別に業者思いでこうしたわけじゃない。単に汚い部屋を見られたくなかったからだ。しかし、そんな乙女心を踏みにじるように、このあとスタッフはずかずかと部屋に上がり込んできて僕を大いに失望させた。もちろん彼らはプロなので、汚い部屋やキッチン周りについては何も言わなかったけど。

荷物は随分捨てたし、新居でかなりの買い物をしている。にもかかわらず、なんやかやで支給された段ボール10箱は全部使い切ったし、それ以外の荷物も随分と多かった。キーボード(楽器)やトロンボーンなどでかいものがあったし、キャンプ用品も多かったからだ。キーボードなんてこの際捨ててしまえば良かった、今となって思えば。

しばらくしたら、携帯電話に不動産屋から電話がかかってきた。何事だ?この鉄火場な時に。

「大家さんから私どものところに連絡が入りまして。引っ越し業者が来ている、と。おかでん様は明日引き渡し、ということでお伺いしていますが」
「はいそのとおりですよ。引き渡しは明日ですが、引っ越しは今日やります」

これで事なきを得たのだが、わざわざ大家が不動産屋経由で確認をしてくるなんて、いちいちうるさい。ほっといてくれ、いつ引っ越ししたっていいだろうに。

ここの大家さんは、こんな感じで粘着質なところがあって僕は苦手だった。古くは10年前、ここに入居前、不動産屋の車で内見に訪れた際、建物の前に車を停めたら姿を現し「どこの不動産屋だ?迷惑だからすぐにのけ、何をやってるんだ」とすごんだっけ。最初の出会いからして、印象が悪かった。いい人なんだと思うけど、人との接し方が下手というか、力加減をもう少し考えればいいのに、という人だった。

ちなみにこの人、親からの土地を受け継いで大家をやっており、自分はアパートの1階に午前中数時間だけ営業する喫茶店を営業していた。不定休で頻繁にお休みをとっており、喫茶店は完全な道楽だった。不動産収入で十分に食えていたのだろう。

退去後の部屋

荷物を引き払った後の部屋。ここに10年間住んでいたことになる。窓側のフローリングが随分と汚れているのがわかる。こういうのを大家および不動産屋に見られたくなかったから、わざわざ個別にハウスクリーニングを依頼したわけだ。

このあたりにはビールの空き缶を置いていた。パソコンをいじりながらビールを飲み、飲み終わったものは足元の床に置いた。で、それが時々蹴飛ばされたりして倒れると、床にわずかな飲み残しがこぼれる。ビールを飲む人ならわかるが、これが案外べたつくもので、雑に拭いたくらいだったらきれいにならなかった。で、そのべたつきに部屋のほこりがくっついていくと、このような汚れになる。お酒をやめてしまった僕にとっては、まさに30代の負の遺産だ。こういうのを早く「無かったこと」にしたいからこそ、今回引っ越しするんだ。

ちなみに、今回の引っ越しに際して随分お酒を捨てた。部屋の片隅には、10年ものくらいのウイスキー、焼酎、バーボン、ブランデーといったボトルが何本も置いてあった。誰かが家に遊びに来た際置いていったものだが、全く手つかずのため、瓶には分厚いほこりが積もっていた。こういうのは、ほぼ全部捨てた。

僕はお酒の飲み過ぎで肝臓を壊す寸前まで行き、結果的にお酒を一生飲まない人生を選択することになった。しかし、お酒なら何でもいいってことではなく、ビールにだけ人生を捧げていたんだな、ということがこの酒瓶の山からもわかる。ビールばっかり飲んでいたからこそ、断酒!となったときにあっさりやめられたわけだし、未練も一切なかった。本当のアルコール依存になっていたら、いつでも手に届くところに酒瓶なんて置いていられるわけがない。早い段階でお酒から卒業できて良かったと思う。それは断酒して1年以上が経過する今でもそう思う。

さて、引っ越しの荷物が全て運び出されたところで、業者さんから「これから新居に向かいます」と告げられた。「到着は1時間から2時間くらいですね」とも。おおう、そうなのか、そんなに早く到着しちゃいますか。

考えてみれば当たり前の話で、業者からしたらトラックに積んだ荷物は早く新居におろし、次の引っ越しに向かいたい。半日とか荷物をお預かりしたって、何もいいことはない。トラックが無駄になるだけだ。しかし僕は、こういうのに慣れていなかったので、「荷物というのはいったん預かったらしばらく到着まで時間がかかるものである」と勝手に思い込んでいた。宅配便を送る感覚だ。だから、まあ夕方くらいに届くのかな、くらいののんきな考えだった。でも違うじゃねーか、このまままっすぐ車は新居に直行するぞオイ。

焦った。いやこの後ハウスクリーニングが入るんですけど。そこの立ち会いをしないといけないので、新居に行ってらんないんですけど。役所に転出届を出さないといけないし。

ええと、どうしたもんかな。慌てて兄貴に電話し、新居に大至急向かってもらうことにした。引き取りは兄貴にお願いしよう。一人で引っ越しって、案外大変なことなんだなと今更実感。

引っ越し業者によろしく、とお願いをして送り出した後、入れ替わりにハウスクリーニング業者がやってきた。車一台での登場で、40代とおぼしき女性一人だ。個人営業なのだろうか?車のナンバーは川越で、結構遠路からやってきたんだなと感心する。

部屋に案内した際、こっちとしてはとても恥ずかしい。部屋中激しく汚しているからだ。言い訳をいっぱいしたい。自分のプライドをなんとか維持したい。・・・でも、言えば言うだけ惨めになるし、かっこわるいので何も言わなかった。

「こんな感じです。よろしくお願いします」

とだけ伝えておいた。あ、でも一応

「あらためて不動産屋が手配するハウスクリーニング業者がこのあと入るので、今回は特に汚れているところを中心にやって頂ければ」

とは言っておいたけど。要するに、カネに任せて解決しようとしているんだ、察してくれよ、というわけだ。すると、向こうもさすがプロ、

「いやあ随分汚しちゃいましたね」

みたいな余計な事は一切言わず、

「では作業にとりかかりますね」

とにっこりほほえんだ。ありがてぇ。マリア様のほほえみに見えた。

なお、作業時間については「一般的には4時間くらい」という目安を教えてもらった。作業中は強力な洗剤を使ったりするので、部屋の中に居られるとむしろ邪魔になるらしい、家を留守にするのが望ましいと言われた。それは渡りに船だ、立ち会いが不要なら、このまま新居に向かおうと思う。作業が終わったら携帯に連絡してもらうことにして、家を立ち去ることにした。

・・・と、そこにまた不動産屋から電話。今度はなんだよいったい。

「おかでん様、ハウスクリーニング業者を呼ばれてますか?大家さんの方からまた連絡がありまして。引き渡しの後、あらためてハウスクリーニングが入るということは以前お伝えしたかと思いますが」
「ええ、それは存じ上げています。その前に、自分で掃除をする代わりにちょっとお願いしただけです」
「ああそうですか、ご存じなのでしたら結構です」

また大家さんか!いちいち監視すんなよこっちを。こういう大家さんだからこそ、引き渡しについて僕は非常にブルっているのだった。あれこれ怒られたりするんじゃないか、と心配でたまらん。

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