内見する部屋は、ちょうど原状回復のための業者さんが入っていて清掃中だった。
「あ、ちょうど終わるところですからー」
と言って、我々を迎え入れてくれた。作業の邪魔にならないように中に入る。
玄関だが、おしゃれのために扉脇に四角い穴がいくつも開いている。ガラスがはめ込んである。
「面白いですね。いいと思いますよ」
と女性担当者は言うが、いいか?これ。ぱっと見は確かに悪くないが、これだと室内に人がいるかどうかが外からわかってしまう。
居留守を使えなくなるし、逆に「今この家は不在ですよ」ということを外部にアピールすることにもなり、防犯上よくない。まあ、オートロックがあるのですでにここはセキュアなエリアだとは言えるのだけど。
玄関脇にキッチン。昨晩最後に見た物件同様、白いガスコンロが1つ。
上を見上げて気がついたのだが、ダクトの作りがシンプルだった。これ、吸気性に問題があるし、汚れたら洗うのが面倒なんだよな。着脱容易なフィルター形ではないし。
風呂場。姿見のように細長い鏡が特徴。
これだと、姿見をリビングに用意する必要がないな。でも、鏡に気を取られて、濡れた床に足を踏み出してしまってソックスびしょぬれ、ってことになりそうな予感。
トイレを覗いてみたら、びっくりした。ありゃ、洗面台ってここにあるのか。これまで、風呂場の中に洗面台があるというのはいくつも見てきたが、トイレの中にあるというのは初めてだ。これぞまさに「お手洗い」だ。
丸い鏡があって、いろいろ化粧品の類を並べられるスペースもある。これは面白いな。
「何なら、忙しい朝、便器に座って用をたしながら髭をそることだってできる」
しかしこれは口にはしなかった。ちょっとズボラすぎる発想だ。
ワクワクさせられるな。こういう、「新しいライフスタイル」を予感させるものこそがワクワクだよキミイ。
リビングに入る。
ここも完全に真四角なデザインで、梁がないすっきり形状。家具のレイアウトがしやすそうだ。
担当者に、「こういう部屋だったらどこにベッドを置きます?」と聞いたら、「縦長の部屋なので、窓際にベッドを置きますね。先輩が言ってたんですが、部屋は空きスペースができるだけ正方形になるように家具を配置するのがいいらしいです」という答えが返ってきた。なるほど、正方形か。
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