地上の楽園を普段使い【小梨平ソロキャンプ2019】(その01~20)

08:23
上高地から明神に向けて、梓川右岸の木道を歩く。

並行して業務用の林道が走っていて、そちらが使えると随分とショートカット&楽ちんな道のりになるのだけれど、ハイカーは立入禁止で、関係者の車限りになっている。

歩行者用の木道はうねうねしながら、時にはアップダウンも混ぜながら、川沿いの風光明媚な場所を進んでいく。

08:24
梓川左岸ルートを歩いていると、進行方向左手に見える明神岳をぐるーっと回り込んでいるのを実感できる。ゆっくりゆっくりと、ああ山の向きが変わってきたなと。

一方、梓川右岸ルートの場合、正面に六百山が見えてこれはこれで美しい。

面白いのが、これだけメジャーな上高地の目の前にある山なのに、明神岳も六百山も登る人が少ないということだ。登るのは登攀技術に優れて、冒険心に満ちた人となる。僕自身、登ってみたいなぁと常日頃これらの山を見て思うのだけど、登山記録を記したweb記事を読むと「とてもじゃないけど、無理!」ということがわかる。残念だ。

08:29
ザクザクと残雪を踏みしめながら歩く場面もある。今年は雪解けが遅い。

ニヤリ

・・・いいよな、「うむ、今年は雪解けが遅いな。」なんて渋い顔つきでつぶやく、だなんて。お前慣れてるじゃん上高地に。普段遣いじゃん。

そう、さすがに二年連続で同じ時期に同じ場所にやってくると、「普段使い感」が出てくる。それがしみじみと嬉しい。怠惰な日常、「ワクワクやドキドキ」は常にほしい。でも、心拍数が上がるようなワクワクはちょっとしんどいときもある。その点、上高地を普段使いっぽく扱うのって、じんわりワクワクしてていいんだよね。すっごくいい。

08:31
岳沢に集まってきた雪解け水が梓川に向けて流れている小川。

清流を横目に、木道を歩く。

08:41
梓川の流れが向きを変えてしまい、昔は河原だったところが干上がっている。

当時、雑炊の都度川の上流から運んできたのであろう石ころが、「元・川底」のところにゴロゴロと転がっている。

08:42
賽の河原みたいになっている。石積みを競い合ったのだろう、絶妙なバランスで小型のケルンが建ちまくっていた。

このたくさんある石積みをいかにカメラで印象的に撮影できるか?というのをあれこれ試してみたけど、自分の技術だと無理だった。

僕がデジカメを手にするようになって20年以上が経つが、常に「webサイトで僕が見聞きしたことを他の人に紹介するため」の写真だった。そのために引きの絵でパンフォーカス、ということしかやってこなかった。被写体にグググッと近寄ったり、背景をボカしたりという発想はそもそもない。なので、いざ「印象的な写真を撮ろう」としてもうまくいかないのだった。長年培った習性だ。

08:50
ハイカーたちへのファンサービスなのだろうか?というくらい、大袈裟に飛び出した木道。小川をまたいでいる。これを維持するのは大変だろうに。

小川沿いに木道は続く。

ときどき木道が太くなったり細くなったりするので注意。僕は以前ここで片足を踏み外して、下に落ちた。

08:58
おっ。正面に吊橋が見えてきたぞ。明神橋だ。

ということで、目指す明神はもう目と鼻の先。

本当なら、梓川右岸ルートは標準コースタイムが70分となっている。でも今回の僕は、このあとのバスの時間が気になっていたこともあって早足での移動だった。荷物が軽装だったこともあって、45分での到着。鈍足の僕にしては珍しく随分時間短縮ができた。

09:00
明神といえばこれ、嘉門次小屋。

ここで名物のイワナを食べよう、ということが目的でわざわざ上高地まで往復2時間強のお散歩をする人は多い。もしイワナがなかったら、そこまで人を明神にかきたてないだろう。この奥に穂高神社奥宮がある、というだけでは明神トレイルはしないはずだ。

小屋といっても宿泊は受け付けていない。イワナを中心としたお食事処だ。

とはいえ、朝9時にもかかわらず早くも客席にはお客さんが座っている。へー、もう営業をやっているのか。早いなぁ。

ここのイワナは大変だ。毎日大量に食べられていく。いくら補充しても補充が足りないに違いない。当然この明神で生まれ育った天然イワナなんて提供できないので、養殖イワナを下界から運んでくることになる。しかし、生きた状態で運んでこなくちゃいけないので、時間も手間も費用もかかる、大変なことだ。お疲れ様です、と頭が下がる。

(つづく)

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