地上の楽園を普段使い【小梨平ソロキャンプ2019】

2019年05月04日(土) 3日目

04:16
明け方、トイレに行きたくなってテントから抜け出す。

最近、頻尿と呼ぶにはまだ早いけれど、寝ている間に1回起きてトイレに行くようになった。年配者の頻尿は、膀胱の拡張と収縮の機能が衰えて弾力がなくなり、おしっこタンクとして膨張しないために発生すると聞いたことがある。自分の膀胱も、柔軟性がなくなったのだろうか・・・と心配になる。

しかし、自分の行動を振り返ってみると、昨晩あれだけノンアルコールビールを飲んでいる。トイレに行かないほうがおかしい。しかも空気はキンキンに冷えて寒いわけだし。

たぶん、3時半くらいには「ああ、トイレに行きたいな」と目を覚ましていたと思う。でも、トイレに行くために外にでるのはとてもおっくうだ。できることなら出たくない。夜が明けるまで我慢できないものだろうか・・・と逡巡する。そしてそのまま、尿意を常に下腹部に感じつつ、うつらうつらとして時間を過ごしていた。

で、結局は「やっぱりトイレに行こう。」だ。いつだってそうだ、上高地に限らず、自宅でもそうなんだから。だったらとっととトイレに行けよ、と我ながら思う。

トイレに行くのは一苦労だ。寝袋から脱出するのも大変だし、トイレから戻ってきてまた寝る装備を整え直すのも大変だ。なにしろ、毛布を身体にぐるぐる巻きにして寝袋の中に入っているし、なんやかやごちゃごちゃしているからだ。これじゃ、このあと朝まで二度寝するのが難しくなる。でも悔しいけど、尿意には勝てないのよね。

次回は大人用おむつを用意して挑めばいい、って?いや、さすがにそれはちょっと。幸いにして僕はまだ大人用おむつは未体験だけど、入院中とかのっぴきならない事情がない限り、寝たままで放尿というのは相当な勇気がいるはずだ。

朝4時過ぎ、外に出るともう空の端が明るくなりはじめていた。小梨平から見ると、梓川上流のほうから朝日は登るのだな。

シャッタースピード1/4、ISO3200で撮影しているので、長時間露光で「本当は真っ暗なのに、明るく見える写真を撮った」というわけではない。

04:17
谷にあたる岳沢も、少しずつ明るくなってきはじめた。

日々仕事に追われているときは、明け方のトイレをものすごく残念に思う。「ああ、完熟(完全なる熟睡)できなかった、今からあと●時間後に起床だ、今日もキツいなぁ」と。

でも僕は平気だ。だって今日一日、何もすることがないから。予定がなくて楽ちんだから。

快適なベッドルームがあるわけではなく、昼間テントの中でお昼寝をするのは無理だ。暑い。でも昼寝ができなくても、のんびりと自然の中で過ごせれば、たとえ睡眠不足でもドカッと疲れが溜まることはない。むしろ、起きていながらにして体力が回復していく気がする。

04:20
むしろ、疲労感を覚えるのは寝ている間だ。寝返りが打ちづらい狭いテントと寝袋、そして寒さと結露。

トイレから戻ってきて、あまりに寒いのでご禁制の「テント内でガスストーブを点火」をやってしまった。時間は1分未満、換気のためにテントの出入り口は隙間を開けて。

すばらしいのはガスの炎よ。あっという間にテント内が暖かくなる。すぐに寒くなるし結露がテント内に発生するので、全く良いことはないとわかりつつも、ついついやってしまった。

寒さに耐えかねて、売り物のマッチを灯したマッチ売りの少女の寓話を思い出した。

束の間の暖が取れたので良かったけど、今思うと朝4時過ぎに「ゴー」というガスストーブの音を鳴らしてしまったのは良くなかった。周囲の皆さん、夜明け前なのに申し訳ありませんでした。テントの中で過ごしていると、周囲のちょっとした物音もものすごく大きく聞こえるんだった。配慮が足りなかった。

06:51
だらだらと浅い眠りを続ける。朝5時すぎると明らかにテントの外が明るくなっていることがわかるし、6時を回れば気温がグググッと上がってきていることがわかる。

むしろ、6時過ぎからの時間が「睡眠のラストスパート」としてふさわしい。ただし周囲の人たちがゴソゴソやりだす時間なので、耳栓を持参していればよかったかもしれない。

今日は朝7時から営業を開始する「小梨平食堂」で朝ごはんを食べようと思っている。なので、ゆっくり目の起床となった。

テントから這い出てみると、そこには朝日を浴びる穂高連峰。いいね、外に出た瞬間にこの景色が楽しめるなんて。

太陽はすっかり昇っていた。おはようございます。

梓川沿いに、岳沢と穂高連峰を眺めようという人たちが集まっていた。

06:57
冷たい水で顔を洗う。

テント泊の常だけど、朝は顔が脂っぽくなるのと、むくんだような感じになるのでバシャーっと冷水で顔が洗えるのはありがたい。気持ちがビシッと引き締まる。

07:05
気持ちが引き締まったついでに胃袋も引き締まった。朝ごはんを食べに行こう。

小梨平食堂、「OPEN」の札が出ていた。よっしゃよっしゃ。

小梨平食堂の自動食券機はメニューが多すぎてわけがわからないことになっている。

ええと、朝定食的なものはどこだ・・・と目が泳ぐ。朝の時間帯は取り扱っておらず「✕」のランプがついているメニューもあるので、探しづらい。

バスターミナルにある上高地食堂だと、朝定食で和定食洋定食をはじめ数種類がある。ここは・・・なかったか。

ええと、僕は定食が食べたいんだよね、するっと蕎麦とか食べたいわけじゃないんだ。

しばらく困惑していたら、「さば味噌定食 850円」というメニューがあることに気がついた。これが和定食相当にできそうだ。うん、これにしよう。

あとになってよく探してみたら、「ハムチーズホットサンド 850円」というメニューもあった。これは洋定食に相当するかな。

07:10
食堂の片隅に灯油ストーブが置いてあって、グイグイと周囲を暖めていた。GW期間中は、まだ暖房が必要な時期だ。

そして、そのストーブの周りに人が群がる。たぶん、寒い思いをしたテント生活者たちだろう。ケビンに泊まった人は、そこまで寒い思いはしていないのではないか。

07:14
さば味噌定食。

温かいものが食べられるのは嬉しいことだ。ご飯が胃袋に入るとズドーンと重さが伝わってきて、そのあとお味噌汁をいただくと、わわわーんと暖かさが身体に染みる。ああ、いいなあ。洋定食にはない、心のともし火になる。

さば味噌は、調理済みでパック包装されたものを湯せんして盛り付けたものだろうか。ひじきも、ポテトサラダも、業務用の出来合いのもののように見える。違ってたら申し訳ないけれど。

そういうものを組み合わせて、この上高地では食事が成り立っている。場所のことを考えれば、これで850円というのはものすごく安いと思う。

もちろん、僕のお財布にとっては「朝ごはんから850円を払う」というのは安くはない。

しかし、なにせ一泊800円のテント泊なのだから、朝ごはんに少々お金を使っても平気だ。

(つづく)

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