地上の楽園を普段使い【小梨平ソロキャンプ2019】(その01~20)

15:25
トロワサンクで上高地No.1!のアップルパイを食べたあと、また河童橋に戻る。

今日は「自分のシマ」の偵察に余念がない。さすがに上高地温泉ホテル~上高地帝国ホテルの方まで遠征するのは時間的に慌ただしいのでやらないが、河童橋界隈はしっかりと巡回しておく。

河童橋から見下ろした梓川。澄んだ流れが美しい。

川の浅いところ、深いところがくっきりとわかる。これだけの水流があれば、ここらへんから川下りができそうだ。勢いよく流されすぎて転覆する、という場所はこの先ないと思う。たぶん、大正池にたどり着いてそこで終わりだ。

とはいえ、この絶景の中、川下りで「きゃー」という歓声が頻繁に聞こえるのは興ざめだ。ここは静かな空間であってほしい。多分、そう思う人が過去にもいっぱいいて、実現はしていないのだろう。なにしろここは国立公園だ。船を係留するための杭を河原に打つだけでも、環境省の許可が必要だ。そう簡単には実現しない。

15:27
五千尺ロッヂの売店を見て回る。

ここは五千尺ロッヂオリジナルのお土産・お菓子を製造販売していて感心させられる。

シーズン終わりに売れ残ったものは、値引きシールを貼って安くしてくれるのだろうか?などと不穏なことを考えるが、そこはさすが商売上手、通販サイトもあって年中オリジナル菓子を全国どこからでもご購入いただけます。なるほど。

それ以外にもお土産はいっぱい売っている。広い店内と河童橋たもと、という立地条件なのでお買い物はとてもしやすい。

おっと、これは・・・「白い針葉樹」だって。明らかに北海道みやげの定番「白い恋人」を意識してる商品だ。「真似した」とまでは断定しないけど、「チラッチラッと意識しなかったといえば嘘になる」と言って差し支えないだろう。だって、この名前に、ラングドシャだもの。

以前、吉本興業が「面白い恋人」というお菓子を出して、「白い恋人」の発売元である石屋製菓と訴訟になったことがある。結果的に和解したはずだが、この「白い針葉樹」はどういう仕切りになっているのだろうか。「インスパイアさせてもらった料」を石屋製菓に払っているのかもしれないし、そうでもないのかもしれない。

その事実関係は敢えて調べない。こういうのは、「どうなってるんだろう?」と不思議がっているほうが、世の中楽しい。(だから、「パクリだ!」と言ってはいけない)

五千尺ロッヂの売店一角にあるモンベル用品売場。

昨年も内容をチェックしているけれど、今年も改めて確認しておく。昨年の上高地キャンプ後、ちゃんと「ソロキャンプに行く際に持参するものリスト」を整理し、今回は抜け漏れがないつもりでいる。しかし、うっかり何かが足りなかった!とか、「ああ、アレがあると便利なのに!」という気づきがあったときのためにこういうお店の品揃えは大事だ。特に防寒関係。

でも、案外僕にとって大事なのは、「紐」とか「ガムテープ」といったなんの変哲もない日用品になるかもしれない。

15:37
岳沢、河童橋をバックに、梓川河川敷のベンチで読書を始める。

今年も本を持ってきたので、滞在期間中は読書をしまくろうと思っている。大自然の中にいるのに、読書?それよりも、川とか山を見ていたほうが心が休まるんじゃ?と思うだろう。でも、いきなりそれは無理だ。僕は仙人じゃないんだ。スマホの画面を見ないかわりに、活字を見る。これだけでも十分に休息になる。

そして、休息であると同時にトレーニングでもある。今、あまりに刺激に体がなれすぎてしまい、活字を読むというのがかなり苦行に感じられるようになってしまった。せめて、すっと活字が脳内に入ってくるようなコンディションに体と脳をキープしておきたい。今回はそんな旅だ。

16:04
上高地バスターミナルにやってきた。

さっき、「梓川のベンチで読書」なんて言ってたくせに、ものの30分で場所移動しているというのはどういうことだ。「写真を撮って、はいオッケーでーす、移動しまーす」なのか?

いや、そうじゃないんですよ信じてくださいよ。もう時刻は16時。小一時間読書なんてやってたら、もう上高地はお店が次々と閉まるし、夜の帳が下りてくるのですよ。17時!17時までにやることはやっておかないと、困る。

そんなわけで、「ひとまず読書はちょっとやった。うん、こういう時間の過ごし方っていいよね」と再認識を自分にさせたところで、場所移動だ。

わざわざターミナルの建物二階に上がって、上高地食堂から広場を見下ろす。どういう人達が行き交っているのかを確認したいからだ。時間の関係なのかなんなのか、ガチ登山勢はあまり見当たらない。日帰り観光客の姿が多いようだ。

目の前にできている行列は、沢渡(さわんど)の駐車場行きのシャトルバスを待つ人たちだ。いつもこのバスは大行列ができている。僕は一度も利用したことがないのでなぜこんなに混むのか、事情がわかっていない。

バスターミナルにあるチケット売り場にやってきた。

高速バスの空席状況を見ておきたい。帰りの便をまだ明確に決めていないからだ。雰囲気を知っておこうというわけだ。

ここに表示されている空席状況は今日と明日の分だけだ。でも、ここで「✕」マークがドドドと並んでいたら、「あっ、今年の上高地はかなり混んでいるんだな。自分の帰りの予約は早く確保しないとまずいな」ということがわかる・・・はずだ。

幸い、いまのところ✕マークが出ている便はなかった。

一方で、僕は明日の新島々行きのバスチケットと整理券を買う。

明日?

上高地2日目なのに?

はい、今回は一旦上高地を下山する予定がある。僕が北海道のハタケ遠足でお世話になっている「カフエマメヒコ」が、偶然このタイミングで安曇野遠足をやっているのだという。そこに半日だけ顔を出そう、というわけだ。朝上高地を出てお昼ごはんを共にし、夕方上高地に戻る。そんなスケジュール。

本来なら、上高地に分け入るということは「外界から隔絶した生活を、腹をくくって過ごす」という主目的がある。そこからズレてしまうけれど、これもまたご縁。だって、東京のカフエの仲間たちが安曇野で遠足をやっているというんだもの。こんな偶然はめったにない。知らぬ存ぜぬで上高地にこもりっぱなし、というのはさすがに人付き合いが悪い。

バスターミナルに並ぶ白いバスと、三角屋根の建物と、穂高連峰。

いいよな、この世のワクワクが詰まっている感がある。

でもこんな場所を、毎年訪れて過ごしているんだから僕は結構幸せものだ。新天地を探しに、あっちこっち行くのも楽しいけれど、「あそこにいけばアレがあってこれがあって、ああ今年はこんな感じなのね」と勝手が分かっているところに繰り返し通う、というのも楽しい。

これもまた歳のせいなのかもしれない。領土拡大の野心をたぎらせるよりも、自分の勝手知ったるところでのんびり過ごす、という発想。決してネガティブな発想ではないと思う。

上高地はバスだけでなく、タクシーにも乗ることができる。

そのタクシーはメーター制ではなく、安心の定額料金で運行されている。たとえば新島々に行くなら11,400円で固定。タクシーのりばの時点で、仲間と割り勘の相談ができるので便利。

タクシーはプリウスなどのハイブリッド車ではない。もちろん電気自動車ではない。環境保護が厳しい上高地なのに、ふつうのクラウンコンフォートのようなセダンが入ってくるのはオッケーなのだろうか?既得権益だろうか?と思ったが、それは違う。タクシーといえばLPG燃料で動く乗り物。環境に対する負荷が少ないので、堂々と上高地に入って来られるというわけだ。

これは知らなかった、バスターミナルの建物の裏手にある荷物預かり所。

その存在は案内看板で知っていたけれど、今回建物をぐるりと一周してみて、初めて実物を見た。へー、こうなっているんだ。

朝6時から夕方5時までの営業。預かり賃は荷物のサイズ次第だけど、350円/日~800円/日。このエリアにはコインロッカーがないので、荷物を預けたければここを利用することになる。

もっとも、山をやっている人はザックをそのへんに転がして、自分は身軽になってどこかに移動・・・なんてことをよくやる。財布と鍵と携帯電話だけを持って。なので、どれだけの人がこの施設を使うのだろう?と思って覗き込んでみたが、ザックやらなんやらが案外預けられていた。

最近は物騒になってきて、山の中でも盗難が結構起きているという。転ばぬ先の杖、でここに荷物を預けておくのも良いのかも知れない。・・・あっ、いけない、僕は荷物一式、テントの中に置きっぱなしだ。でもそれはどうしようもないよな。

(つづく)

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