小笠原遠征

砂浜とシーカヤック

11:54

おおよそアワレみ隊OnTheWebっぽくない画像をお届けしております。

美しい景色

いや、実際撮影した写真なんてもっと多いんだけど、とにかくきれいで、360度隅々まで撮っておかないともったいないって気がして。

もったいないといえば奥に見える南島。行きたかったなあ・・・。

もう一つもったいないといえば、しぶちょお。風邪をひいてしまったらしく、泳ぐのを断念していた。せっかく水中カメラを購入し、行きのおが丸では嬉々としてお披露目していたというのに。無念続きのジニービーチ。

12:56

お昼ご飯休みを終えたら、「それじゃ南島に行きまーす」ということではなく、お隣・出発点に戻る方向にあるジョンビーチに移動することになった。

ここも潮流の関係で揚陸地点に気を付けつつ、砂浜へ乗り上げる。砂浜があるからって、どこからでも気軽に上陸できるわけではない。

気分はプライベートライアンの最初のシーンだ。あちこちに銃眼があるこの島だからこそ、なおさらだ。小野田さんみたいな生き残り兵がいて、討たれたらどうしよう。

急坂を登る

南島に行かなくなった分、結構な自由時間がここでも与えられた。ひと潜りしてお魚さんコンニチハをした後、今度は三人でジョン&ジニーのビーチを隔てている丘によじ登ってみることにした。

徒歩で延々と歩いてきた人の中で、この丘を見て「ああ、もうジョンビーチでいいや。ジニービーチに行くためにあの丘を越えるのは疲れる」と断念する人もいるようだ。

道があって無いような、そして崩れやすい土の斜面をサンダルで登る。大変に登りにくい。三人とも、「おっとっと」とバランスをとりながら登る。ジョンビーチにいる他のツアーメンバーは、「おー、暇人が登っとるのー」って感じで「頑張れー」なんて無責任な応援を送ってくれた。

丘の上からの眺め1

12:57

丘のてっぺんに到着。インストラクターの治郎さんが「丘の上はいい眺めですよ」と仰っていたが、確かにこれはすばらしい。

奥に見える南島がなんとも恨めしいが、それを差し引いても海の青さ、そして岩礁の黒黒さが際だって、なんだか別世界。繰り返すけど、これ東京都ですぜ。イシハラ都知事の県ですぜ。

って、返す返すスンマセン、アワレみ隊OnTheWebらしくない、味のない感動&驚きのセリフばっかりで。もうね、圧倒って奴ですわ。

「日本三景」ってご存じでしょうか。松島、天橋立、宮島。これら全部を見ても、「圧倒」とか「感動」とか「自然について考える」なんてこと、無いでしょ。大抵、途中の土産物屋がうっとおしいだとか、「なるほど、確かにきれいだけど、で?」みたいな感じ。新日本三景、なんてのを作ったら、ここが入らないとおかしい。絶対入れるべきだと思った。

・・・で、父島に空港ができて自然破壊されたり、土産物屋が並んだり、観光客がたくさん来て俗っぽくなったりして、美しさが埋没していく、と。まあ、「新日本三景」には入らなくていいか。無意味だわ。

丘の上からの眺め2

12:59

こちら側が先ほどまでいたジニービーチ。

GWでおが丸お客さん満載、父島の宿はフルハウス状態・・・であっても、この空きっぷり。大穴場だ。まあ、カヤックツアーでもない限り片道2時間半(往復5時間)も歩くぞーっていう強者はなかなかいないか。

みんな安直にイルカちゃんと一緒に泳ごうとかそういうことをやっとる。まったくけしからん奴らだ。・・・何を怒ってるんだ、オレ。イルカと泳いだって別にいーじゃん。

丘の上からの眺め3

13:02

で、振り向くとこちらが今われわれがいるジョンビーチ。

ジニービーチと比べて、浜が狭い上にそれほどきれいではないことがわかる。ジニーで満足してはいかん、というのはこれを見ればよく分かるでしょ。

あと、シュノーケリングするのも、ジョンの方はちょっとやりにくい。

おや、ばばろあが見あたらない・・・と思ったら、彼はこういう自然風景の満喫よりも丘の上にあるであろう戦跡の監視所探しに夢中になっていた。「おかしいのぅ、もう少しちゃんとしたのがあると思ったのに、見あたらんかった」と首を捻りながら戻ってきた。

コペペ海岸に戻る

14:43

さんざん泳いだり潜ったりした後、最初のコペペ海岸に戻ることになった。

所々、潮流の向きが午前とは変わっているところもあるので、そこは治郎さんの指示に従いつつ、隊列を一列に組んでの移動。あとはもう、慣れてきたパドルさばきで自由に先に行くもよし、ゆっくり行くもよし。

登山だったら、必ずリーダーとサブリーダーが隊列の先頭と最後尾をガードするものだが、このシーカヤックツアーはそんなこと一切お構いなし。治郎さんは先に行っちゃうし、もう一人のインストラクターのあさちゃんはおかでんの勝手気ままなパドリングにつきあって、適当なポジションだ。危機管理がなっとらん!というわけではなく、それだけ気楽に楽しめるって事なんだろう。

ほら、例の70過ぎのおじいちゃん、遅れ気味だけど頑張ってるぞ。こちらの船もわざとスピードを落としておじいちゃん船に伴走し、「頑張れー」「うまいうまい」なんてはやし立てつつ、みんなで楽しみながらコペペ海岸に戻ったのだった。

記念撮影

後に、しぶちょお曰く「パドリング、どんどん上手くなっていくのが自分でもよく分かるんだよな。後半になればなるほど、ちょっとの力で前に進むようになるんだよ。これはいい、これはもう一度やりたい」と熱く語っていた。ただ、三人とも手に豆ができかかっており、結構痛い思いはしたが。

記念撮影

14:47

湾内では、治郎さんが「カメラあるひと、記念撮影しますよー防水バッグから取り出しても大丈夫な人はどうぞ」って気をきかせてくれた。

アワレみ隊3名+あさちゃんの4名で記念撮影。とりあえずシーカヤック上を漕いでいるおかでんの写真が1枚でも撮影できたので、良かった。

このあさちゃんだが、漕ぎながら話を聞いてみると出身は北海道なんだそうな。驚きだ。で、海に憧れて沖縄に行ったんだけど、流れ流れて今は小笠原。なかなか数奇な人生だ。夜は居酒屋でバイトしているので、ぜひ遊びにきてくださいね、だって。シーカヤックのアシスタントインストラクターだけではやっぱり生活が厳しいのかな、とちょっと心配をしてしまった。

石のおみやげ

15:24

最後、治郎さんが「お土産に好きな絵柄のものを一つどうぞ」といって差し出した箱には、石に砂でイルカの絵が描かれたきれいなかざりだった。

聞くと全て治郎さんが作ったものだというから、この人器用なもんやなあと感心。

「集合場所だったあのお店でも売ってますから、良かったらぜひ」と商売っけも忘れちゃいない。

南国ビーチ風

16:47

行き同様、車に載せて貰って大村まで戻ってきた。いったん、荷物を部屋に戻してから、宿の前にある南国ビーチ風(ビアガーデン風ともいう)樹脂製の椅子机セットのところで今後の作戦会議。

まだ「さあ夕食どうしようかね」と言うには早すぎる時間だし、部屋でくつろごうにもあの二段ベッドじゃ寝ることしかできない。

明日は午前中戦跡ツアーがある予定だし、午後はおが丸が竹芝桟橋に向けて出航してしまう。長旅のようだったけど、明日が最終日なのだった。今日中に父島でまだ見ていない観光スポットを見ておかないと。

・・・あ、違うわ。おが丸船中で1泊するから、まだ最終日じゃないわ。なんだか感覚狂うんだよなあ。船中25時間半ってやっぱ強烈すぎるわ。

どーせ丸一日借りるわけでもないし、バナナ荘のバイクでも借りてそこら中うろついてみるべえ、という事にした。アメリカンなご主人に「バイク貸してくれ」とお願いしたら、「今はダメ。今日・・・6時にタブンもどてくる。それまで待つか?」と言われたので、さすがにそれは遠慮した。日が暮れてしまうではないか。

ばばろあは、例の「小笠原戦跡案内」を見つつ何やら画策中。またどこかの戦跡を狙う気だな?

「おい、今日はもう日没まで時間があまり無いぞ。やめとけ」

「明日があるじゃん」

「明日?明日は朝9時から戦跡ツアーだよ」

「早起きして行くんよ。朝4時くらいに起きて」

「ええ!?」

「地図見てみぃ。夜明山、ってのがあるじゃろ。やっぱり日没見たからにゃ夜明山で夜明けを見んわけにはいかんじゃろうが」

「何かもの凄く恣意的なものを感じるが」

「いや、そんなことありゃあせんで。わしゃ単に夜明けをみつつ、砲台跡とかもちらっと見たいナーと思っとるだけであって」

「やっぱりそっちがメインか」

魚の唐揚げ

17:01

ふいっとばばろあが居なくなったのでどうしたのかと思ったら、近くのお店で「魚の唐揚げ」なるお総菜を買って帰ってきた。

「どうすんの、これ」

「いや、あまりにシンプルに『魚の唐揚げ』って書いてあるもんだから逆に惹かれちゃって。夕食までの間のおやつとして買ってしまった」

味については全然覚えていない。普通の唐揚げだったような気がする。

よく、食堂なんかで「赤魚の西京焼き」「白身魚のフライ」なんてのがあって、「赤魚って何だよ。それに白身魚って何だよ!?」って思うことがある。しかしこの唐揚げの場合、それすら超越して単に「魚の唐揚げ」。「少なくとも陸の生き物の肉ではないぞ」と宣言しているだけという潔さ。なんだか男らしいというかいい加減っぽさが少し感動ポイント。

父島タクシー

17:06

父島タクシーというところがレンタバイクをやっているそうなので、そこに行ってみる。

50ccのバイクだと、24時間で2,000円。最短単位の3時間で1,500円だった。

聞いてみると、全部出払っていて3台もバイクはない、ということだった。しまった、そういえばこの時間、三日月山に夕日を見に行ったりするのにバイクが多用されるんだった。油断していた。

「自転車だったらあるんですけどねえ」

誰が自転車借りるか!へとへとになってしまうわ、このアップダウンのある島だと。

価格表

17:06

価格表。

レンタバイクには「初心者用とハイパワーの二種類」があるんだそうで、お店としてはハイパワー版をお薦め、と書いてあった。

ほら、やっぱり道路の斜面がキツいからでしょ、これー。

ちなみにレンタサイクルのお値段は、6時間で1,000円。バイクと比べて随分お高く感じるが、まあ仕方がないか。

この価格表の特徴は、「長期貸し出し割引」があって、4日間~1カ月間の間で各種値段設定がされていた。長期滞在する人もいるってことだな。さすが南の島。

レンタカー

17:25

感心ばかりもしてられないので、観光協会に泣きついて「レンタカー借りられるところって無いっすか」と問い合わせてみた。

しばらく探索の結果、一軒の民宿がレンタカーを扱っていて、なおかつ車に余裕があるということだったので借りることにした。よかった、小笠原の貴重な時間を無駄にしなくて済んだ。

急遽ドライブ開始

17:29

というわけで夕暮れが迫っているなか、GO。ばばろあは早速助手席で1/25,000の地図を広げている。

離島にきても、「のんびりと過ごす」ことができないのがアワレみクオリティ。いや、もうのんびりは先ほどのジョン・ジニービーチで十分にやりましたから。

でも、車中では「ちょっといそごうぜ、早くしないと日が暮れる」なんて相変わらずのせわしないことを口走っているわれわれ。

17:34

日没時間との兼ね合いから、遠くに行くのは当然無理なので、近場の境浦、扇浦あたりまででやめておくことにする。

夕焼け
扇浦

日没がきれいだ。

写真撮影中

その光の反射を受けつつ、座礁船が湾内にシルエットを見せている。この座礁船は日本海軍の輸送船「濱江(ひんこう)丸」で、戦時中に外洋で米軍潜水艦の魚雷にやられ、ようやくここにたどり着いたところで座礁というか沈没というか、まあそういう運命を辿った船だ。戦後半世紀以上が経過しているので、既に船の形は成していない。単に錆びた鉄くずの山となっている。海の中にも戦跡が、ということでいろいろ思うこともあるが、今や格好の魚礁+ダイビングスポットになっているらしい。

穴が見える

18:01

なんとかきれいに夕日を撮影しようと夢中になっているしぶちょおとおかでんを後目に、ばばろあは「おかしいのう、この辺にあるはずなんじゃが」とぶつぶついいながらあっちいったりこっちいったり。

銃眼

おや、どうやら茂みの中から銃眼を一つ発見したようだ。

狭い銃眼

18:02

狭い銃眼がある。機関銃砲眼だったのだろうか。奥まで潜り込む勇気はさすがに無かったので、外から撮影だけ。

扇浦から沈む夕日を見る

18:06

太平洋に沈む夕日を扇浦から。

今日という今日こそ、水平線に沈む夕日を眺める事ができた。良かった。

さすがにこの時では、ばばろあも夕日に見とれていた。

地図をにらみつけているばばろあ

18:10

日没ですねえ、良い写真が撮れたねえとしぶちょおとおかでんはお互いの写真のみせあいっこをしている。その横で、まだ1/25,000の地図をにらみつけているばばろあ。執念である。

「あ、あの浜辺の脇の岩場にも何か壕がある!」

最後に何やら気づいて、彼は砂浜に駆け下りていった。

茶里亭

18:37

日が暮れたらさすがにどうにもならん。車は借りっぱなしで明日早朝の探検終了後に返却するとして、今日の行程は終わり。さあ、小笠原最後の夕食を食べに行くことにしようぜ。

シーカヤックインストラクターの治郎さんに、「小笠原で美味い飯やってどこら辺になります?個人的な意見で結構なんですが」と事前に聞いてみた。すると、「そうですねえ、『茶里亭』なんてお薦めかなあ。小笠原の魚がいろいろ食べられるし」

「それだ!」

というわけで、われわれはその茶里亭を探し当て、店に突撃したわけだが・・・

「今日は予約でいっぱいでして」「えー!?」

予約でいっぱいとはこれいかに。これは予想外だった。誰だよ、予約入れた奴は。島で野球大会でもあって、その打ち上げでもやってるのかよ。

残念、島魚を食べ損なってしまった。

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