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談話室的なエリアにあった自販機。
昔から宿の自販機を見るのが好きだ。お酒を飲んでいた頃は、「ビールの銘柄と値段」をチェックするということはとても大事なことだった。部屋出しの夕食の場合、食堂を経由してビールを調達するのがいいのか、それとも館内の自販機で缶ビールを調達するのが良いのかは計算しがいがあるものだった。
お酒をやめてからも、やっぱり自販機を見るのは楽しい。どういう商品が売れ筋として自販機に詰め込まれているのか、その宿の縮図だからだ。値段設定も、おもしろい。
この自販機を見ると、安酒が愛されているということがよくわかる。「一番搾り」があるものの、発泡酒やチューハイ、ワンカップなど「安く酔える」お酒の品揃えに力を注いでいるようだ。本館では安いお酒が好まれるのだろうか?確かにこの建物じゃ、高級酒を傾けるという雰囲気ではない。
そんな自販機の下段に、なにやら変なものが売られていた。あっれえ?6Pチーズが売られているぞ。「SNOW」でおなじみ、雪印6Pチーズ、400円。こんなものが飲み物自販機で売ることができるというのにびっくり。やるなあ。
「酒と、酒のつまみを同時に売る」ってあんまり見たことがない。よくできてるな、この自販機で「飲む、食う」が完結しているじゃないか。
他にも、缶の形の容器に入ったナッツ、柿の種なんぞもある。インスタントコーヒーも!いろいろできるものだな。
これが出来るなら、ホテルは「プリペイドチャンネル用カード」も専用券売機じゃなくてジュース自販機で売ることができるはずだ。
ちょっと感動したので、6Pチーズをお土産に買おうかと思った。でもお財布を持ち歩いていなかったので、やめた。たぶん6Pチーズを部屋に持ち帰っても、我に返って「なにやってるんだ、俺・・・」となるんだろうな。なにしろ、6Pチーズだから。
昼なお薄暗い本館廊下。
「さすがにここは使われていないエリアだろう?」
と思ってしまったが、後で部屋に戻って館内図を確認してみたら、ちゃんと現役エリアだった。すいません。
いやあ、味があるなあ。こういう施設こそ、探検しがいがあるというものだ。
ここは「本館」を名乗ってはいるけど、さすがに元禄時代のものがこれではあるまい。
本館の突き当たりに窓があったのでそこから頭を突き出してみた。
川と、赤い欄干の橋が見えた。
3階に通じる階段。
昔の建物は、増改築を繰り返したせいか動線がビシっとしていない。あっちの階段を上り、しばらく歩いて、こっちの階段で、
本館の奥に、岩風呂とお食事会場となる大広間があるようだ。奥に進んでみる。
それにしてもジグザグな廊下だ。風水を考慮したとか、「切ったらたたりがあると言い伝えがあるご神木を避けた」というわけではないだろう。増改築を繰り返した結果なんだと思う。増改築とはいえ、建物を作る段階で「できるだけ廊下はまっすぐ」作りたかったはずだ。それでもズレなくてはいけない、いろいろな事情というのはあるのだろう。そういう歴史を推測するだけでも楽しい。
突き当たりは大広間。このあたりは廊下が石畳になっている。
人の気配がなかったので、大広間の中を覗き込んでみた。
ほーう、お座敷だと勝手に思っていたけど、実際はテーブル席なのか。
よく見ると、一人席や二人席が多いようだ。三人、四人といったまとまった数での旅行客というのはいないようだ。団体旅行客というのもいないようだ。
今晩はここで箱弁当で大宴会するぞぅぅ。
大広間の片隅に、大きな長机がすえてあった。おそらくここで配膳などをやっているのだろう。朝食バイキング会場のようだけど、箱弁当が出るということなのでまさかそうではあるまい。
「当旅館自慢の地酒です。1杯500円から」とか銘打たれて、一升瓶がずらりと並べられたりするのかな?
背後の舞台は、すっかり舞台としては機能していなかった。昔はここで大宴会なんぞがあったのだろうけど、ご時勢としてそういうのがはやらないのだろう。食堂としての備品置場になっていた。
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