12:30
四万温泉の温泉街には、ところどころに飲泉所がある。
ここは「塩之湯飲泉所」という名前らしい。名前を聞いただけで、血圧があがりそうだ。
ひょうたん型、というかおっぱい型、というか、二つのふくらみのところにくぼみがあり、そこにお湯が注がれている。
一口二口飲んだくらいで体調がよくなるとは思えないが、「せっかくだから」飲んでおく。
この「せっかくだから」という言葉で、人類っていうのは随分と新しい体験や経験を勝ち得ているよな。
12:31
焼まんじゅう屋ののれんが下がっている。群馬名物焼きまんじゅうは、漫画「孤独のグルメ」の影響もあって知名度がジワジワを上がってきている。とはいっても、どこでも食べられる食べ物ではないし、群馬名物といってももっぱら高崎界隈の食べ物だ。だから、僕もまだ食べたことがない。
せっかくだから食べてみようか、とも思ったが、これからお昼ご飯を控えていて焼きまんじゅうを食べるのはよくないのではないか、と思ってやめた。あんまりガバガバ食べるのは、療養しているのに不謹慎ではないのか?という自己規制でもある。
もし、じっくりとこのお店を観察し、「お持ち帰りもできます」という言葉に気がついたら、「そうか、なら持ち帰って部屋で食べよう」と決心したに違いない。気がつかなくてむしろよかった。
12:33
本日のお昼ご飯は、焼きまんじゅう屋のすぐ近くにある「四万温泉柏屋カフェ」というお店に決めていた。この温泉街を調べていたとき、なんとなく小ぎれいなお店があるね、と気になったからだ。「調べる」といっても、四万温泉においてお昼ごはんが食べられるお店というのは非常に限られる。その中の一軒だ。
ほう?外観は木造。テラス席もあるが、こんな寒いときに好き好んでテラスで食事をとろうとは思わない。
もともとは衣料品店だったお店を改築してカフェにしたそうだ。
温泉マークがお出迎え。
このお店は実際にこういうコーヒーが注文できるらしい。その名も「温泉マークカプチーノ」。シンプルだけど、旅情を掻き立てられて思わず注文したくなるアイデアだな。
柏屋カフェの店内。木製の家具に包まれて、ゆったりとした雰囲気。女性好みのお店で、実際に「一体どこから湧いてきたんだ?」というくらい若い女性や男女が店内にいた。
メニューを確認してみる。
決して安くはないが、場所と雰囲気代込みだと思えばこんなものだろう。「イタリアンラーメン」がちょっと気になる。柏屋名物なんだという。「麺はパスタのエスニック風スープ」だって。お値段1,000円。
しかし、気分としてはラーメンではなかったので、柏屋カレー1,000円にしてみた。カフェでカレーを頼むなんて、人生初かもしれない。
12:50
柏屋カレー。キーマとタイ風、二種類のカレーが同時に楽しめます!というのが売りの、合いがけカレーだ。紡錘形の器に丸いご飯。まるでメキシコ人がかぶるハットのようだ。ご飯の上に松の実が振りかけてあるのが面白い。
それにしても、タイ風が頑張りすぎだ。汁気があるので、キーマエリアにドドドと流れ込んでいる。おかげでキーマまでがタイ風に。むしろひき肉が混じっている分、「普通のタイカレーエリア」と「肉が入ってお得なタイカレーエリア」に。
それにしてもうまいな。積善館のメシもうまいが、あれを毎日食べ続けていたら、人としてのがっつきというか、意欲までスポイルされてしまいそうだ。もちろんそれも療養の狙いのうちだけど、たまにはこうやってガツンとスパイシーなやつを腹にぶち込まないと。
温泉がストレスとメンタルに良いのはもうわかった。ではさらにその効果を高めるために、温泉+カレー三昧というのはどうか?ますます体調がよくなりそうな気がする。
フードメニューに+300円でドリンクが付けられる、というのでお願いしてみた。550円までのドリンクであれば300円です、ということだった。
僕としては、もちろん先ほど黒板で見かけた「温泉マークカプチーノ」を頼みたかったのだが、これがお値段600円。おおう、ギリギリ「ドリンクセットにできないお値段」だったわ。うまくできてるなー。
コーヒーは、「ラバッツァ」というイタリアのメーカー製だった。不勉強につき全く聞いたことがないメーカー名だったが、このお店はなにやら誇らしげに「ラバッツァですよ!」と謳っている。こりゃいかん、わし全然この名前知らんやんけ、と慌てて調べてみたら、イタリアでNo.1のコーヒー豆メーカーらしい。へー。
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