お願いですから罰してください【のっとれ!松代城2018】

障害

第一障害、「馬落とし」。

4つの雪の壁が連なっていて、のっとれ!戦士の行く手を阻む。

のっとれ!の障害物は、身長が高い人ほど有利に作られている。これなんてまさにそう。

ジャイアント馬場なら余裕で乗り越えることができるだろう。でも、ジュニアヘビー級レスラー程度の身長しかない僕にとっては、結構手ごわい。ましてや、相対的に身長が低い人が多い女性の場合は、誰かの手助けなしでは先に進めない。

先に壁の上に上った人が、後からやってくる人を引っ張りあげるというほほえましい光景があちこちで展開されていた。400位以降にもなると、レースで上位を目指す気なんてほとんどない人が多い。だから、やさしい気持ちで後から来る人の手助けをする。

一方、僕が一度も見たことがない先頭集団はこの障害をどう乗り越えていくのだろう?恐らく、誰の助けを借りず、そして誰にも手を貸さず、どんどん前に進んでいくのだろう。一体どうやったらこの壁を一人ですいすい乗り越えられるのか、480番台、いや、490番台の順位の僕にとっては想像がつかない。

障害

なにしろ、後ろを振り向くと、残された戦士はこれだけ。

最後尾ではないけれど、限りなく最後尾に近い。

助け合い

よこさんを助けあげるたっぴぃさん。チームアワレみ間でもチームワーク発揮中。ただし、
「重い重い」
とレディに対して失礼な言葉をかけながら。

でも、重いと思ってしまうのは仕方がないことだ。実際の体重がどうのこうの、ではない。引っ張り上げているたっぴぃさんの体勢を見てもらえばわかるけど、下が雪で滑りやすいため、全身で踏ん張って引っ張るわけにはいかない。上半身、特に背筋を使いつつ、自分が滑らないように気をつけつつ、引っ張り上げないといけない。寒い屋外ということもあるので、一歩間違えるとぎっくり腰事案だ。

また、子供を抱き上げるかのように引っ張り上げるわけにはいかない。相手が女性ということもあるし、そういう体勢になると、自分が前につんのめって転落する。

というわけで何が言いたいのかというと、引っ張り上げるほうもかなり大変、ということ。1回でうまくマグロの水揚げができればよいのだけど、タイミングがあわずに失敗することが多い。一人に対して二度三度、引っ張るということになる。

障害

僕は、毎年「馬落とし」でたっぷり人助けをすることにしている。

自衛隊の服を着ている立場上、人助けをしなくちゃ!と思っているからだし、「人助けをしていたので、ゴールが遅くなった」という言い訳ができるからだ。

今年も、後続がほぼゼロになるまでここでお手伝いをし、次の障害を目指す。

崖の上にそびえるは「騎馬止め」。

僕は全然平気なのだけど、高所恐怖症の人にとってはかなりヤバい場所らしい。ちょうど、上りから下りに切り替わる、てっぺん部分で骨組みをまたぐ瞬間が肝が冷えるらしい。

ここは毎年、長蛇の列。今年もそう。ひたすら前が空くのを、待つ。

障害

登山のルールには、「ひとつの鎖場では、二人以上が使わないこと」というものがある。鎖が不意に揺れたり、上にいる人が転落してきたり、想定外のトラブルが起きる可能性があるからだ。前の人が鎖場を無事通過するのを見届けてから、次の人が鎖場に取り付く。

しかし、この「騎馬止め」では、そんな慎重さは微塵もない。なにせ山ではないし、山のルールを知っている人も少ない。なので、人の下に人がいるという密集状態。

それだけ詰め込んでも、まだ後ろには長蛇の列だ。ここを通過するために、毎年5分から10分はかかる。

・・・で、その間に城を急襲する先頭集団は全力疾走。ものの20分程度で、城の奪還に成功してしまうのだった。まだ会場付近に留まっている我々は、もう唖然とするしかない。

会場

「騎馬止め」てっぺんから見た光景。

まだこの先、「堀越え」と「城壁越え」の障害が続く。

しかし、今いる「騎馬止め」混雑が適度に分散させられているので、ここから先は渋滞がない。

障害

「城壁越え」。

真正面から登ろうと思っても、取り付く島がなさそうだ。既に450名以上もの人に蹴飛ばされ、こすられ、ツルツルのガリガリになっている。

かといって、じゃあこのピラミッドの角っこから登ろうとすると、やっぱりダメだ。というのも、誰しも同じことを考えるようで、角っここそ荒れている。

何度やっても一人じゃ登れず、既に段差の上にいた運営スタッフの人に持ち上げてもらった。

障害

「堀越え」

給水所

会場を後にし、除雪されたアスファルトの道を早足で移動する。

今気がついたが、よこさんは目立つ真っ赤なスパッツをはいている。これで雪の中をつぼ足になっても大丈夫。

目の前に見えるのは、第一給水所。

「これがビールだったら最高なのにねぇ」

という冗談は、僕が言わずとも周囲のだれかが必ず言っている。今年もそういう声を聞いた。

給水所のスタッフさん、笑いながら「そうですよねー」と応じてくれる。いったい、今日一日で何回同じ冗談を耳にしたのだろう?

ルート

ここから先、まつだい駅の近くまで続く道は完全に舗装道路だ。

ちんたら歩いていてもよいのだけど、それも面倒なのでちょっとだけ小走りになる。

ルート

なにしろ、「ドンケツハンター」を標榜している勇者様が前方を行進していらっしゃる。

ドンケツよりも後ろというのはどうも収まりが悪い。勇者様のためにも、少し前に行かないと。

ルート

ここから山岳ステージ。

この段階でも、まだ勇者様が写真に写っているということは、いっこうに抜けていないということだ。

みんな「いやぁ、時間内にゴールできればいいですよ」と口にはするけど、場の雰囲気としてなんとなく気が急くものだ。僕もそう、みんなもそう。だから、僕がちょっと早足で追い抜こうと思っても、全然追いつかないのだった。

(つづく)

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