06:45
上高地食堂での朝ごはん、2日連続。
昨日が和食だったので、今日は洋食で。お値段一緒の900円。ただしこちらはコーヒーまたは紅茶がついてくる(和食の場合、+200円)
思わず苦笑してしまう。
だって、朝6時45分だぜ?今、GWの真っ只中。気ままな一人暮らしをやってりゃ、「時間が許す限り朝寝をするぞ!」と前日の夜に気合いを入れ、今時分は「朝寝のラストスパート」とばかりに寝床で頑張っているところだ。
そう、「頑張っている」という言葉が正しい。カーテン越しに外が明るいことを悟っても、「ああ、トイレ行きたいなあ」と思っても、知らんふりをして寝続ける胆力が必要だ。一旦ここで心を揺らすと、目が覚めてしまうからだ。
でも、昨日も今日も、6時過ぎには起きて、自然の中をお散歩して、7時前には朝ごはんだ。これが健康的かというと、寒さに震えて食堂に逃げ込んでいる時点で不健康だ。でもなんだかすごい。
すごいといえば、この朝ごはんもそう。バスターミナルの食堂なので、車による物流は問題なくできる。頭ではそれをわかっていても、こうやって生野菜サラダが出てくると「おお!」と感嘆の声が出る。
そういえば、上高地から歩くことほぼ1日、槍ヶ岳の近くにある「ヒュッテ大槍」の夕食には生野菜サラダが出てきたっけ。ついでに食前酒としてワインも振る舞われた。もう、何がなんだか、って感じだ。
この槍ヶ岳登頂が2002年。随分昔の話だ。
06:55
朝ごはんを食べ終わって、食後のコーヒーを楽しむ。窓越しに岳沢を眺めながら。
それなりにお金はかかるけれど、キャンプ生活であっても「不自由さと、便利さ」を両立できるのが上高地の魅力だ。
07:42
外の景色をひたすら眺め続ける僕。
リラックスしているというよりも、寒くて外にまだ出たくない、という気持ちが正解だ。
どうせ今日だってやることはないんだ。慌ててテントに戻ったって、読書と散歩しか選択肢がない。屋内に留まるのは損した気分なので長居をするつもりはないけれど、あともう少し、日が上るまではここにいたい。
見ろ、ジャケットのチャックをめいっぱい上にあげている。屋内だというのに。つまりそれだけ、寒さに対して怯えているのだ。
07:50
そろそろ頃合いが良さそうだ、ということで上高地食堂をあとにする。
ただ、まだ深夜に受けた寒さのダメージが回復できていない。下流に少し向かったところにある「上高地温泉ホテル」が朝風呂を受け付けているので、そこでお風呂に入ろうと思う。
外に出たら、インフォメーションセンターの屋根から雪解けの水がぼたぼたと勢いよくしたたっていた。昼間はこうやって暖かくなるんだけどな、夜が冷えるんだよな。
河童橋近くのトイレは、「カッパトイレ」という名前になっているらしい。チップ制だ。
ここに限らず、上高地のトイレはターミナルのロータリーにあるトイレ含めて、チップ制になっている。チップを払うのが悔しいなら、上高地食堂でご飯を食べたり、ホテルの売店で買い物をするなどして、施設内のトイレを使わせてもらうといい。
このカッパトイレの裏側あたりから六百山を直登するルートがあるという話を聞いたことがあるけれど、ぱっと見た目はわからなかった。
08:00
河童橋から焼岳。何度目だよ、この構図の写真。
でもつくづく思うが、やっぱり自然の撮影は朝がいい。
梓川の水の清らかなことよ。
08:07
河童橋から、梓川右岸を下流に向けて歩いていく。
上高地はギラギラした観光地ではなく、梓川近辺だけが少し賑わっているエリアだ。土産物屋が軒を連ねるということもなく、すぐに自然の中に身を委ねることができるのがいい。
木の上にニホンザルがいた。胸には子猿を抱いている。この春に産まれたばかりなのだろう。小さい。
そうか、サルというのは顔が赤い生き物だと思っていたけど、子猿の顔は白いのか。
目と目があうと喧嘩になるのもイヤなので、見て見ぬふりをしつつ、素早く撮影する。
当然サルは群れで行動しているので、このあたりは人口密度よりもサル密度の方が高くなっていた。大人と呼ぶにはちょっと小さい、小さなサルがやんちゃに走り回って仲間で遊んでいた。
こちらは車道のど真ん中で日なたぼっこ。
野生のサルだって、当然夜は寒いだろう。夜が明けて一息ついたところか。
08:08
上高地アルペンホテルの前を通過する。ここも日帰り入浴ができるので、いずれ利用しようと思っている。
アスペンホテルの前で、二匹のサルが毛づくろいをしていた。
寝っ転がってだらん、としているヤツの方が偉いのだろうか。自然の生き物でも、人間がすぐ近くを歩く場所でも、こんなに無防備な格好をするのだな。
毛づくろいの様子を遠目で眺めていたら、あれれっ、何やら下半身に異変が・・・
お前、勃起しとるやないか!
さっきまでペニスは目立たなかったのに、今やまさに「天高くそびえる状態」になっている。毛づくろいで何で興奮してるんですか。
それにしてもサルの勃起したペニスを人生で初めてみた。いや、何も感慨とかないけれど。こんなに細くて長いんだな。
木の上では、小猿同志が枝を飛び交いながらじゃれあっていた。
のどかな上高地の朝。
(つづく)
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