15:50
ホテル白樺荘に併設されているレストラン。「小梨」という名前。
「河童橋のほとりでゆったりと・・・オリジナルブレンドコーヒー」と書かれたポスターが目を引く。おい、カッパが目を細めてコーヒーを飲んでるぞ。カッパってキュウリが好物だと思っていたけど、コーヒーも飲むのか。
こういうところでコーヒーを飲むとさぞやお高いんでしょう?と思ったら、420円だった。案外安い。河童橋のたもとという観光地好立地、しかも物資輸送が大変な山奥にもかかわらずこのお値段は良心的だと思う。
しかし、アイスコーヒーになると520円になる。量の違いもあるとは思うが、「冷やす」「氷を浮かべる」ということのコストがかかるからだろう。
レストランなので食事のメニューもある。
ただし、さすがになんでもかんでもあるわけではなく、そば・うどん・カレーといった食べ物が大半だ。
コーヒーが420円と案外安かったので料理も安いかと思ったら、かけそば780円。おおう、やっぱりここは上高地、安いわけがなかった。
ちなみにざるそばを頼むと1,030円。ついに桁が1つ増えてしまった。天ぷらがついているんじゃないの?と一瞬目を疑ったが、ちがう、シンプルなざるそばだ。さすが。
上高地コロッケ310円。買い食いには向いているメニューだが、もう物価水準がよくわからん。何が高くて安いのか、感覚が狂う。
ちなみに「タイムサービス!!」といいうことで、サンドウィッチ・バーガー類が50%オフなのだそうだ。驚いた、上高地でもこういう値引きがあるのか。
ちなみに「山賊バーガー」が720円。これが半額になるのだから、360円。うん、買う価値ありだ。
今思えば夕食用に買っておけばよかったのだけど、先ほど「 かふぇ・ど・こいしょ 」で食べたケーキですっかり満足になっていたのでそういう発想が出てこなかった。
15:54
梓川沿いに並ぶカラマツ。バスターミナル界隈はこのカラマツがたくさん生えている。
天然のものかと思ったら、大正時代に護岸工事の意味合いで人工的に植えたものらしい。江戸時代から森林伐採が続き環境破壊が続いていたので、カラマツを植えることになったのだという。
秋になるとこのカラマツが黄金色に輝くようになる。しかし今はもちろん春なので、おとなしい。そのかわり、細かい落ち葉が小梨平キャンプ場にはびっしりと落ちていて、これが結構難儀だった。テントのいたるところに付着して、帰宅後テントや寝袋を掃除しても掃除しても、次々とカラマツの落ち葉が出てくる。
15:57
河童橋のたもと、梓川の河川敷に座り込んで読書を続ける。
ときどき、焼岳を眺めながら。
16:22
ここからだと、河童橋がよく見える。
バスターミナルとは反対側の川岸にいるので、人の数はやや少ない。そして、バスターミナルと河童橋を行き交う観光客の様子を遠目で観察できるので、暇つぶしにちょうどよかった。
16:27
30分ほど読書したのち、バスターミナルまで行ってみることにした。
下界では「まだ16時半」だけど、キャンプ生活を送る人間としては「もう16時半」だ。夕食のこと、風呂のことなど、気にしなくちゃいけないことのリミットが近づいている。
河童橋を渡り、五千尺ホテルを覗いていく。昼間と比べると、この時間になると随分お客さんが減った。
ホテル1階は売店になっているのだけれど、その一角にmont-bellコーナーがあった。
へー、その気になればここでいろいろな登山用品を買うことができるのか。防寒具も買えそうなので、今晩過ごしてみて「ダメだ!やっぱり寒くて眠れない!」ということがあったら、ここに駆け込んでもよさそうだ。まあ、そうする前にキャンプ場で毛布を借りるけれど。
16:31
バスターミナルが見えてきた。
相変わらず団体観光客がやってきている。この時間から上高地観光って、このあと一体どういうスケジュールになっているのだろう?河童橋を見ました、きれいでしたね、じゃあ17時出発なのでそれまでにバスに戻ってきてくださいねー、という感じか?短い!
17時上高地出発だとしても、宿なりに到着するのは18時以降だ。なんとも忙しい。
その点、僕は自分の宿まで徒歩10分。近い!
お散歩中に見かけるかもしれない植物のことがわかるように、花の一覧表を写真撮影しておく。
しかし結局、全く見返すことがなかった。まあ、当たり前といえば当たり前だ。
鳥なんて、まずその姿を見かけることさえ大変なのにどうするんだという気もするけれど、一応。
いや、キジバトとかマガモとかオシドリはわかりますよ?でも、わかる鳥を改めて覚えてもしょうがないわけで。
16:33
バスターミナルの脇に、「上高地登山相談所」がある。
既に16時半ともなれば、今から登山の相談もへったくれもないのだろう。既にブラインドが閉まっていた。そのかわり明日の朝は早い時間から開いているはずだ。
登山相談所って、何を相談するんだろうか。「階段をのぼるのもしんどいんですが、そんな僕でも槍ヶ岳登れますかね?」みたいな相談だろうか。
それは冗談としても、気になる掲示が。
「10月31日より上高地側からの焼岳登山不可能」と書いてあった。
活火山・焼岳の活動がやや活発になってきたというのはニュースで聞いていたけれど、上高地側から登れなくなったんだな。ということは、中の湯温泉方面からか、西穂高岳方面から縦走するか、平湯温泉から登るか。いずれにせよ、焼岳に気軽に登れるルートが絶たれてしまったので惜しいことだ。
僕はこの1年前、2017年に上高地ルートで登頂できてよかった。
雨のために全く何も見えない山頂だったけれど。
(つづく)
コメント