冬の上高地に歩いて潜入!カフェ・ド・コイショでクリスマス【中の湯・明神】

12:05
すっかり大正池で時間を使ってしまった。

改めて荷造りをして、明神を目指して出発する。

大正池から上高地へは、森の中を歩いて行く遊歩道が通常ルートだ。しかし、面倒くさいので今回は車道を堂々と歩いていくことにした。やっぱり舗装されている道路は快適。

12:30
真っ赤な屋根が特徴的な、これぞ高原リゾート!感満載の建物。誰もが憧れる、「上高地帝国ホテル」にやってきた。

おお・・・ここも、誰もいない。

居残って残務処理をしている人や、冬ごもりのための作業をやっている人がパラパラと残っているものだと思っていた。でも、まったく人の気配がない。きれいな廃墟みたいだ。

トラロープには、「お知らせ」と書かれた札がぶら下がっていた。

それによると、「本年の営業は11月10日午前11時を持ちまして終了」したのだそうだ。

あ、閉山祭が開催される11月15日ギリギリまで営業しているわけではないのだな。

どうやら、11月15日というのはガチの閉山の日であり、それに間に合うように宿や売店は店じまいをしてしまうらしい。

帝国ホテルの窓や出入り口は木の板でびっちり塞がれていた。雪が積もっても建物が傷まないようにするためだろう。

そういえばこの建物、土台の部分は石垣になっているのだな。

これまで、赤い屋根とログハウス風の外壁にばかり気を取られていた。

石垣になっているのは、雪に埋もれることを想定してのことだ。なるほど、そういうことか。

あと、あちこちにJの字をした形の棒が突き刺さっている。こんな棒、オンシーズン期間中にはあったっけ?なかったような気がする。

棒の先は赤く塗られている。これは、雪に埋もれた状態でも「ここに道がありますよ」と示す印だ。来年の春、GWからの営業に向けて雪をかきわけて準備を開始するためのものだろう。やみくもに除雪するわけにはいかないので、道路の位置がわかるようにしておく仕掛けだ。

板で覆われた窓、そして扉。

こういう光景に、いちいち興奮する。すごいすごい。

帝国ホテルの玄関から坂を登って道路に戻る。

そこは、本来なら帝国ホテルの看板が掲げられている場所。でも、今の時期はブルーシートで覆われていた。これも雪による損傷を避けるためなのだろう。徹底してるな。

12:44
上高地バスターミナルにやってきた。

うわあ・・・。がらーんとしている。こんな光景、人生で初めて見た。ええもん見させてもらったなぁ。ここまで歩いてきた甲斐があったというものだ。

上高地に初めて来た人がこの光景を見ても、「はあ、それで?」と思うはずだ。でも、何度も上高地を訪れていて、ここの混雑をよく知っている立場としては感動モノの状態だ。

思わず、ドシンドシンと地面を踏み鳴らしながら歩く。そんな力強い気持ちにさせられる、人の気配の無さ。

もちろん、まったく人がいないというわけではない。駐車場の奥に、関係者の車が1台止まっているし、ちら・・・ほら・・・とごくたまに人いる。身軽な格好をしているので、今日中に釜トンネルをくぐって下山するのだろうか?

12:46
「オウフw」

「オタクが嬉しい驚きの際に発しそうな言葉」としてゼロ年代にネットスラング化した言葉を、僕自身がマジで発してしまう。

それは、上高地バスターミナルの二階に通じる階段が板囲いにされていたからだ。

この階段を登れば、二階は松本市営の「上高地食堂」がある。早朝から營業している、登山をするなら頼もしいお店。そんなお店の入り口が今こうして完全閉鎖されているのは驚きの光景だ。

12:48
そして、広場もがらんとしている。ここはベンチとテーブルが並んでいる場所なのに、全て撤去されている。ベンチもテーブルも木製なので、雪に埋もれたら痛むからだろう。

おっと、その木製ベンチが上高地インフォメーションセンターの軒先に積み上げられていた。

春になるまで、ここで待機するのだな。

(つづく)

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