冬の上高地に歩いて潜入!カフェ・ド・コイショでクリスマス【中の湯・明神】

13:41
小梨平キャンプ場から明神を目指す。

梓川左岸ルートを歩いて行く。

いつもなら、夜明けから日没まで、常に人が行き交う道だ。本格的な装備を背負った登山の人から、バスツアーの観光客まで、大勢歩いている。

しかし、今日はもちろん誰も歩いていない。

こんな光景はこれまで見たことがないので、地味に興奮する。

特に、上高地から奥に足を踏み入れ、「さあここからは舗装道路ではないぞ」ということによる高揚感はかなりなものだ。

道に、車が通ったわだちがうっすらと見える。

明神館の関係者だったり、明神館の近くにある公衆トイレの清掃担当者だったりの車が行き交ったのだろう。

オンシーズンでもここを車が通行することはある。でも、大勢の人が歩くこともあって、わだちはすぐに目立たなくなる。今回写真を撮ってみて、「あれっ、わだちがあるのか」と初めて気がついた。

13:44
森の中を歩いていて気分がいいのは、うっそうとした茂みではなくなり、見通しが良いからだ。

落葉はとうの昔に終わり、地面に残っているのはシダ植物とコケの緑だけになっている。

13:47
ああ、水たまりが凍っている。

もう昼下がりの時間だけど、太陽が上っても夜の氷が溶けない季節になってきたのか。道理で寒いわけだ。

今も寒いけど、夜はもっと寒いぞ。今晩は氷点下に下がるだろう。

同じ場所に住んでいると、季節の移ろいとともにじわじわと気温が変わっていく。その過程で体が暑い・寒いに対応していくのだけど、今日はいきなりの氷点下だ。しかも今晩は電気が通っていない宿に宿泊するわけで、相当寒いことになりそうだ。

14:11
森の中を歩いているうちに、梓川に出た。

いっつも僕はここで、「あっ、梓川の上流に明神橋が見える!」と思う。橋とおぼしきものが見えるからだ。で、「あともうすぐで明神に到着だな」と身構えるのだけれど、いざ歩いてみると思ったよりも明神は遠い。「さっき見た明神橋は見間違えかな?」と毎回、首を捻ってしまう。

しかし今回、落葉した状態で改めて「明神橋らしきもの」を見ることができた。

うん、やっぱりあれ、橋だ。間違いなく明神橋だ。

緑が茂っていないので、くっきりと橋を目視できた。

直線距離では近いのに、登山道は橋に向けてまっすぐ向かっていない。若干遠回りのルートのため、橋を見てから橋に到着できるまで、タイムラグが生じる。

明神岳。いつもこの岩峰を見上げて「いいなあ、すごい山だなあ」と思っている。小学生並みの感想だけど。

毎回、「明神岳には1~5峰があるけれど、で、目の前に見えているのは何峰だ?」と考えてしまう。今回もそう。いい加減覚えろよ、と思うのだが、覚えられない。麓から見上げると、どこが山のてっぺんだか見分けがつかない。

最近覚えたテクニックがある。Googleマップの航空写真を表示した際、WindowsPCの場合、Ctrlキーを押しながらマウスをグリグリすると3D空間で自由自在に地図を動かすことができる。マウスホイールと組み合わせると、まるでドローンからの景色のように、山並みを360度上下左右、拡大縮小しながら自由に見ることができる。この機能は昔からあったようだけど、僕が知ったのはつい最近。で、山を見ると「こりゃあすごい」と驚きっぱなしだ。

気になる明神岳も、真上からだけでなく360度どこからでも見えるし、高いところからも低いところからでも見える。この機能を使って明神岳の1~5峰を特定させ、覚えよう!と思ったのだが・・・やっぱりわからなかった。360度ジロジロ見てもわかりにくいくらい、明神岳の峰々は入り組んでいる。

そもそも、山岳エリアというのはGoogleとしてもそこまで精巧に航空写真を組み込んでいない。東京などの大都市とくらべて航空写真の密度が粗いので、画面を拡大するとギザギザした写真になったり、3Dもどきの画像になってしまう。これはもう、仕方がない。

14:19
そろそろ明神、ということでご機嫌の二人。

14:22
明神館の手前にやってきた。

ここには「明神池」と呼ばれる池があるのだけれど、凍結はしていなかった。

14:25
穂高神社奥宮の参道を示す標識。

山小屋・明神館の正面。徳沢に向かっていくルートと、明神橋を渡って穂高神社奥宮、そして僕らが今回お世話になる山小屋「山のひだや」などがあるルートとの分岐。

14:27
ここから先はウィニングランだ。

到着時間が遅くなることもなく、怪我もなく、寒さで震えるようなこともなく、安全に明神に到着できそうだ。嬉しくなって記念撮影を連発する。

そりゃそうだ、結婚式の半月前だぞ?一番蜜月状態である二人であり、こっちとしては「隙あらば二人の写真を撮りたい」と思っているに決まってる。

ただ悲しいかな、自撮りしてみると、なぜかいしの方にだけカメラのオートフォーカスがあい、僕の顔がボケる。なんでだ。

14:28
こっちの写真もそう。僕の顔にピントがあっていない。僕の存在感が薄い、ということか。

それにしても、カメラを向けたときにいしがポーズをキメるのが僕にとっては眩しい。だって、ピースとかやってるんだぞ。僕が男子校出身という出自もあってか、写真に写る時にピースだなんて、恥ずかしくてやらない。そもそも、笑顔で写真に写ること自体、できるようになったのは30代半ばになってからだ。

※暇な人は、このサイトの昔の記事を探してみると良いです。2000年台の僕の写真は、ほとんど笑っていないのがわかる筈。でもね、昔って写真はそういうものだったのですよ。

(つづく)

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