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「山のひだや」クリスマスパーティー会場。
中に入るやいなや、思わず「うわあ!」と声を上げてしまう、そんな素敵な空間だった。
これはすごい。

ランプとろうそくの明かりによって照らされた料理は、暖かい色合いで心が安らぐ。映える!テンションが上がる!というよりも、お互い顔を見合わせてにっこり微笑むような、そんな気持ちが和らぐ光景。

とっても美味しいキャラメルチーズケーキが小ぶりにカットされて並ぶ。
サンタさんの飾り付けなど、芸が細かい。

シフォンケーキも、人数分行き渡るように小さくカット。その上にホイップクリームでデコレーションしているのが楽しい。
ちょっとずつあれこれ料理やお菓子を食べて欲しい、という宿側の愛情を感じる。

お菓子の傍らにピクルスが置いてあったりする。
さすがにお菓子だけ食べてパーティー終わり、というわけにはいかないので、食べるものも用意されている。

たとえばこれとか。
春巻きかワンタンの皮を揚げたもの。

そして何より目を惹く、本日のメイン料理といえるのがこの大皿。クリスマスチキンだ!
鳥の丸焼きが真ん中に鎮座し、その周囲を鶏もも肉が取り囲む。
そしてクリスマス感を演出すべく、チョコが入った緑や赤のボールが散りばめられている。

こちらはクリームがついていない、プレーンなシフォンケーキ。

サラダも色とりどり。何をすればクリスマスっぽくなるのかって考えたことがないけれど、これを見ると「なるほどクリスマスだ」という気になる。赤と緑、あとは白っぽいものがあればクリスマスらしくなるのだろうか。

ここ最近、グイグイとクリスマス時期になると存在感を増してきているシュトーレンも用意されていた。
嬉しい!カフェ・ド・コイショのシュトーレンは食べたことがないので楽しみ。

豪快なサイズのブッシュ・ド・ノエル。
茶色ではなく白い。白樺を意識したものだろうか。
プリッツで作られたはしごが切り株にかけられている。遊び心があちこちにあって感心しっぱなしだ。
なにせここは山奥だ。「こういう飾りつけにしよう」と思いついても、「ちょっとスーパーに買い物に行ってくるわー」というわけにはいかない。すべて事前に入念な計画を立て、場合によっては完成イメージ図を作成して準備を進めないとうまくいかない。
おかみさんに聞いてみたら、やはり半年ほど前くらいからこのクリスマス会の計画は始まっているのだそうだ。半年前!それはすごい。

食べ物もありますー。
これは温野菜のゼリー寄せだ。いろいろな野菜がキャベツにくるまれている。

こっちはそばずし。
ご飯を焚いて振る舞うのではなく、そばずしが出てくるというのが面白い。そばはクリスマス感がないけれど、こうやって見るとずいぶん非日常感がある。

会場脇にカセットコンロが置いてあるな、と最初から気になっていたけど、コンロの上には寸胴が設置され、そこには具だくさんのミネストローネが入っていた。なみなみ!

料理をあれこれ取らせてもらう。
予め、宿のおかみさんから「一人ひとりのお名前が入ったお皿を用意するので、なんと書けばよいのか教えてほしい」と言われていた。僕は「おかでん」だと伝えていたら、お皿に「Merry X'mas おかでん」とチョコペンで書いたお皿が出てきた。すごい手間がかかっている。
人生で、「メリークリスマス、おかでん」と言われたことがないので、ちょっと照れた。
僕の大学時代なんて、敢えてクリスマスイブの日に「クリスマスに何も予定が無い人たちのためのモツ鍋大会」を自宅で開催し、そこに7,8名くらいの男女が集まって酒盛り(一升瓶の清酒)をしていたものだ。クリスマスと逆張りの人生だ。
「7,8名くらいの男女が集まり」という時点でずいぶんリア充感がある生活を送っていたことを、今頃になって知る。当時は、全く彼女が欲しいとか寂しいとか思ったことはなく、男子校出身ノリの延長でわーわーやっていただけだった。
「彼女?コウノトリが運んでくるんでしょ?こっちが何かしなくても、自然発生的に何かそういう相手が現れるんでしょ?」
と真剣に思っていたものだ。その結果、婚期を大いに逃す。でも、こうして今回生涯の伴侶が現れたのは本当にありがたいことだ。
(つづく)
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