冬の上高地に歩いて潜入!カフェ・ド・コイショでクリスマス【中の湯・明神】

2019年11月24日(日) 3日目

2日目朝。

部屋の中はピリつくくらいの寒さ。

さすが標高1,500メートル、しかも谷間の宿だけある。都会のマンション暮らしでヌクヌクと行きてきた自分に喝を入れられた気分で目を覚ます。

07:08
7時から朝食。宿の食堂は朝になっても使わず、昨晩のクリスマスパーティー会場である「カフェ・ド・コイショ」で食事が振る舞われた。カフェ・ド・コイショには薪ストーブが置いてあって暖かいからだろう。

食事は、お餅が入ったお雑煮。それにお漬物、お茶。至ってシンプルだ。

お雑煮もシンプルで、角餅を焼いて、なるとと三つ葉を浮かべたもの。

今回にかぎらず、冬期にこの宿を利用した場合(事前予約すれば宿を営業してくれるらしい)の朝ごはんはいつもこのお雑煮らしい。

昨日はクリスマス!ということでケーキを食べたりパーティーが行われたわけだが、一晩明けてみると一気に正月が訪れた気分。

07:24
クリスマスの余韻を残しつつ、カフェ・ド・コイショでのんびり過ごす。

今日は釜トンネルまで歩いて、そこから松本までバス、そして特急あずさで東京に戻る。ひたすら移動の日だ。

交通機関が充実しているオンシーズンでさえ、上高地往復は相当な時間とお金の覚悟が必要となるが、冬ともなればそれ以上となる。

釜トンネルを出たところに、「中の湯」というバス停がある。

松本バスターミナルと岐阜県の高山バスセンターを結ぶ特急バスがここに停まるのだが、便数が少ないので注意が必要となる。

乗車したいバスがやってくる時間から逆算して、この宿を発つ必要がある。なにせ、バス停まで4時間近くかかるけれど、その間何も売店・休憩処が存在しない。そして寒いので、あんまり一か所にじっとしていられない。「手頃な頃合い」を見て出発する、ということは大事だ。

僕らは14時に中の湯バス停を通過するバスに乗車する予定にしている。逆算すれば、10時前に宿を出れば大丈夫で、余裕を見て9時過ぎに出発する予定だ。

つまり、あと1時間半ほど時間に余裕がある。

07:36
余裕がある、といっても特にやることがあるわけでもない。

部屋は寒いし。

なので、昨日に引き続いて穂高神社奥宮の様子を見にお散歩に出る。

外に出て見ると、温度計の気温は4度を示していた。

あれっ、絶望的な寒さ、というわけではなかったんだな。肌感覚よりはずいぶん暖かい。

急に標高が高いところにやってきて、気温がガラッと違う環境にいる。まだ体が寒さに順応していないのだろう。

07:50
今日も明神池の湖畔を散策。

オンシーズンなら有料のところが無料なので、「お得だなあ」などといいつつ。下世話すぎる。

本当ならもっと心清らかに聖なる池の周りを歩きたかった。

08:11
せっかくの明神池。誰もいないこの地を堪能できる機会は、今後もうないかもしれない。

なので、二人で湖畔に座り込み、お喋りをしながら時間を過ごした。どちらかが寒さに耐えかねるまで。

お喋りをするならば宿の中でもできる。でも、いくら山小屋とはいえ、屋内にいる限りは現世の延長線だ。こうやって屋外に出ていれば、非日常感がすばらしくてとてもワクワクする。ただし、相当寒いけれど。

08:19
明神池を後にし、嘉門次小屋に行ってみる。

がらんとした嘉門次小屋、というのは貴重な光景だ。

岩魚を食べる人でごった返すベンチは、今は誰も座っていない。というか、このベンチ席、確か屋根付きだった筈だ。降雪に備えて、冬の間は屋根を取っ払ってしまったらしい。

囲炉裏に使う自在鉤の木彫りの魚が壁に吊り下げられていた。燻煙で半分黒ずんでいて迫力がある。

08:25
お。ようやく東から太陽が登ってきた。

空が明るくなるのは遥かに前だけど、実際にお天道様と対面できるのはこんな時間。なにせ谷間だから。道理で寒いわけだ。

(つづく)

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