ハワイからグアムへ、遠島の刑は移ろう【のっとれ!松代城2019】

清津峡

オレンジの明かりがぽつりぽつりと灯る、薄暗いトンネルの中を歩いていく。まだゴールが見えない。ここのトンネルは観光地にしては結構ガチな距離がある。

こうやって時々証明の色を変えたりしないと、飽きる。なのでちょっと楽しい演出だ。

ただし、閉所恐怖症気味の人は、ただでさえ狭いトンネルは嫌なのに加えてこの色だ。逃げ出したくなるかもしれない。

清津峡

次の横穴は、道路脇に設置されたカーブミラーのようなものがトンネル壁面にいくつも貼り付けられ、脇から間接照明としてオレンジ色を放っていた。ちょっとキモい。スズメバチを見たときに恐怖感を持つのに近い、「あっ、これは危険色だ」と感じさせる色。

冬の夕暮れ時、ということで観光客はとても少ない。おかげで、このように誰もいないトンネルを撮影できた。

とはいえ、「フォトジェニクだけど、写真を撮ったら終わり」という感じではある。僕だけでなく、みんなもそんな印象を抱いていた。まだ終着地点まで先だし、「ふーん、そうか」で終わり。あと、何よりも寒い。寒い時期だと、人が少ないのは写真を撮るのに好都合。しかし、じっくり芸術を楽しもうとするには、結構酷な環境だ。

清津峡

トンネルは最後、ぐるーっとUターンするように曲がって終点を迎える。そこが「パノラマステーション」と呼ばれていて、ちょうど穴の正面に渓谷を見ることができる。

そしてここもまたアートの細工がされていた。地面に水が張ってあって、まるで鏡のように空と崖とを映している。そしてトンネル壁面もステンレス板が貼ってあり、景色を反射している。明るい時間帯にくればもっと派手な景色になっていたと思うけど、夕暮れ時だとちょっと薄暗く、景色のインパクトは落ちる。

とはいえ、見慣れない光景を前に一同「おお」とカメラを取り出す。

やっぱりこれも、フォトジェニックという印象しかなかった。写真を撮れればそれでオッケー、みたいな。

清津峡

パノラマステーションから清津峡を見下ろしたところ。

どうだろうか、これを見て素晴らしい景色だと感じるか、「ふーん」と感じるだけかどうか。結構微妙だと思う。トンネルを延々歩いた先にある景色がこれ。「まるで水墨画のようだ」と褒めたりしたいけれど、微妙としかいいようがない。

自然というのはえてしてそういうものだ。

さて、いま来た道を戻ろう。

青空

長いトンネルを歩き続け、トンネルの出口までやってきた。

ほっとして空を見上げると、そこには幾筋もの飛行機雲。このあたりは飛行機が頻繁に飛び交う航路らしい。

カモシカを見上げる

それだけじゃなく、ちょっとめずらしいこの地の住人もいた。

カモシカ

ニホンカモシカ。

お互い、しばらくにらめっこをする。その距離20メートルくらいだろうか?野良猫とばったり出会ったときと一緒だ。お互い、じっと見つめ合う。

しばらくすると、カモシカは僕らに飽きてしまったらしく、ぷいとそっぽを向いてどこかへと立ち去ってしまった。どこかへ、じゃなくてここが元々彼らの住まいなんだけど。

すいません、お邪魔しました。人間風情でこんなところに来ちゃって申し訳ない。

旅館

清津峡の入り口すぐのところにある、立派な旅館。「湯元清津館」という宿。

こう見えても、「日本秘湯を守る会」の会員宿だ。その証拠に、宿の前に「日本秘湯を守る会」と描かれたちょうちんがぶら下がっている。

確かにかなり山深い場所だけど、ここまで観光地に隣接している「秘湯」というのはないかもしれない。

(つづく)



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