18:35
「さて、食事に行きますか」
苦笑いをしながら大広間に向かう。
「あれ?さっき食べたような気がする」
「あれはおやつでしょ?」
「そうだっけ。いや、あっちがおやつで、今度のは夜食では?」
みんなしらばっくれている。今度のがお夜食なのだとしたら、この後部屋飲み用に用意してある大量の飲み物、ありゃいったい何だ?寝る前の水分補給か?
大広間に着いてみると、畳の上にテーブルがすえつけてある席だった。お年寄りでも安心設計。あと、浴衣であぐらをかいてお膳に向かっていたら、気がついたら股間が丸出しになっているときがあるんだよな。風情、という点では畳の上にお膳というのが一番ワクワクするけど、現実的にはこういう机スタイルというのは便利だ。
「おおう!炊飯器が置いてある!」
お茶用のポットが置いてある横に、ご飯の保温ジャーが置いてあった。おひつでご飯を提供するなんて生ぬるい、保温ジャーごと出すから、ここから心置きなく食え!ということだ。
「これは宿からの宣戦布告と捕らえてよろしいか?」
「よろしいのではないかと」
ヌゥ、我々がさっき250グラムのカツを食べたことを知ってのことかッ!
「ならばこちらとしては、カツを食べたことなどおくびにも出さずにこのジャーの中のコメを食い尽くすまでのことよ」
夕食。一泊二食で1万円ちょっとくらいのプランを選んだと記憶しているが、至れり尽くせり。ご飯は「魚沼産棚田コシヒカリ」だそうだ。実際うまいうまい。おかわりください。ジャーごとで。
宿メシの定番、茶碗蒸しがあるのもにっこりしてしまう。なんだろうね、以前は宿に泊まるつど、「ほーらまた茶碗蒸しだよ、惰性だよなこうなると」とか思ってたものだが、最近ものすごく茶碗蒸しがしっくりくる。歳を取ったせいだろうか?
「旬の地のもの」を提供するのが旅情という点では一番だが、さすがに雪に埋まったこの地でそれを期待するのは無理がある。山だから山菜が食べたいです!とかイワナとかいいねえ、とか言ったって、そりゃ全部よその場所からもってきたものだ。だからおいしく料理が食べられれば、それで十分だ。
それにしても、食後のデザートが「フルーツポンチ」というのは面白かった。
食事中の「のっとれ!」ご一行様。
テーブルの上が少々さびしく感じませんか、と思ったら、ああなるほどビール瓶やとっくりが並んでいないのだった。このとき、誰もお酒を頼んでいなかったからだ。
「えー、宿メシの豊富なおかずを肴にぐいぐい飲むのって、楽しいと思うけどなあ」
と一人酒を飲まない僕は不思議なのだが、さすがに皆さん先ほどのかつ丼が胃の中でとぐろを巻いているようだ。しかも、新幹線で酒を飲み、ぽんしゅ館でも飲んでいる。いい加減内臓がお疲れ気味なのかもしれない。
「いやあ、この後部屋に戻ればお酒あるから」
たっぴぃさんが言う。まあそうなんですけどね、じゃあどうします?今ここにある食事を全部タッパに詰めて、部屋にもって帰るというのは・・・あ、駄目ですかそうですか。
食後、一息ついたところでくの一部屋に全員集合。酒盛りとなった。
フロントでUNOを借りることができるということなので、UNOを借りてきた。UNOなんて20年ぶりくらいだろうか?ルールをすっかり忘れてしまっていた。
窓の外に出しておいたビールをいったん部屋の中に戻し、撮影用に並べてみた。その数11本。うち1本はノンアルコールなので、残り10本がビールだ。350ml缶だとはいえ、よくもまあこれだけ買ったものだ。飲む人は3人なので、一人1リットル以上飲むぜ、という犯行予告でもある。
ヱチゴビールが5本ずらずらと並ぶ。それぞれ種類が違い、素敵。
二次会・・・なのか?三次会?四次会?
わからん。
とりあえず、今日何度目かわからない乾杯でこの場はスタート。
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