飲んで、食って、走って。【のっとれ!松代城2015】

越後武士

昨年から気になっている銘柄がある。それは、「越後武士」という名前だ。「えちごさむらい」と読む。

「これだけは飲んでけ~!」というPOPが貼り付けられ、ぽん酒館のきき酒体験コーナーおすすめということで強調されている銘柄。でも、それだから気になっていたわけではない。日本酒度が+60であり、「めちゃくちゃ辛口」というテプラがわざわざ貼り付けてある。こんな日本酒度、類がない。+5だの+10だので辛いとかほざいている酒がちゃんちゃらおかしいわ!という次元だ。

「リキュール」というテプラも貼ってある。どうやら、日本酒という範疇からは場外ホームランしてしまったらしい。

そんなわけで、是非誰かに飲んで欲しかった。わりと真剣に。

しかも今年はさらに新たなる知識を仕入れていた。このラベルの左側にちょこっと書いてある「四十六度」の文字。これ、日本酒度の書き間違えとか、醸造した際の温度みたいな独自の指標なのかと思っていたが・・・実は、アルコール度数だったことを知った。マジで?

言うまでもなく、清酒と呼ばれる類の飲み物は、アルコール度数は15度程度だ。「原酒」「荒走り」と呼ばれるようなお酒で20度弱。でもせいぜいその程度だ。46度って、蒸留式のお酒であるウイスキー(40度)よりもキツいぞ。何がどう間違ったらこんな清酒になるというのか。

「リキュールというジャンルに分類されているし、蒸留しているのか?」と最初は思ったが、いやいやいこれが、ちゃんとれっきとした清酒なのだった。ただ、度数がキツすぎて、酒税法上の仕切りとしては「リキュール」ということらしい。

46度の清酒ってすごいな。キツすぎて、酒そのものの味ってわかるんだろうか?と心配になってくる。醸造元のおすすめの飲み方は、「冷凍庫に入れておくと、凍らずにとろっとするのでそれを飲む」なんだそうだ。なんだよそれ、ウォッカみたいじゃないか。

これは是非、朝からお酒を嗜んでらっしゃる我がメンバーにも飲んでいただきたい!

「少量を試飲できる」この施設ならではだ。こんなくせ者、居酒屋で頼むには勇気がいる。しかし、コイン1個(=100円)でちょっとだけ体験となれば、怖いもの見たさで頼むことは余裕だろう。

声にならない声

で、たっぴぃさんが「越後武士」を試してみたのだけど、ごらんの表情。

「あああああ」

と低くうなり声を上げた。少量とはいえ、やはりかなりキツかったようだ。

チェイサー所望

よっぽどキツかったらしく、あわててチェイサーとなる水を汲みに行くたっぴぃさん。

このあと、よこさん、おやびんも同様に越後武士に戦いを挑み、そして同様に撃退されていた。三人とも慌ててチェイサーを求めたところからみても、かなりな強敵だったらしい。

「たっぴぃさん!ももクロ好きの『モノノフ』でしょうが!越後武士に打ち負かされていないで、ホレ、もう一度!」
「いやもう勘弁して・・・」

そうだ、今はまだお昼なのだった。あとは寝るだけの夜ならともかく、まだ宿からはるか彼方の地にいるし、既にお酒をくいくい飲んでいるし。くつろぎすぎだろ、この時点で。

「明日、『のっとれ!』があるんだよね実は」

一同笑う。あんまりそんな気がしない。単に酒を飲みにきました、という感じ。

たっぴぃさんお薦め

みなさん10杯程度試飲しまくったところで、この場は終わりにすることにした。できるだけバリエーションを持たせて試飲していく人、うまい酒が見つかったらリピートする人と飲み方はいろいろで面白かった。

最後に、各自がこの日一番気に入ったお酒を選んでもらうことにした。

まずはたっぴぃさん。麒麟山酒造の「きりんざん 純米」。この「きりんざん」は、精米歩合によってラベルと瓶の色が変わる。今回試飲できた純米はグリーンだが、他に本醸造のブラック、純米大吟醸のブルーなどがある。

モンドセレクション金賞受賞だそうだ。本当にモンドセレクションってのはあっちこっちにあるものだな。ISO9001みたいなものか?

おやびんお薦め

一方、おやびんが選んだのは「越の誉 和醸蔵寒仕込搾り 純米大吟醸」。

おやびんは、ずらっと並ぶお酒をチョイスする際、「純米大吟醸のお酒」ばかりをピックアップしていた。直球すぎる選択基準だけど、100近いお酒を一人で絞り込む上ではちょうど良いフィルターだった。

おやびんはこのお酒をいたく気に入り、もう一回おかわりしたくらいだ。生酒なので、度数は高い。だから、おそらく今頃は気分がいい感じに仕上がってきているはずだ。

しかし、おやびんや我々だけに限らず、場にいる人すべてが平然としているのがこの地の特徴だ。「ぽん酒館」店頭にあった、トラ状態のリーマンさんのような人は一人もいなかった。地元の酒好きのじいさまのたまり場になっているわけでもない。やっぱり、立ち飲みスタイルだからみんなさっと飲んでさっと立ち去るのだろう。

鶴齢

よこさんのお気に入りは青木酒造の「鶴齢(かくれい) 山廃純米」。

人によっていろいろ違ったお酒を選ぶものだな。こうやって人が選んだものを客観的に見るだけでも楽しいものだ。

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