14:17
のっとれ戦士は体育館の前にスタンバイするように、とのアナウンスが流れる。そろそろ、表彰式からお楽しみ抽選会に続く時間が訪れようとしていた。
もうのっとれ戦士たちのほとんどが会場内にいるのだから、そのままはじめちゃおうぜー・・・というのは無しだ。やっぱり、儀式的に「戦士、凱旋入場!」というのをやってこそ威厳が出るというものだ。
しかし、既に僕らを含めのっとれ戦士たちは「戦闘服」から「通常の服」に戻っていた。ヘルメットは被っていないし、ゼッケンも外している人が多い。なので、そこらへんにいる普通の人となんら違いがないのだった。
しかも我々、帰りの便が気になるお年頃。特にたっぴぃさんはこの後飛行機に乗って高松、という社畜ジェットエンジン点火なありさまだ。ガチガチに身支度を済ませ、いつでも会場から脱出できるようにと余念がない。その格好は、「抽選会に参加する」人の格好ではない。
もちろん、たっぴぃさんの格好を微笑ましく見ていられる我々ではない。我々とて、すぐに退却しなければならないからだ。15時48分松代発の電車に乗るためには、15時半には会場を抜けないとやばい。しかし、昨年実績では15時半には抽選会が終わっていなかった。今年はどうなることやら。
たっぴぃさんも僕らも、乗ろうとしているほくほく線の便は一緒だ。しかし我々が「ギリギリまで会場にいる。乗り遅れたらまあ、しゃあないなあ」というスタンスなのに対し、たっぴぃさんは「絶対に乗り遅れは許されない」というスタンス。なのでたっぴぃさんの方が一足早く会場を後にする予定になっている。
おやびんも身支度を済ませ、たっぴぃさんの傍らに控えている。
「えっ、えっ?私も一緒にいていいの?別のところにいたほうがいいんじゃないの?」
のっとれ戦士ではないおやびんが、我々と一緒に入場しようとしている。
「まあいいんじゃないですか、そのあたり、表彰式のときは曖昧でいいと思いますよ」
と適当なことを言って、そのままおやびんも一緒にいてもらうことにした。ギリギリまで現地にいたとして、さあ逃げ出すぞ、となった時におやびんを見失ってしまいあたふた、というのは困る。一緒に行動して、一緒に退却しなくちゃ。
14:21
のっとれ戦士の入場準備。
毎年恒例だけど、そりが付いた籠がスタンバイされ、そこに鎧甲冑に身を包んだ新城主(今年、一番に松代城に乗り込んだ人)が乗せられている。
14:35
戦士の凱旋入場。
周囲のお客さんや屋台の人が拍手でお出迎えしてくれる。ついさっきまでその屋台でお買い物をしていたんだけど、それは言いっこなし。
14:48
表彰式が始まった。
これがうんざりするくらい長い。若干間延びした空気感、というのもこの「のっとれ!松代城」の醍醐味ではある。イベント運営はしっかりしており、手はずはばっちりだ。もっとテキパキやることは技術的に可能なのだろうが、のんびりやるというのが方針なのだと思う。
こっちは帰りの電車に向けて気が急いている状態。男性の1位から10位までの表彰があり、その後に女性の1位から10位まで・・・と続き、さらにその他表彰が行われていくとさすがに「まだ続くのか」感が出てくる。
電車があと30分遅ければ、このまったりムードの表彰式を楽しむことができるのだろうが、残念だ。電車時刻を踏まえた、イベントの時間割にしてくれると最高なのだが。
15:05
歌舞伎者の表彰は、スターウォーズの格好をした人たちに進呈されていた。
15:09
表彰のあと、統括軍師によるお楽しみ抽選会が始まった。
一気に場の空気が引き締まる。
各賞いろいろあるのだが、もちろん「芝峠温泉一泊招待」「越後地酒たくさんもらえます」「ハワイ旅行」といった豪華なやつは後のほうだ。
次々と発表になっていく当選者だが、それに対して喜んでみたり悲しんでみたりする。
「待て!まだ早い!今こんな賞で当たってしまったらもったいない!この後ハワイが待っているというのに!」
と一同をなだめる。でも、心の片隅には、「何でもいいから早く当たってしまわないと、結局今年もボウズになっちまう」という恐怖心もある。
「安心しろ!こうやってどんどんハワイのライバルは少なくなってきている!あとは肝心のハワイでガツンと当てるばかりよ!」
と強がってみる。確かに、当選者が出ることで「当選待ちの人」の数は減る。しかし、同時に「残されている賞の数」自体も減っていく。別に当選確率が上がっているわけではないので、全然意味のない強がりだ。
15:27
たっぴぃさんは「もう無理!行きますわ!」と言って、会場を立ち去った。そろそろやばい時間に差し掛かってきたからだ。それでも憧れのハワイ抽選はまだ。それはメインイベントなので、電車の時間に向けて尻に火が付いた頃になってようやく、ということになる。
たっぴぃさんから抽選番号が書かれた「入場の証」を受け取る。抽選は、代理人であってもOKだからだ。
一方舞台上では、「ハワイの前に」ということで、残り物だかなんだかの、「冬の陣」と描かれた黒いスタッフジャンパーの抽選会が始まっていた。「なんだよそれ」というブーイングが笑い声とともに起きる。おう、じらされまくってるぞ僕ら。早く、早くハワイを!
15:37
この頃になると、僕ら以外にもギブアップして会場を後にしている人がわらわらと出ていた。なので、抽選で番号が読み上げられても、該当者なしのため再度引きなおし、ということが多発した。そのせいでますます抽選に時間がかかるようになっていく。
我々は、最初は舞台最前列に近いところにいたのだけど、じりじりと後ろに下がっていった。駄目だとわかったら、すぐにまつだい駅に向かうためだ。それくらい、時間としてはやばい。
ということは、「やっぱり当たらないんだろうなあ」という諦めの境地が半分以上心の中を占めていた、ということでもある。昨日までは、「3人もいればハワイは直撃するだろ!さすがに!」とわあわあ言っていたのに何この意気消沈っぷり。
写真は、別にやらせでもなんでもない。本当に会場後方末端で、入場の証を手に、遠くのスピーカーからの音を半身で聞いている状態だった。
ちなみによこさんが275位、おかでんが290位、たっぴぃさんが406位だった。
ハワイの抽選は、まんまと全員が外れた。なんてこった!想像はしていたけど、なんてこった!また今年もか!せめて、粗品くらいはもらえてもいいのに、何一つあたらないだなんて!
500人参加して、そのうちの3人だぞ?0.6%だぞ?この数字が多いとは言わないが、数十名規模で何か褒美があたえらるこの場で、かすりもしないとは一体どういうことか。けしからん。自分らの運の悪さを嘆かずにはいられない。
しかしそんな嘆きはとりあえず後だ。それ、ハワイ遠島の刑が外れたとわかったら、すぐにまつだい駅に向け退却だ。まだ遠島の刑の後も抽選は続くのかもしれないが、そこまで見届ける余裕は僕らには残っていなかった。
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