閉鎖病棟・上高地【小梨平ソロキャンプ2018】

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17:46
本日の戦利品。さっき売店で買ってきたものだ。

改めて写真で見てみると、何を買っているんだ自分は?と思う。

ノンアルコールビール4本というのがまず買い物としてなかなかなものだけど、それに柿の種、バニラアイス、そしてインスタントコーヒー。キャンプっぽさがない組み合わせだ。

こういうのをしれっと買えてしまうのが、小梨平のすごいところだ。アイスはほどよく凍ってるし、ノンアルビールはキンキンだぜ。最高かよ!

ノンアルコールビールという飲み物は、多くの人は「ビールが飲めない時の誤魔化し用」として飲む。なので、ガブガブ飲む対象ではなく、「ビールっぽいものを飲んで、自分を納得させる」ための位置づけだろう。

しかし僕はというと、4本も買ってしまうところから見ての通り、「ガブガブ飲む対象」だし、「ビールを飲みたい気持ちを抑えて」いるわけでもない。単にノンアルコールビールが飲みたいんだ。

ノンアルコールビール4本お買い上げの際、多分店員さんは「この男が一晩で、一人で飲んじゃう」とは思っていないだろう。でも飲むんだな、これが。

いや、飲まない可能性だってある。そもそも、ふだん僕はこんなにノンアルコールビールを飲まない。飲んでいるうちに、「何をやってるんだ、自分」と我にかえるからだ。酔いもしない飲み物にお金を払ってありがたがって飲むのってどうなの?と白ける。

でも、今日はお祭りだ。特別な日なので、いつもよりは多く飲みそうだ。そんなわけで、4本。

酒飲み時代の習性が未だに残っていて、「足りなくなったら困るから、多めに用意しておこう」という発想になる。「足りなくなったら、そこで終わり」ということにはならない。

どうせナマモノじゃないんだし、余ったら次の日に飲めばいい。

ただ、気をつけたいのは、調子に乗って飲んでいるとトイレが近くなる、ということだ。夜、テントから抜け出してトイレまで遠征するのはおっくうなことだ。だから、飲み物はほどほどでやめておかなければ。

17:51
ヘッドライトと、LEDランタンを用意して夜に備える。日が暮れてからゴソゴソと探しても、暗いと見つけにくい。しかも狭い空間に物を押し込めているのでなおさらだ。

人間、昼夜ともに明るすぎる生活に慣れてしまっている。暗闇を忘れてしまっている。家の中でも、廊下からトイレから部屋まで全部がこうこうと明るい。だから、たまにキャンプをやると「暗闇の不便さ」というのを思い知ることになる。

さて、まず最初に読むことにしたのは、五木寛之著「デラシネの時代」。

デラシネとは、フランス語で「根無し草」のこと。そこから転じて、祖国や家族兄弟から離れ、自分のアイデンティティを問いながら生きていく人の意味もある。

まさに今の僕がそう。

都会の喧騒と情報量に嫌気がさして、一人上高地でノンアルコールビールを飲んでいる。

朝8時半に「よし、今日は上高地に行こう」と決めて、18時前にはこの状況。事前に荷造りをしていたとはいえ、この根無し草っぷり。

それもこれも、この歳になって結婚もせず、一人でその日暮らしをしてきたからだ。楽しい生活だけど、どこか「自分が帰属する場所、制約を受ける場所」を望んでいたりもする。それは、定期的なタイミングでの習い事だったり、行きつけのお店だったりでもいい。家族という形で根を張りたいというわけではない。

18:26
アイスクリームを食べ、柿の種を食べつつノンアルコールビールを楽しむ。

最近は「甘いものとしょっぱいものを交互に食べる」という、一番やっちゃいけない食べ方を好むようになってしまった。そのせいで素晴らしく太った。特にアイスクリームを食べつつのポテトチップは最高だ。そりゃ太るわけだ。

読書をしながらお湯を沸かし、それで「尾西の赤飯」を作る。非常用食品としても、登山時の食料としても優秀な食べ物だ。アルファ米で、容器に熱湯を注いで蓋を閉じて20分置いておくと、ご飯が出来上がる。

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原材料:「アルファ米」シリーズ:白飯、五目ごはん、わかめごはん、田舎ごはん、松茸ごはん、赤飯、山菜おこわ、白がゆ、梅がゆ、ドライカレー、チキンライス、えびピラフ

ふだんは自宅に非常用食料として備蓄しておいて、今回のように山方面に行く時、その在庫を一部拝借することにした。災害が起きた時に飢えたら困るので、あんまり大胆に持ち出すわけにはいかないけど、ちょびちょびと。そうやって備蓄食糧をローテーションしていく。

山賊焼き弁当があるのに、なんでわざわざアルファ米を炊くの?と我ながら思う。

たぶん、お昼ごはんが蕎麦をずるッと手繰っただけだったので空腹だったのと、お湯の一つでも沸かさないと、これから始まる長い夜を持て余すと思ったからだ。

この空間だと、スローライフであるほうがいい。なんでもパキパキとこなしてしまうよりも、手間がかかった方が心地よい時間になる。

だって、まだ夜にさえなっていないんだぜ?ここで弁当をちゃっちゃと食べて、ごちそうさまでしたおやすみなさい、というわけにはいくまい?

山賊焼き、おいしゅうございました。

ここ最近だろうか、山賊焼きはすっかりこの界隈のご当地グルメの代表格になったようだ。昔は塩尻だか岡谷だか、そのあたりの限定ご当地グルメだったと記憶しているのだけれど。

ここ上高地のランチマップを見ても、あっちこっちの施設の食堂で山賊焼きをメニューに加えていた。人気の証だ。

上高地というのは自然豊かだけれど、ここで食料品になるものは何一つとれない。国立公園の中で厳格に環境が守られているので、「裏山で山菜を摘んできました」なんてこともない。全部、下界から運んでくるしかない。使いたい放題なのは、清らかな水だけだ。

なので、上高地のご当地グルメというのは存在せず、結果的に山賊焼きも下界から輸入されている。

お赤飯が炊けたので、食べる。うん、腹に溜まった。

翌朝のご飯は12時間以上先だ。今のうちに腹ごしらえはしっかりとやっておこう。

18:50
食後、Bエリアの隅っこから見た景色。

右側の白いテントが僕の寝床。笹の繁みのすぐ脇に居を構えていて、「両脇はなんとしても通らせないぞマン」として卑屈な精神を発露している。このポジションだと、少なくともテントと笹の間を通り過ぎる人はいない。

18:59
Cエリアのようす。このあたりは大きめのテントがちらほら見える。

オートキャンプではないので、テントの外でくつろいでいる人というのはあまり多くなく、早くもテントの中にこもっている人が多いようだ。テントの外でくつろぐためには、椅子を持参しなくちゃいけない。それはそれで荷物が増える。

あと、日が暮れてくると急速に気温が下がってきた。この調子でのんきに外にいると、体が冷えてしまう。

19:04
そんな僕もテントの中にもぐりこんで、読書を続ける。

暗くなった外で、ヘッドライトの灯りで読書をするのは厳しい。テントの中のほうがいい。

テントの中もずいぶんと寒くなってきた。

長袖を着て、防寒対策をする。

19:07
いやいやいや、長袖ごときでは済まない寒さになってきたぞオイ。

氷点下まで気温が下がるっていう話なので覚悟はしていたが、展開が急すぎる。

寝る直前になって防寒対策をしっかりしようと思ったけど、この時点でギブ。

本来、寒さに耐えうるだけの装備品を買って持参するべきだ。しかし、寒い時期に今後どれほどキャンプをするのか、自分自身何も計画がない。これまで通り、温かい時期にしかテントを張らないのかもしれない。だから、防寒に関して装備は手抜きだ。寒かったら一晩くらい我慢して、翌日は受付で毛布でも借りればいい、という考えだ。

そんな僕が用意していたのは、アルミシートだった。テントで何が一番キツいって、地面からの冷気だ。アルミだとその冷気を跳ね返してくれるし、自分から発せられた熱も逃げないように跳ね返してくれる。

テントの床面積よりも大きめのシートを買っておいたので、これを折りたたんで床に敷けば寒さ対策になりそうだ。

しかし、サイズが大きいので、それを畳んだり敷いたりするために狭いテントは大混乱になった。

被告人が現場検証のために警察官に囲まれながら護送されているときのようだ。

(つづく)

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