閉鎖病棟・上高地【小梨平ソロキャンプ2018】

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12:34
嘉門次小屋。

「山のひだや」のすぐ脇にある。

いや、多くの観光客にとって、嘉門次小屋の方がメインで、山のひだやはひっそりと森の中に佇む山小屋で、脇役で立場が逆かもしれない。

「日本近代登山の父」と呼ばれ、上高地から穂高の山々を登山したウォルター・ウェストン。英国教会の宣教師として明治期に来日し、趣味の登山で南アルプスから北アルプスまで登りまくっていたようだ。宣教活動はどうした?と心配になるくらいだけど、日本の山々を登山の本場・ヨーロッパに初めて伝えた人ということでその名を轟かせている。

そのウェストンに北アルプスの案内人として同行したのが、明神に小屋を建てて猟師として暮らしていた上條嘉門次。その子孫が営んでいるのが嘉門次小屋だ。建物は有形文化財になっている。

昔は宿泊もやっていたらしいけど、今は食堂だけの営業となっている。

でも、嘉門次小屋のwebサイトを見ると、宿泊に関する記述がある。

嘉門次小屋
北アルプス上高地 130年の歴史

このサイトは2011年6月に出来たようなので、少なくともその段階では宿泊が可能だったようだ。4部屋のみ、一泊二食で8,000円と書かれている。周辺の小屋(明神館、山のひだや)の相場よりも安いので、情報が更新されないまま残っているのかもしれないし、年によっては営業しているのかもしれない。詳細は不明。

12:35
いずれにせよ、嘉門次小屋といえば岩魚の塩焼きが名物だ。

名物すぎて、昼どきになるとお客さんが大量に押し寄せ、座る席がないやら岩魚の焼きが追いつかずかなり待つやら、大変だという。

実際僕も、ここで岩魚を食べたことがない。

今回は、どうせ暇なんだし、のんびりと待ちながら岩魚を食べてみようと思う。

小屋の前にはお寺か神社の参道のような道があり、その両脇にベンチ席、そしてドリンクを売る屋台がある。

12:42
席数はそれなりにある。でも、炭火で焼く岩魚は提供まで時間がかかる。なので、多くのお客さんは岩魚待ち状態だ。

テーブル番号が振ってあるので、まずは座席を確保したのち、注文しに受付に行くことになる。で、オーダーしてお金を前払いして、その際にテーブル番号を伝える。出来上がった料理はテーブルに届けてくれる。

驚いたのは、ここに三輪のベビーカーで訪れている親子がいたこと。えええ、上高地からここまで、ベビーカーでやってきたの?それはすごい。

楽をさせてもらって車道を走ったのかもしれないけれど(本当は車道は一般人通行禁止)、仮に車道だとしても舗装はされていない。よくやるぜ。

建物の軒先に、いろいろなグッズが売られている。

折りたたみでもない、ビニール傘が売られているというのが下界とまだ地続き感がある。

あとは、はがきやキーホルダーなど。

やっぱりいるのかね、こういうおみやげが欲しい人。バスターミナルで買えばいいじゃないか、と思うけれど、荷物になってでも山奥で買いたくなるのだろうか。

嘉門次小屋の前には小川が流れている。

そこに金網で仕切られたいけすがあって、岩魚はここから生きたまま水揚げされる。

水揚げされた岩魚は、すぐさま長い竹串に刺され、囲炉裏へと運ばれる。生きているときから食べられるまでがあっという間だ。

建物内部の囲炉裏。ここで岩魚がびっしりと焼かれている。南部鉄瓶を取り囲んでいるけど、これだけ一度に焼いてもまだお客さんが食べ尽くすわけで、大変な繁盛っぷりだ。

当たり前だけど天然岩魚なわけはなく、どこか別の場所で養殖したものを運んできているのだろう。だとしたら、ものすごい数の岩魚を生きたまま外から運び込むことになるので、手間もコストもやたらとかかる。

受付の奥の部屋にあるため、見落としていた。本当ならここで魚が炙られるのを見つつ待ちたかったけど、もう座席を確保しちゃった後なんだよな。今度ここに来る機会があったら、囲炉裏に陣取りたいものだ。

嘉門次小屋の注文受け付け。飲み物以外はここで注文する。

せっかくなのでお品書きを見ておこう。

お会計はグループでまとめて払うこと、とされている。繁盛しているお店ならではのルールだ。バラバラに注文され、しかも全員が一万円札を出してきて「お釣りをください」などと言われたらたまらないからだろう。

光がてかってあまりよく見えないけれど、このお店なら岩魚単品1,000円または岩魚の塩焼き定食1,600円を食べるのが定番だろう。

岩魚の骨酒2,000円とか岩魚のくんせい1,100円という派生商品もあるけれど、ここで本格的に飲むと上高地に戻るのが面倒になる。なにせタクシーは呼べないから。きをつけないといけない。

ほかに、岩魚の塩焼きが載っている「嘉門次そば1,600円」というのも珍しくて面白い。

ケーキが500円でメニューにあるけれど、このお店はあまりに和のテイストすぎて、なかなかケーキを食べる雰囲気ではない。子供と一緒にやってきた時用としては良いかもしれない。たぶん子供って、そんなに岩魚は好きじゃないと思うので。

ドリンクメニュー。おっ、ノンアルコールビールがあるぞ。ありがたい。400円。

ビールは大瓶700円。場所を考えれば、値段としては妥当だと思う。「ビールで岩魚」というご希望の方はぜひどうぞ。

ドリンクはお会計も受取場所も別だ。小屋の入り口のところにある屋台風のところでお支払い&受け取りになる。

ほーう、ノンアルコールビールは零ICHIとドライゼロ、2種類があるのか。それはいいな。

13:12
店内で心静かに読書をして、岩魚が焼き上がるのを待つ。

都会にいると、こういうときにスマホを取り出してガチャガチャやってしまいがちだけど、スマホはいじらない。そうすると、むしろ時間と心に余裕ができる。

でも、読んでいる内容は金にまつわる話で、結構周囲とのギャップが激しいのだけれど。

受付がある部屋のテーブルに僕は陣取ったのだけど、ここにいると単なる食堂の一室のようだ。あんまり上高地感がないので、ちょっともったいなかった。どうせ読書をするにしても、もう少し異空間感が欲しい。できるだけ、囲炉裏か、屋外のベンチ席を確保したいところだ。

13:17
岩魚定食1,600円+ノンアルコールビール400円=2,000円のお昼ごはん。お昼にしては結構お金を使っちゃったけど、宿泊料金が800円(=小梨平キャンプ場の幕営費用)で激安、というところで全てが許される気がする。

岩魚は、予想以上においしかった。

山あいの温泉旅館で岩魚が出てくることは多いけれど、パサパサしていて塩っ辛いばかりのものに出会う確率が高い。しかしここの岩魚はしっとりしていて、塩気もそこまで強く感じない。焼き立てということもあり、ふっくら食べられたのは良かった。大満足のお昼ごはんとなった。

(つづく)

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