閉鎖病棟・上高地【小梨平ソロキャンプ2018】

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16:18
夕暮れまでもうしばらく時間がある。

今のうちから買い出しをするのはまだ早い。お風呂?ご冗談を。全ては営業時間ギリギリに行くことが望ましい。だって、夜はすごく、すごーく長いのだから。明かりのスイッチをONにするだけで擬似的な昼が再現される都会ぐらしとは、全然違う。何か欲しくなったらコンビニに行けばいい、なんてこともできない。

遅い時間にできることはできるだけ遅く。今はただ、暇を持て余している自分をナルシスト的に楽しむ時間だ。

ちなみに買い出しを極力遅くする理由は、「冷えたノンアルコールビールを仕入れるため」という理由もある。クーラーバッグなんて気が利いたものは持ち込んでいない。冷えたヤツを喉にブチこみたければ、ディナータイムの直前まで購入を待つに限る。

持ちこんだ本3冊は全部呼んだ。ここでようやく僕は、まともにスマホを眺める時間があった。でも、あくまでもチラ見程度だ。緊急性が高い出来事がないかどうかの確認をするだけにしておく。

SNSの世界に僕は疲れているので、ほとんど見ない。この頃からだと思うが、僕はFacebookもInstagramも、一方的に発信だけして、他の人の投稿を見なくなっていった。たまたまタイムラインの先頭にある記事や写真が目に留まることはあるけれど、それ以上スクロールさせることはほとんどない。そしてLINEも、一週間に二度とか三度程度しか既読にしなくなったし返事を書かなくなった。それは今でも変わっていない。

17:17
キャンプ場受付近くの、一番人気エリア。

15時台は「ああ、今日は空いているな」と思っていたのだけれど、結局17時台になるとそこそこ混んでいた。案外遅い時間になってテントを張りにくる人が多いようだ。

逆に言えば、キャンプ場一等地であっても、隣との感覚の狭ささえ気にしなければ空きがある場合もあるよ、ということだ。とはいえ夜間は氷点下となるGW期間中でさえこれなのだから、夏のハイシーズンになるとものすごく混むことになりそうだ。

17:19
明日は天気が崩れることが確定している。この時間も、既に雲の動きが若干落ち着きがない。

岳沢と穂高連峰の写真が明日撮れる保障はないので、今日のうちに記念写真を撮っておく。

この時間にして、既に服を着込んで防寒対策をしている。まだそこまで寒くないのに服を着ているのは、このあとお風呂に入ってー、買い物をしてー、そのあと梓川のほとりで暮れゆく岳沢を眺めながらの宴会をやろうと思っているからだ。

19時、あわよくば20時まで粘りたい。いや、可能ならばいつまでも。今日がこの絶景最後の日だ。

そのため、背中にはガスストーブやヘッドライト、ランタンなど荷物一式を詰め込んだザックを持参している。いくら時間に余裕があるからといって、無駄にテントと川岸との間を何往復もしたくないから。

17:21
やあ、雲が増えてきたな。そして上高地を包む空気が赤みを帯びてきた。

17:22
太陽は既に西穂高岳の稜線の向こう側にお隠れ遊ばした。

ここで僕が天の岩戸の故事に倣って、愉快な踊りを舞ったりしても太陽は戻ってこない。「今日の日はさようなら」という曲をつい口ずさんでしまう。懐かしいな。

この曲、キャンプをやっているからこそしみじみくる曲だ。電気に取り囲まれた日常生活だと、全然実感がない。「今日の日はさようなら」となるのは、「さて寝るぞ」と寝室の照明を消したときだ。それは完全に自分によってコントロール可能であり、風情もへったくれもない。

ゆっくりと太陽が傾いてゆく、この景色こそが美しい。

18:05
お風呂から上がってまた梓川の川岸に戻ってきた。

あー、奥穂高岳上空が曇ってきたな。

改めて明日の天気を確認してみる。

5月2日は最低気温が4度だ、と僕が見ている天気予報は伝えている。夜明け前の午前5時が最低気温になる。もしこれが本当ならば、今晩はそこまで「しばれフェスティバル」ではないと思うのだけど・・・さてどうなるか。

18:45
白から赤にかわった空気の色は、日が沈むとともに青に変わってきた。

そして雲がどんどん増えてきた。曇るおかげで放射冷却が防がれるのだろう。

まあ、今晩雨が振らないので上出来。

あーあーあー、どんどん雲が飛騨側から押し寄せてくるよ。

標高3,000メートル弱の稜線を乗り越えて、雲がやってくる。でも、この上高地まで1,500メートルをすーっと駆け下りてくるまではいかないようだ。

ここまで見届けて、いい加減寒くなってきたのでギブ。19時、テントに退却。

結局、「できることなら20時でも21時でも」と長逗留を予告していたのに、19時が限界だった。

19:06
なにやら鼻水が出る。風呂上がりに、グイグイ気温が下がっていく屋外で身動きせずにとどまっていたからだろう。

あわてて鼻炎薬を飲む。

寒暖の差があると鼻炎の症状が出やすい僕は、旅行先に常に鼻炎薬を持ち歩いている。いや、旅行先といわず、日常的に、だ。

フィルムタイプの鼻炎薬というのがこの世の中には存在していて、これだとお財布の中に入れておける。なので、財布を持ち歩いている限り鼻炎薬にこまることがない。

そして、カプセルタイプの鼻炎薬だと、かばんの奥で潰れてひしゃげていることが多いけれど、これならばその心配がない。鼻炎もちの人はおすすめだ。

(つづく)

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